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同じインプットで、アウトプットの質に大きな差が生まれるのはなぜか?

こんにちは、独立して3年目の経営コンサルティング、顧問業をやっている松本です。

新卒でコンサルティング会社に入社し、マネージャーを経て、ベンチャー企業にジョイン。役員として数年経営全般に関わり、退任後に複数のベンチャー企業の取締役、アドバイザーをやっています。

経営や投資を通じての日々の学び、気付きや自分の頭で考えたことをnoteにまとめていきます。

◎ 悪くないけど、何か足りない問題

『このアウトプット悪くないけど、何か足りないんだよね』このようなことを言われた経験はありますか?

「十分調べたはずなのに!」「要点は押さえて議論出来ていたはず!」こういった状況に陥るにはいくつかの理由があります。インプットする情報の質だけではなく、それを受け取る側で経由しなければならないプロセスや思考を軽視してしまっている可能性があります。

今回のnoteでは、『同じインプットなのに、なぜ切れ味良いアウトプットと平凡なアウトプットの差が生まれるのか?』をテーマに、違うを生む3つの要素について解明してきたいと思います。10分程度お付き合いください。w

・アウトプットに差が生まれるのは、インプットの認識と解釈が違うため
・良いアウトプットを出すには【視点】【視野】【視座】の3つが必要
・1/ 視点は、逆張りを生む
・2/ 視野は、広ければ広いほど良い
・3/ 視座は、コントローラーが必要

平凡なアウトプットで悩んでいる、もっとアウトプットで差をつけたい、今まで培った知識や経験をもっとアウトプットに反映したいと考えるビジネスパーソンは、ぜひご覧いただければ幸いです。

◎ なぜアウトプットに差や違いが生まれるのか?

Google検索、ニュースアプリ、新聞、書籍など、いわゆる『出来るビジネスマン』と同じ情報を目にして日々インプットしているにも関わらず、なぜ切れ味の良いアウトプットが出せないのでしょうか?

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インプットからアウトプットまでの流れの中に落とし穴がありそうなのはなんとなく想像がつきそうですが、具体的に言語化していきます。

インプット(情報)には
・一次情報なのか?それとも二次情報なのか?
・数字をベースにした考察や見解になっているか?
・ソース元の確かな事実で語られているか?
という整理や見極めが必要になってきますが、そもそも受け手によって捉え方や思考に大きな違いがあることをまず認知しておかなければなりません。

そして、その思考の違いは、インプット(情報)の認識とその後の解釈によって全く別ものに変わってきます。

例えば、皆さん少子高齢化(インプット)と聞いて、どのように考えや意見を持ちますか?

A:自分は団塊ジュニアのため、少子高齢化とは無縁である。

B:若者の労働人口が減って、高齢者人口が増えるため、社会保障の維持が困難になり、並行して地方における高齢者の割合が増えて、過疎化が一層進んでおり、すでに他人事では済まされないレベルまできている。

AとBの違いを以下に挙げてみます。

1. 一人の国民としての視点だけを持つのではなく、国や地方の立場における問題点を抽出し、多面的に事象(少子高齢化)を捉えている点。

2. 自分たちの世代に限らず、特に議論に挙がった高齢者の立場まで視野を広げて、見解を述べている点。

3. 決して他人事ではなく自分事に置き換え、視座を高めることで当事者意識を持ち、主張している点。

極端な事例にはなりますが、インプット(情報)の受け取り方で認識と解釈が変化して、この一連のプロセスにおける工夫や改善により、最終的に生み出すアウトプットに違いや差が生じてきます。

◎ 良いアウトプットには視点・視野・視座の3つが必要

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同じインプットを受け取って、認識や解釈で他との違いや付加価値を生み出すためには、どのようなアプローチをとることが有効的なのでしょうか?

ここでよくインプットに付随する情報や知識を事前に身に付けておく、いち早くその情報を入手して、時間をかけてアウトプットを作り込んで差をつけると回答する方もいますが、事前の知識や掛けた時間では一生たどり着けない決定的な違いやメソッドについてこれから話していきます。

結論から言うと【視点・視野・視座】を持つことです。

これら3つの尺度を示す言葉は

・視点とは『多さ』
・視野とは『広さ』
・視座とは『高さ』

と表現され、これらの増減によって認識の違いが生まれ、その後の解釈も変わり、その結果アウトプットに違いが生じてきます。

以下でそれぞれ解説していきます。

1/ 視点は「逆張り」を生む

『視点』とは、入ってくる情報や目の前の事象に対して、

・【多面】どこを見ているのか?
・【切り口】どの部分を切り取っているのか?
・【角度】どの角度から見ているのか?


を指します。

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事象によって見るべき角度や切り口は異なり、物事を多面的に見ることにより、その後の意見や感想が変わってきます。しかも、この視点は一つに限定されることなく無数にあるといえます。

誰もが同じ意見になったり、同じ観点で議論している理由は「視点が同じだから」であり、これがいわゆる平凡なアウトプットに繋がっていきます。
明確に差のついた切れ味良いアウトプットを出すためには、多様な視点を持ち、他人が考えもしなかった角度や切り口から物事を認識することがまずは重要になってきます。

視点の一つの例になりますが、世の中の大多数の人間が思っている事象に対して全く正反対の視点、つまり『逆張り』の視点を持つことで、他の人では思いつかなかった発見や全く異なるアイデアが生まれ、切れ味の良いアウトプットに繋がる可能性があります。

逆張りの視点には、以下のような例があります。

【CASE1-1】 副業解禁、時間があるから副業する、ほんとにいいのか?
テレワークの影響や外出を控えていることで、時間が捻出できるようになり、副業などを始めている人もいるかと思います。

