水野しず

毎週金曜日:定期購読マガジン『おしゃべりダイダロス』配信 https://www.mi…

水野しず

毎週金曜日:定期購読マガジン『おしゃべりダイダロス』配信 https://www.mizunoshizu.com

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  • 水野しずのおしゃべりダイダロス

    水野しずの考えを最も率直に届けるコーナー。 毎週金曜日の夜に配信予定ですがわりと前後します。

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    歌集 試着室から出てきた人みたいな雰囲気で生きる以外のやり方を私はまだ知らない。

    歌集のvol.2です。 全72ページで新作短歌100首前後と現代川柳100首前後を収録しております。
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    過剰親切文化論「かくて生命は反目する」水野しず批評集

    『親切人間論』には収録しきれなかった作品批評を一冊にまとめた批評集。ときには難癖や偏見も辞さない融通無碍の熱笑批評による抜群の読み応えをお約束します。巻末書き下ろし文「面白い批評って何」を収録。 他の一切は保証できませんが、面白さだけは保証したいと思います。 A5サイズ、56P
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記事一覧

女子校出身者のための共感と愛想の比較論

・【驚きの事実】愛想は多少よくしておいた方がむしろめんどう(性カチコミ)が起こらない

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水野しず
12日前
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人間がやることは全てわからないわかっていたらやらなくてすむ

先日 「水野さんは結婚ってわかりますか?」 と聞かれたので、その場で真面目に考えてみたが、結論から言うと「わからない」。結婚がわからないというより、全てがわから…

300
水野しず
3週間前
79

アンパンマン=片岡鶴太郎説

宝石業界にはビーフブラッドよりもピジョンブラッドのほうが上という価値観がある。らしい。牛血と鳩血。どちらもルビーの色彩を表すための語彙である。 これに私は「意義…

300
水野しず
1か月前
74

『perfect days』役所広司のパーフェクト加減

とうとうクレアおばさんが煮込み終わったのか、といった方面の感慨があった。 『perfect days』を劇場で観たら、役所広司が普段以上に向こう側に行っているように感じた。…

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水野しず
1か月前
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野放図・バトルスタジアム

・他人事パワースポット

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水野しず
2か月前
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アグリーされたって構わない

 毎月通っている心療内科の医師は、毎度、江戸前寿司の大将みたいなノリで「へイラッシャイ!」と薬を出すだけの診察をやる。私はこれを「握り」と呼ぶ。「診療」と思って…

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水野しず
2か月前
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タイムパフォーマンスという信仰はなんのためにあるのか

・おじさんが居座ってるけど大丈夫  朝目が覚める直前に、絶対に起きたくないという気持ちが猛烈に高まったので 「あえて覚醒に気がついていないフリをしよう」 と思っ…

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水野しず
2か月前
81

ものすごく具体的に考えるダサい大人にならないための基本方針

・ダサい大人は勘弁してもらえない時代 最近、ダウンタウンのメンバー松本人志休業の報道が話題になりました。 これについては言及可能な切り口が無数にあるので一概に言…

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水野しず
3か月前
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「ネガティブ・ケイパビリティ」のよりグッとくる言い回しを熱心に考える会

・「ちょっとまってください」 と言いたくなる 最近「ネガティブ・ケイパビリティ」という語をしばしば目に(あるいは耳に)する機会があります。これは を指している…

400
水野しず
3か月前
67

ゴキブリをじっと見る

外に出ると疲れる。 脳の中がクリアーじゃなくなってザワザワしちゃって空間がよくわかんない感じになってグニャグニャして平衡感覚もなくなってまっすぐ立てなくなって、…

水野しず
3か月前
70

ウケるしかないウケていることにするしかないウマは走るしかない

・死因:ゴルフ 所用があって実家に帰省したら、 「近所の人がゴルフをやりすぎて皮膚がんになり死んだ」 と、聞いた。ガマンならず、その場で腰が抜けるほど大爆笑をし…

400
水野しず
3か月前
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オシャレとは、ある部分では現実のガン無視

・急に「ドラゴン」を出してくることのヤバさ 今年は辰年です。ドラゴンの年。すごい。ドラゴンイヤーとかいう、急にファンタジージュブナイル小説世界みたいなことを言…

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水野しず
3か月前
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イチローはマジで「すべて」が上手い説

イチローとたけし(北野武)はある部分が共通していると思う。 それは、いったん思い浮かべるとイチローもたけしも思い浮かべの中でなにかしらの「100」として機能して…

300
水野しず
4か月前
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「せいろ購入前」というかけがえのない特別な時間

