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カミオカラボ(宙ドーム神岡)スーパーカミオカンデを紹介する施設へ行ってみた 飛騨観光①

1 スーパーカミオカンデとは

皆さんは「スーパーカミオカンデ」を知っていますか?なんか,戦隊もののスーパーロボットのような響きもありますが,それ以上にゾクゾクする施設です。

スーパーカミオカンデは、世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置です。1991年に建設が始まり、5年間にわたる建設期間を経たのち、1996年4月より観測を開始しました。スーパーカミオカンデ実験は、東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設を中心に、日本、アメリカ、韓国、中国、ポーランド、スペイン、カナダ、イギリス、イタリア、フランスの約40の大学や研究機関との共同研究で行われています。スーパーカミオカンデ検出器は、5万トンの超純水を蓄えた、直径39.3m、高さ41.4mの円筒形水タンクと、その壁に設置された光電子増倍管と呼ばれる,約1万3千本の光センサーなどから構成されています。岐阜県飛騨市神岡鉱山内の地下1,000mに位置しています。

どうです?おわかるでしょう?要するに,素粒子と呼ばれるめっちゃ小さな粒子を捕まえる滅茶苦茶でかいセンサーです。

一生の間に一度行ってみたいと思っておりましたが,なかなか鹿児島住みだと足を延ばしにくく…幸い岐阜に赴任したので,ここぞとばかりに向かいました。

ただし,年に一回の「見学会」は新型コロナウイルスの影響で中止。許すまじコロナウイルス。というわけで,あと2回くらいしかないチャンスに期待しましょう。今回は,そのスーパーカミオカンデを解説する施設を訪問しました。「道の駅 宙(スカイ)ドーム神岡」にある「カミオカラボ」です。

2 道の駅 宙ドーム神岡

カミオカラボに行くには,この道の駅を目指す必要があります。

東海北陸自動車道を利用して,高山方面を抜けて自動車で向かいました。おおよそ岐阜の市街地からはゆっくり行って3時間くらい?電車でのアクセスは,高山以降の足がバスなどを駆使しないといけなさそうです。

神岡地区の道の駅です。道の駅ですからきっぷもあるよ。売店ではなく,案内窓口(わかりにくいので付近の人に聞きましょう)で購入できます。

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外観はこんな感じ。道の駅とは思えない雰囲気。カコイイ

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看板にはほんのり宇宙海賊のようなキャラクターが…

到着するころには,おなかがすいているでしょうから,ご飯を食べましょう。「ひだ小僧」というレストランが入っています。高山ラーメンなどもありますが,私が食べたのはこれ。

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流星カツカレー!!横浜なイケメンは関係ありません。いかにも宇宙な感じでいいですね。

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こんなのもありました。

3 カミオカラボ

腹ごしらえをしたので,いよいよ本題のカミオカラボへ突入です。道の駅の整備と同時に,スーパーカミオカンデ紹介コーナーを大規模に拡充したらしく,とても興味深い小規模な科学館になっています。

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もうロゴがかわいい

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入っていきなりの光電子増倍管スクリーン。ここに一通り解説映画が流れます。宇宙などからやってくる非常に小さくて通り抜けやすい粒子「ニュートリノ」が,タンク中にためた水分子にごくまれにぶつかった際に光が発生します。これを捉えるセンサー群です。

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こんなのがいっぱい並んでいて

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実物も展示してあります。ある仕掛けがあるんですが,それは見てのお楽しみ。圧巻です。

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AR(?)を利用したゲームもあります。お子さんも楽しいかも。化学教師の私なら余裕よ!と思いつつ,操作感含め絶妙に難しいものも…

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飛んでくるニュートリノを捕まえるゲームなんてのも…ちなみに,ニュートリノは電子ニュートリノνe、ミューニュートリノ νμ、タウニュートリノντの三種類があり,それらも再現されている芸の細かさ。

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山のこの辺にあるよという展示とか

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重力波望遠鏡KAGRAの展示もありました!

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ノーベル賞受賞者の梶田先生と写真ができるコーナーもwktk

スーパーカミオカンデのデータも利用して,ニュートリノの研究をされていたすごい方です。

もちろんもう一方,小柴先生は前身の「カミオカンデ」で研究してノーベル賞です。食堂にサインや写真が置いてありました,謎の親近感が…

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質問コーナーも,地味に面白かったです。

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リアルタイムで,センサーの稼働状況を見ることができるのも面白いです。

ここに紹介した以外にも様々な展示があってしかも無料ってのはすごい…

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入り口近くには圧倒的映えスポットが

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4 軽食コーナー

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ん,これは…暗黒メロンパンも大変気になったのですが,

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光電子増倍管ワッフルパフェを食べました。ニュートリノに見立てたポッキーがぶっこんできています。また,光電子増倍管(ワッフル)がマジで大量に入っており,550円とは思えないものすごい満腹感です。


5 売店・お土産

宇宙グッズも色々ありますが,ここでしか買えないものが欲しいところ。

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左から

ノート…箔押しでキレイ。中には,スーパーカミオカンデの情報なども若干記載されています。

ファイル…タンク内の様子のA4ファイル

バッジ…唯一のキャラクターグッズらしい。ニュートリノ三兄弟!

ステッカー…わかる人にしかわからない…

そして,日本酒「神代」

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わかりますか!このパッケージ裏!ビンの中で,スーパーカミオカンデの内側を表現しているわけです。すげー!


6 というわけで

飛騨を観光するなら(個人的に)絶対行ってほしいカミオカラボと,道の駅でした。岐阜の山間部で,最新の人類の英知と,宇宙の神秘に触れられて,ヤバいパフェと酒が手に入るなんて!

再掲

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謎の,ノーベル天様もいらっしゃるぞ。ノーベル賞が取れるかも!?

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あわせて,近辺の飛騨観光もしましたので,後程まとめていきますね。


<追記> 

超新星爆発で生じた素粒子「ニュートリノ」を世界で初めて観測し、2002年にノーベル物理学賞を受賞した東京大特別栄誉教授の小柴昌俊(こしば・まさとし)さんが12日夜、死去した。94歳だった。【写真】2002年、ノーベル賞のメダルを手に田中耕一さん(右)と笑顔を見せる小柴昌俊さん=ストックホルム 1926年、愛知県豊橋市生まれ。東京大理学部物理学科を卒業し、宇宙から地球に降り注ぐニュートリノなど宇宙線の観測に力を注いだ。70年に東大教授に就いた。物理学最大のテーマの一つである陽子の崩壊を観測しようと、岐阜県の神岡鉱山の地下に観測装置「カミオカンデ」を建設した。陽子崩壊は観測できなかったが、87年、私たちの銀河系(天の川銀河)の隣の大マゼラン星雲で起きた超新星爆発で生まれたニュートリノを観測。超新星爆発のしくみの解明が大きく進んだ。光や電波を観測する従来の天文学ではなく、ニュートリノで天体を観測する「ニュートリノ天文学」という新たな学問分野を開いた。朝日賞などを受けた後、02年にノーベル賞を受賞した。(引用 朝日新聞デジタル 2020/11/13)

ご存命のうちに,神岡を訪ねることができてよかった…

ニュートリノ研究のようにすぐ社会に役に立つわけではない基礎研究も重要だと説き,人類共通の知的財産を増やすという考えを持っていた小柴先生。本当にそうだと思います!ご冥福をお祈りします。

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