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なぜ広報が200万円の売上をつくったのか?「広報=経営機能」を体現してみた結果

みなさまこんにちは!株式会社ラフールで広報をしています大澤(@n_o_health_c)と申します。

先日こんなTweetをしました。

後述しますが、広報=経営機能であるという認知が少しずつ拡がっている中で、経営機能の定義は曖昧かつ各社によって位置付けは異なるな。と思い、自社や自分に当てはめて改めて考えてみました。

結論、私の今の立場としての着地点が上記のツイートにあるように、1万円でもいいから広報自ら売上をつくるでした。

そこまで広報がやることではない、もっと別のやり方があるでしょ。という気持ちも重々承知の上ですが、会社規模や置かれた状況などを考慮した上で、私は直接の売上を作ることも一つの経営貢献だという考えに至りました。

23年の上期はひとつの目標に広報自ら売上をつくることを課し、結果として23年4〜9月の期間で売上を200万円つくることができました。(しかも人件費を除けばほぼ粗利!)

文字通り経営にダイレクトで貢献することができたことに加え、振り返ると売上貢献以外の副次的な効果もたくさん生まれました。本noteでは、広報がなぜ売上をつくろうと思ったのか、その背景や売上をつくるためのプロセスを綴っていこうと思います。

おさらい〜広報とは〜

23年6月、日本広報学会が【広報の定義】を発表しました。

【広報の定義】
組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である。

さらに【広報の"目的"】を以下のように定めています。

本定義では、広報の目的は、組織や個人の「目的達成や課題解決に貢献すること」と捉える。広報の目的は幅広く、認知の獲得や売り上げの向上、採用計画の実現、失われた信頼の回復など多岐にわたる。広報は中長期的なものも含め、目的を明確にして展開されることが、望ましいと考える。

日本広報学会「広報の定義と解説」

個人的な解釈になりますが、上記の目的における「認知の獲得や売り上げの向上」の一文は、認知の獲得をきっけとして、購買意欲の向上や売上の貢献、BtoB向けの商材であれば問い合わせからのリード獲得などが意味として含まれると認識しています。

とはいえ、広報の役割は各社で三者三様。そのため、広報の定義はベースとしておきつつも、自社に合った動き方を経営陣と握り、広報=経営機能を体現することが求められるのではないでしょうか。(めちゃ難しいですよね。難題。)

なぜ広報が売上をつくることを目標と課したのか

大きく理由は3つです。
① 顧客ロイヤリティを高めたかった
② 社としての売上目標に曇りが見えた
③ 経営への貢献を、誰でもわかるような数字として示したかった

① 顧客ロイヤリティを高めたかった
当社では、組織改善ツール「ラフールサーベイ」、適性検査「テキカク」、2つのプロダクトを提供しています。加えて、人事コンサルティングや研修をはじめとした各種ソリューションを提供しています。

ソリューションの幅はひろく、意見を出せる環境でも合ったので、広報観点でなにか協力できないか、顧客に貢献できることはないかとコンサルチームと壁打ちをしました。顧客が抱える課題としても、採用ブランディングやインナーブランディング浸透などが合いそうとアイデアが出てきたため、顧客ロイヤリティを高めるためにご支援できるようプラン作りに勤しみました。

黙々と提案資料を作る

② 社としての売上目標に曇りが見えた

内々の都合なのでざっくりとになりますが…社としてはいくつかのラインで売上目標を立てていた中で、人員体制の都合などにより目標と乖離が出そうな状況に陥りました。

ここをどうやったら埋められるかな?と考え、①と掛け合わせて本気で数字をつくろうと決め、動き出しました。

③ 経営への貢献を、誰でもわかるような数字として示したかった

広報としての役割とは別に「広報が営業してはいけない決まりはないから、関係値や確率次第ではどんどん提案していいよ」と上司からは言われていたので、日頃からリード提供や商談トスアップは意識しつつも、①②を通して、改めて売上貢献できないかなと考え直したきっかけでした。やるんだったらインパクト残してやろうという気持ちもありました。

実際にどう売上をつくったのか

結果、23年4〜9月の半年間で200万円の売上をつくることができました。
項目は大きくわけて3つです。
① 商談トスアップ(発注意思をいただくフェーズまで対応)
② 既存顧客の広報支援
③ セミナー/イベント登壇

① 商談トスアップ(発注意思をいただくフェーズまで対応)

日頃からリード提供や商談トスアップは意識しつつも、視点としてがトスアップ数>売上だったので、トスアップできそな案件はすぐにセールスチームに共有していました。売上>トスアップ数に頭を切り替え、関係値や確率を見定めながらではありますが、自分で進められるとことは進める、難しそうであればセールスチームにトスアップすると使い分けながら商談を行なっていました。

