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ぼっち人事 10年の旅

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ベンチャー企業人事10年のおたかさんが、人事初心者の時に知りたかった情報、考えたことをまとめました。
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#私の仕事

ガクチカ聞いてていいんでしょうか?

ガクチカ聞いてていいんでしょうか?

毎年2,30名の学生さんのガクチカのアドバイスを続ける中で、最近、徐々に疑問が大きくなってきたのが「ガクチカ(学生時代に一番力を入れたこと)って本当に人事が聞きたいことなのか」ということ。

今日は人事目線から見たガクチカについて。

1.人事が面接で見極めたいことは何か?新卒採用に限らず、面接で見極めることは、「入社後に活躍できるかどうか?」そのために、以下のような観点を確認しています。

【入

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コミュニケーション力を強みとして話す前に。

コミュニケーション力を強みとして話す前に。

現在、ある大学の就活アドバイザーとしてもお仕事をしています。
多くの学生さんが自己PRの強みとして挙げられるのが「コミュニケーション力」。私自身も就活、転職の時には、「コミュニケーション力」を強みとしてきました。

100人以上の学生さんの話を聞くなかで、気が付いたのは、「コミュニケーション力」って人によっていろんな定義があるなということ。

・たくさんの人と仲良くなる
・人から相談される
・話し

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「やりがい搾取」言葉の危うさ

「やりがい搾取」言葉の危うさ

「雇う側が「やりがい」を強く意識させることで、働き手が低賃金や長時間労働といった環境に順応してしまう。私はこの構図を「やりがい搾取」と名づけました。」
(東京大学教授 本田由紀氏 朝日新聞記事より)

最近よく聞くやりがい搾取。
「やりがい」を盾に、不当な労働条件が横行しているのは悲しいことです。
しかし、この言葉がマウンティングに使われる場面にも遭遇しませんか?

今日は、やりがい搾取と報酬と動

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仕事をどう選ぶのか?(後編)

仕事をどう選ぶのか?(後編)

前回「仕事をどう選ぶのか?「科学的な適職」」では、私のキャリアの選択の体験を中心に、振り返ってみました。

今回は、私の仕事選びの考え方の基となった2つの理論と、人事としての視点について。

1.最低限必要とする労働条件の整理ハーズバーグの二要因性理論
仕事における満足は「動機付け要因」から、不満足は「衛生要因」に起因するという理論です。ただ、不満足(衛生要因)を大きく満たしたとしても、それは仕事

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メモって意味あるの?

メモって意味あるの?

「仏教で座禅やヨガをしながら瞑想するのは、二足歩行のままでは悟れない境地があるからだ」という話を聞きました。

コテンラジオ<最澄と空海>より

これは、体の姿勢によって、考えられることの幅が決まってくるという考え方で、実際、二足歩行によって人間には失った感覚があると話している学者さんもいらっしゃるそうです。

ここで思い出したのが、メモを取る習慣についてです。

「メモを取りなさい」と言われた時

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人事評価で機嫌をとるな

人事評価で機嫌をとるな

人事評価で大事なのは、公平性、透明性を保つことです。

メンタルヘルスマネジメント検定でも、人事評価で納得感がないとメンタルヘルス不調につながりやすいという話を学びます。

納得感を醸成するには、評価が公平であり、透明(誰から見てもその評価が妥当)である必要があります。

今日は人事評価について。

1.人事評価は何のため企業ごとに重視する軸にそって、人材を評価し、不足する能力やスタンスを企業研修

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就活生のお母さん

就活生のお母さん

数年前、乳児の娘を連れ、よく児童センターへ遊びに行っていました。

とある女性職員の方と仲良くなり、就職活動をされる息子さんへのご不安を聞く機会がありました。

今日は、就活生のお母さまの話から、人事として考えたことについて

1.大手を受けない子どもに不安自分の頃とは違うといっても、不安を覚えるお母さまは少なくないでしょう。

これに関しては、「母の視点、人事の視点」でもお話したように、今や大手

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チャレンジは怖い?

チャレンジは怖い?

チャレンジには心理的安全性があることが大切、などという話も聞きますが、環境や周囲がチャレンジや失敗に寛容であっても、自分自身が失敗に寛容でないとチャレンジに踏み切れません。

今日は、チャレンジすることについての個人的な考え方を共有します。

1.チャレンジが怖いのはなぜか?「失敗したくない」からですね、たぶん。
どれを選んでも苦しい、でも1つだけ幸せなことは…でお話しましたが、幼い娘もこうした気

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理解の深度

理解の深度

「文化人類学では参与観察など、フィールドワークを大切にしている。
アンケートからでは人の価値観はわからないという考え方を持っている」
という話をコテンラジオで聞きました。
【番外編 #27 】人類学って何?異文化に飛び込んだ同級生に聞いてみた(前編

例えば、宗教を信じますかと言う問いに対して、
「はい」と答えていても、
普段の行動がそれと見合っていないこともあるし、

逆に、「信じない」と答えてい

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人事さん、ネガティブな転職理由はダメですか?

人事さん、ネガティブな転職理由はダメですか?

「ポジティブな転職はいいけど…」と聞くこともあり、気になりますよね。

でも、何かしら現職に不満や物足りなさを感じるからこそ転職をするわけで、「それならどう考えてもネガティブにしかならないのでは…」と私も悩んだ事があります。

人事としての視点で、最近これについて整理ができましたので、今日はこのお話を。

1.結論:退職理由と転職理由は違う退職理由…今の会社を辞める理由
転職理由…転職をする目的

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リフレーミング力は就・転職、目標設定を制す

リフレーミング力は就・転職、目標設定を制す

ここ数年、年30名程の就活生の自己PRを添削しているのですが、ガクチカ、自己PRを「思いつかない」と悩む方が多くいらっしゃいます。

また、就社後の目標設定でも同じように「思いつかない」と悩む方がいます。

「自分の中にある希望や強みが思いつかない。」

また、そう悩む部下に「納得感のあるアドバイスができない。」

そういう方は多いのではないでしょうか?

しかしその一方で、自己PR、目標設定をい

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ワーキングマザーはどうして、大変そうなのか?

ワーキングマザーはどうして、大変そうなのか?

前回の「女性が一生働ける会社を探しています」で、「法律と国の制度で、復職まではそこそこいける。」と書きましたが、一生仕事をするうえで立ちはだかるのは、復職ではなく、続けられるかどうかです。

前田晃平さん著書の「パパの社会進出がニッポンを変えるのだ」にも記載がありますが、L字カーブの問題、つまり復職した女性が、一人、またひとりと正社員を退職している状況があります。

内閣府 選択する未来2.0 中

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女性が一生働ける会社を探しています

女性が一生働ける会社を探しています

十数年前、私は就活の際に「一生働き続けられる会社」を探していました。

しかし、選考で「育休や産休」の制度を質問するのは、やる気がないと思われそうで怖かった。

人事として関わる中でも「一生働き続けられる会社」を、不安そうに探していた女子就活生の皆さんは、多かったように思います。

今日は、そんな皆さんに少し安心してもらいたくて、私が知っている女性活躍に関連した情報をざっくり概要だけまとめました。

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Will Can Must面談が上手くいかない理由

Will Can Must面談が上手くいかない理由

Will Can Must(略:WCM)は、キャリアを考える際に思考を整理する考え方の1つで、「自分にとってのWill(したいこと) Can(できること) Must(しなければならないこと(業務))を整理して、3つの輪が重なりができるだけ広くなるようにキャリアを考えていくといいよね」というような考え方です。

最近では、キャリア研修だけでなく、1on1面談、目標設定などでもこの考え方を使ってコミュ

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