・「せいろ購入前に必ずみてください」 ネットショッピングをしていて、画面の下の方に と書かれたPOP-UPウインドウが出てきた瞬間をやたら鮮明に覚えている。 せいろ?…

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水野しず
4か月前
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「評価」を気にし過ぎてしまうとき、一体なにが起こっているのか(後編)~「側」のやつ論~

今回の記事は前編後編にわけて という悩みにどう対処していくか、というテーマについて考えていきます。 ・「側」のやつ 前編では主に 評価の内容よりも、「どこからど…

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水野しず
4か月前
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「評価」を気にし過ぎてしまうとき、一体なにが起こっているのか(前編)

最近、 ということで悩んでいる人の話を聞いて、すこしわかったことがありますので、今回はそれついてお話ししていきたいと思います。 ・「評価」を気にし過ぎてしまうと…

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水野しず
4か月前
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女子校出身者のための共感と愛想の比較論

女子校出身者のための共感と愛想の比較論

・【驚きの事実】愛想は多少よくしておいた方がむしろめんどう(性カチコミ)が起こらない

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人間がやることは全てわからないわかっていたらやらなくてすむ

人間がやることは全てわからないわかっていたらやらなくてすむ

先日

「水野さんは結婚ってわかりますか?」

と聞かれたので、その場で真面目に考えてみたが、結論から言うと「わからない」。結婚がわからないというより、全てがわからない。なにもかもが。

人間がやることは、基本的に全てわからない。私だけがわかっていないのか、他の人もわかっていないのか、それすらもわからないが、おそらくほんとうのところは誰もわかっていないんじゃないか。

なぜなら、大体のことはわかっ

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アンパンマン=片岡鶴太郎説

アンパンマン=片岡鶴太郎説

宝石業界にはビーフブラッドよりもピジョンブラッドのほうが上という価値観がある。らしい。牛血と鳩血。どちらもルビーの色彩を表すための語彙である。

これに私は「意義あり」と思う。
この場合のビーフブラッドとは、食肉用に生物にとって優れているとは言えない環境で成長ホルモンを投与され大量生産され機械的に処理(殺害)された牛肉が、冷凍処理をされて流通を経たのちに、慌しく人が往来するキッチンに常温放置されて

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『perfect days』役所広司のパーフェクト加減

『perfect days』役所広司のパーフェクト加減

とうとうクレアおばさんが煮込み終わったのか、といった方面の感慨があった。
『perfect days』を劇場で観たら、役所広司が普段以上に向こう側に行っているように感じた。向こう側とは、人々がうっすら信じてはいるが、特に信用はしていないまま運用されている「善意・善人」の向こう側のことだ。ベルマークを集めているときの漠然とした失望、お台場で開催されているイベントにあらかじめ漂っている「素直に騙されて

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アグリーされたって構わない

アグリーされたって構わない

 毎月通っている心療内科の医師は、毎度、江戸前寿司の大将みたいなノリで「へイラッシャイ!」と薬を出すだけの診察をやる。私はこれを「握り」と呼ぶ。「診療」と思っていると、こちらの精神状態に不具合が出るかもしれないからだ。「医者と患者が国民皆保険制度という名のブラックボックスに共依存し悪貨が良貨を駆逐している」など、いますぐ考えなくてもいいことを熱心に考え、通っている原因をおのずから悪化させてしまうか

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タイムパフォーマンスという信仰はなんのためにあるのか

タイムパフォーマンスという信仰はなんのためにあるのか

・おじさんが居座ってるけど大丈夫

 朝目が覚める直前に、絶対に起きたくないという気持ちが猛烈に高まったので

「あえて覚醒に気がついていないフリをしよう」

と思って覚醒をシカトしていたら、よこしまながんばりへの天罰かもしれない。おじさんの顔が私の瞼と眼球の間の空間に現れた。現れたというか、記憶の断片がフラッシュバックしているだけなんだけど、むやみに実在感がある。おじさんの顔(頭~肘下くらいまで

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ものすごく具体的に考えるダサい大人にならないための基本方針

ものすごく具体的に考えるダサい大人にならないための基本方針

・ダサい大人は勘弁してもらえない時代

最近、ダウンタウンのメンバー松本人志休業の報道が話題になりました。
これについては言及可能な切り口が無数にあるので一概に言える話ではないのですが、ひとつ「ヒエーっ」となった点として、「ダサい大人は本格的に勘弁してもらえない時代が到来したんだな」ということを思いました。
というか、今まで勘弁してもらえていた方がリラックスのし過ぎだったのかもしれません。考えてみ

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「ネガティブ・ケイパビリティ」のよりグッとくる言い回しを熱心に考える会