ちなみに商談先との接点は、人事交流会に顔を出したり、SNSがきっかけだったり様々です。特にX(旧Twitter)では元々人事の方や経営者の方との交流も図りたく続けていたので大いに役に立ちました。

ただ、注意したこととしては、当然いきなり営業せず、まずは関係値を深めることに重きを置きました。しっかり相手の立場や状況を考慮しながら関係値を築くことを第一に考えられたのは広報という職を生業にしているからこそだったのかもしれません。

最終的には4社商談 → 1社受注という結果になりました。商談化までにかなり時間がかかってしまいましたが、受注率25%は良かったのではないでしょうか。

② 既存顧客の広報支援

売上をつくることを目標として課した理由にも通じますが、顧客ロイヤリティを高めるがベースとしてあり、その中から貢献できることはないかと考え、採用ブランディングやインナーブランディング浸透支援のプランを作っていました。コンサルチームと連携しつつ、ヒアリングをお願いしたり、需要がある顧客には提案しようと鼻息を荒立てて待機していたら、

顧客の経営者が広報課題を感じているから壁打ち付き合ってくれない?

と、まさかの本業での相談が舞い込んできました。笑

結果こちらが売上の大きなウェイトを占めました。実際に先方の経営者や役員から、広報に関する課題をヒアリングし、私だったらこうしますかね。これは今やりませんね。など壁打ちを行った結果、「もしラフールさんが大丈夫であれば広報の支援を依頼できないか」と嬉しいお言葉をいただきました。

仮に受けるとなった場合、売上には貢献できるが、その分私の稼働時間が削れるので、業務に支障をきたしてしまう懸念がありました。そのために経営陣には、これくらいの売上を立てられそう。だけど月に〇〇時間は使うので、この業務はこれくらいの期間止めてもいいかと社内調整した上で、しっかり合意が取れたので、提案を行いました。

提案書一部

結果、半年間のリテーナー契約として発注いただき、現在ご支援に勤しんでいます。無事発注いただけたことが嬉しかったことはもちろん、自身がやってきたことがしっかり他社さんにも評価いただいたことも嬉しかったです。また、事業領域的にそこまで遠くないここともあり、一緒に企画を作れそうで今後が楽しみです。

③ セミナー/イベント登壇

個人としてではなく会社として、セミナーやイベントの登壇を通して認知を図っていきたいという思いもあり、サービスの広報はもちろん、自社の取り組みなども改めてちゃんと発信していくようにしました。

ラフールでは、①健康推進 PJ ②グリーン組織PJ ③バリュー発揮PJ と任意のプロジェクトが3つ動いており、私は①と②に参加しています。特に①に関しては、ラフールの特徴として想起される福利厚生「花粉症手当」や、自社でもサーベイを実施しているので、課題としてあがりやすい睡眠、フィジカル、メンタルなどの改善のための勉強会や研修などに取り組んでおり、成果やレポートなどを対外的に発信していました。

これらの資産をきっかけに健康経営文脈での登壇依頼をいただき、お気持ち程度ではありますが謝礼をいただき、売上として計上することができました。

特に健康施策に関しては、アライアンス担当の大木さん(@miyamiya)におんぶに抱っこで本当にいつも助けられています。毎週月曜日の朝に全社向けの健康講座や、定期的にランチの時間を使って、睡眠や食事、季節にまつわる健康課題を解消する勉強会をひらいて健康についての啓蒙を行なってくれたり、おかげさまで私自身も健康知識がとても増えました。これらについても結果として広報活動に活かすことができており、感謝感謝です。

以上のようなアクションを通し、直接的な経営貢献に繋げることができました。

副次的な効果がたくさんあった!

売上をつくれたことはもちろん良かったのですが、個人的には副次的な効果のほうが価値は大きかったなと感じています。例えば、
・広報"なのに"売上をつくった社内からの見え方
・経営状況や商材をより深く理解しようと努めた→できた
・経営貢献を定量で示すことができた

全然肌感なので思い過ごしかもしれないですが、社内での動きやすさがよりスムーズになった気はしていて、結果として広報活動にもしっかり還元されたなと思っています。

まとめ

そこまで広報がやることではない、もっと別のやり方があるでしょ。というご意見も真摯に受け止めた上で、繰り返しになりますが、日本広報学会のお言葉を借りると、広報の目的は、組織や個人の「目的達成や課題解決に貢献すること」

会社の状況に応じて、その時々で広報としてなにができるのか。私は売上に向き合ったことで、自身の広報スキル・マインドがアップデートされました。組織としても、私としてもwin-winだったかなと思います。

広報という固定観念に捉われず、広い目で見てみると、広報の奥深さ、楽しさを、もっともっと感じられるのではないでしょうか。本noteが少しでも誰かの気づきになればとっても嬉しいです。

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