世の中の流れとして、副業を解禁した会社が増えてきていますが、こういったタイミングであえて副業ではなく、本業にフォーカスして、スキルアップに力を入れること(本業関係の勉強やプラスのスキル獲得)で、社内で飛び抜けた存在になる、という手もあります。

周囲の注意や興味が本業以外に分散しがちなタイミングで、一気に差を拡げてしまうといった他とは違う一手になります。

【CASE1-2】 ビットコインは今高騰しているのか?
2017年12月8日当時、ビットコイン史上最高値となる2,332,385円を記録しました。2020年1月1日時点で76万円台まで下がりましたが、2021年2月現在、500万円台を突破しました。

今年初め米国の某投資会社は、ビットコインはまだ初期段階であり、デジタルゴールドになると確信しており、ビットコインと金の時価総額を比較して、ビットコインが金の半分の約5兆ドルに達するだけでも、ビットコイン価格は現在の約10倍以上になると強気な発言をしております。

2/ 視野は広ければ広いほど良い

次に『視野』です。視野は広ければ広いほど良いです。

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視野を広げるとは、物事を俯瞰的に捉えて、全体像を把握することです。

全体を俯瞰することで、今まで一部分しか見えていなかったものをよりマクロに捉えることで見てくる景色が変わり、更には全体と部分を比較することで違いや構造を把握することができます。

先ほど説明した『視点』がスポットでのアプローチでしたが、もう少し見える範囲を拡大していくイメージです。広い範囲で物事を捉えることで、従来の考えでは、生み出せない新たな発見や気付きを得られ、様々なジャンルや他業界への興味や関心を持つきっかけにもなります。

視野に関しても、それぞれ具体例に触れておきます。

【CASE2-1】ホワイトスペースを見つける
ホワイトスペースとは「企業の既存ビジネスモデルが活動の対象としていない領域」「コアスペースと隣接スペースの外にあり、新しいビジネスモデルを確立しないと生かせない領域」という意味で用いられる言葉です。

法人向けサービスで培った経験や実績をベースに、個人向けサービスにも視野を広げて展開するケースもあります。例えば、経済ニュースアプリ「NewsPicks」を提供しているユーザベースは、はじめは企業情報をデータベース化した「SPEEDA」サービスを法人向けに提供しており、この強みやケイパビリティを生かしToBからToCに領域を広げて事業展開してきました。

周辺分野にも思考を広げることで、今まで見落としていた成長のチャンスがあるかもしれないです。

【CASE2-2】バリューチェーンを広げる
ユニクロがアパレル業界で圧倒的なポジションを取れている理由は、ベーシックかつカジュアルな服を幅広い顧客向けに高品質かつ低価格で提供していることにあります。

それを実現するために企画・製造・販売まで、一貫してユニクロがコントロールする製造小売業という垂直型のビジネスモデルを推進しました。業界内では常識とされていた外注工程を内製化して、バリューチェーンを広げてきました。

幅広い顧客ニーズを広い視野で捉えて、業界内で水平統合ビジネス偏重になっていた領域に目を向け、バリューチェーンを広げることで高品質かつ低価格を実現出来たことが今のユニクロのポジションを生んだと言えます。

3/ 視座にはコントローラーが必要

最後に『視座』とは、高さの調整であり、自由にコントロールできるようになることが重要です。

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定常業務やプロジェクト業務の目標達成に向けて、一社員としての視座で捉えるのか?チームリーダーとして?マネージャーとして?経営者として?社内の組織だけでも多数の視座があります。

視座は、現在の役職に依存するものではなく、経営者なら、上司なら、部下なら、といった様々な視座の高さを持つことによって、時に対局的に、時には局所的に事象を捉えてインプットすることができます。

また、高い視座を持つことで業務を推進する上では欠かせない『誰がキーパーソンで、どのような成果やアクションが今求められているのか?』を理解することができ、的を得たアウトプットを出すことができます。

こちらも具体例を出しておきます。

【CASE3-1】個人の目標数字を達成していればいいのか?
個人の目標数字を追って達成することが大切ですが、チーム全体として目標達成やメンバー間の助け合いを考えられなければ、中長期的な成長は望めません。

例えば、Aさん1人が120%達成、チームの他3人は目標未達で80%としましょう。言うまでもなくAさんの一人勝ちです。

しかし、チーム全体での目標は未達であることにいかに課題意識を持ち、このチームのマネージャーの視座を持って「全体の数字を底上げするにはどうればいいのか?」ということへ頭を働かせてアクションを検討できると頭一つ抜きん出た存在になり、他にはないアウトプットを生み出すことができます。そして、チームの営業成績を受けて幹部陣はどういう意思決定をしなければならないか?という視座を柔軟にAさんが持つことで意思決定の質やこれからの成長曲線は明らかに飛躍します。

また、プロジェクト単位で仕事を進める際は「誰の立場に立てば、より効果的に戦略作りができそうか?」という角度から物事を考えるためにも、視座の『コントロール』は大事になります。

◎ まとめ

如何でしたでしょうか?最後に今回の内容を箇条書きでまとめておきます。

・アウトプットの違いは、インプット(情報)の認識(視点・視野・視座)とその後の解釈によって生じる
・多様な視点は、他の人が思いつかなかった、実行しなかったことを発見できるようになる
・視野は、広ければ広いほど普段見えなかった景色や全体像を見ることができ、新たな発想を生み出す
・視座は、高ければいいものではなく、常にコントロールできる状態にしておくことが大事

最後に、Twitterで毎日ベンチャー経営やエンジェル投資を通じての『学び』や『気付き』について投稿しています。

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