「ネガティブ・ケイパビリティ」のよりグッとくる言い回しを熱心に考える会


・「ちょっとまってください」 と言いたくなる

最近「ネガティブ・ケイパビリティ」という語をしばしば目に(あるいは耳に)する機会があります。これは

を指しているそうです。

確かに、生産性や効率、結論、要約した意義のようなものばかりが過剰に求められ、誰しもが自らの価値の総額について深刻にならざるを得ない現代人にとって「バズりそうなひとことを言わずにグッと留めておく」みたいな感覚はすごく大切なん

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ゴキブリをじっと見る

ゴキブリをじっと見る

外に出ると疲れる。

脳の中がクリアーじゃなくなってザワザワしちゃって空間がよくわかんない感じになってグニャグニャして平衡感覚もなくなってまっすぐ立てなくなって、人の気配が入ってきて家に帰るだけで精一杯になったりして、なんだか外に出るのが苦手で、何にもないとわりと家にいる。

私の家はコンクリート製なので外界の音がほとんど聞こえてこない。シェルターみたいだ。豪雨の時に僅かに髪の毛に湿度を感じてそれ

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ウケるしかないウケていることにするしかないウマは走るしかない

ウケるしかないウケていることにするしかないウマは走るしかない

・死因:ゴルフ

所用があって実家に帰省したら、

「近所の人がゴルフをやりすぎて皮膚がんになり死んだ」

と、聞いた。ガマンならず、その場で腰が抜けるほど大爆笑をしてしまった。こういうところがよくない。本当にそれはよくわかっている。でもどうしようもなかった。すみません。怒らずに気の毒とどうか思ってください。

なにが面白かったのか。

亡くなった方はスネ夫一家のような、いわゆる成金的なライフスタ

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オシャレとは、ある部分では現実のガン無視

オシャレとは、ある部分では現実のガン無視



・急に「ドラゴン」を出してくることのヤバさ

今年は辰年です。ドラゴンの年。すごい。ドラゴンイヤーとかいう、急にファンタジージュブナイル小説世界みたいなことを言われている。我々は昔から当然のようにこれをやっているので「ドラゴンイヤーの茹でガエル状態」になっていると思うのですが、それまで牛とかネズミとか言ってたのに急にドラゴンってやばいでしょう。ずっとファンタジーをやっている世界よりも全然やばい

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イチローはマジで「すべて」が上手い説

イチローはマジで「すべて」が上手い説

イチローとたけし(北野武)はある部分が共通していると思う。

それは、いったん思い浮かべるとイチローもたけしも思い浮かべの中でなにかしらの「100」として機能してしまうという点で、さらにその「100」(ある評価基準におけるマックス)と、世の中のある要素を比較をすることで、ある要素が「15」とか「3」とか「マイナス80」であるといったことが判明してくる趣がある。たとえばイチローを「100」とした場合

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「せいろ購入前」というかけがえのない特別な時間

「せいろ購入前」というかけがえのない特別な時間

・「せいろ購入前に必ずみてください」

ネットショッピングをしていて、画面の下の方に

と書かれたPOP-UPウインドウが出てきた瞬間をやたら鮮明に覚えている。

せいろ?

せいろ……?

せいろって、あのせいろか。

(いわゆる「せいろ」)

そのときの自分がなにを買おうとしていたかは覚えていないが、せいろではなかったことは確かだ。なぜなら私はせいろの購入を人生で一度も検討したことがないから。

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「評価」を気にし過ぎてしまうとき、一体なにが起こっているのか(後編)~「側」のやつ論~

「評価」を気にし過ぎてしまうとき、一体なにが起こっているのか(後編)~「側」のやつ論~

今回の記事は前編後編にわけて

という悩みにどう対処していくか、というテーマについて考えていきます。

・「側」のやつ

前編では主に

評価の内容よりも、「どこからどのような評価軸で評価をされるのかわからない状況に晒されている不安」から評価されることへの辛さが生じてきているという話をしました。また、このような辛さを回避するために、推し活や筋トレ等の

を維持しやすい活動が流行っている、といった話

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「評価」を気にし過ぎてしまうとき、一体なにが起こっているのか(前編)

「評価」を気にし過ぎてしまうとき、一体なにが起こっているのか(前編)

最近、

ということで悩んでいる人の話を聞いて、すこしわかったことがありますので、今回はそれついてお話ししていきたいと思います。

・「評価」を気にし過ぎてしまうとき、一体なにが起こっているのか

どこかの誰かに突然「評価をされてしまうかもしれない可能性」について漠然と悩んでいる人(現代ではほとんどの人がこれに該当すると思うので、筆者も他人事ではありません)は「自分が晒されるかもしれない評価軸」と

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