眼球にくちづけを。中野視点10話
私の眼は幸いな事に、全く後遺症は残らなかった。それでも、
退院後には何度も経過観察で病院に行かないといけないのが煩わしい。
退院してから私はある行動をとった。働いていた盲学校を辞め、
一人暮らしをしている真田君の家に突入したのだ。
だって、片時たりとも離れたくないし、彼はダメって言わないはずだ。
彼の優しさにつけこむのは気が引けるが自分の気持ちを偽りたくない。
「ほんまに大丈夫なん?お父さんとかちゃんと説得した?」
両親は意外とあっさり了承してくれた。
たぶん、彼が5年間私の