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まずは行動あるのみ。ライターとしてのキャリアアップを目指すために。

先日、ライターの未来について、不安になっている気持ちをnoteに書いた。


noteでこう書いていても、仕事は向こうから自然にやってくるわけでもないので、自分自身で行動するしか未来は切り拓けない。


最近は、クラウドソーシングでのネット上でのやりとりではなく、企業との直接契約に積極的に応募するようにしている。

とはいうものの、結局リモートでのやりとりが基本になる職業だから、クラウドソーシングでも直接契約でも大差ないと思うのだけれど。

(本当になんとなく、という動機。直接契約していた方が、勝手に安心感があると感じているだけ)


わたしのやりたいことに近い仕事というのはなかなか募集が少なく、世にあふれているライター求人も美容系などのSEOメディアがほとんどだ。

ここからはわたしの持論になるため、不快に思う方もいるかもしれないが、あくまでわたしの考えを書くだけであり、ライターの在り方を全否定しているわけではないことをご了承いただきたい。




先日の記事にも書いた通り、昨今はたくさんのライターであふれていると思う。

いわゆる「こたつライター」と呼ばれるものが急速に増え、似たような記事がゴロゴロとインターネット上にこれまたあふれている。

コタツ記事(コタツきじ)は、ジャーナリスト、ライターが現地に赴いて調査を行ったり取材対象者に直接取材したりすることなく、インターネットウェブサイトブログ掲示板SNSテレビ番組などのメディアで知り得た情報のみを基に作成される記事である。

Wikipediaより引用

(↑わかりやすくまとめてくださっているので、ウィキをぜひ見てほしい)


実際に、SNSでも「いかがでしたでしょうか系記事」というように、その現象を揶揄するような言葉を何度か見たことがあり、世間から見るWebライターの印象も千差万別だと言えるだろう。

(どちらかというと、「あ~、例のテンプレ系の記事書いてるのね~」と思われる方が大半だと思う)


それもそうだろう。「売れる型(テンプレート)」をこぞって情報商材だのライタースクールなどで教えてしまったため、テンプレ記事が量産されるようになる。

Instagramのリールなんかもそうだ。「100日後に~」や不幸話からの脱却シリーズなど、コメント欄で「見飽きた」「出た出た、こういう系ね」「こういう風に売り出しましょうねってやるんですよ」なんて言われる始末となっている。


情報発信系は、本当に慎重にやらないと世間からの目はとても厳しい、というのが昨今の現状だと見て取れるだろう。

(その点、独創性の高い記事にあふれているnoteはとても居心地が良いと感じる。有益な情報を流してくださる方もいて、いつもこっそり参考にさせていただいている)


実際に、この定義でいうと残念ながらわたしは「こたつライター」に属するタイプのライターだ。

実のところ大した研修も勉強もしてきていないが、広告代理店出身、という肩書きがあるにも関わらず、こたつライターでここまで来てしまった。


そして、深刻な案件不足。キャリアの見直しと生き残りをかけた時に、わたしに残るものなんて何一つないことに絶望した。

守秘義務契約の関係上、開示できる実績はほとんどない。

肝心な元いた広告代理店だって会社は潰れ、コンサル先との契約を切られてわたしが執筆したWebサイトですら残っていないのだ。


わたしが開示している実績にウソ偽りはないのだが、実際の成果物を見せることができない以上、信ぴょう性に欠けるのも仕方のない話と言えるだろう。

(それでも、テストライティングの機会をくださり、採用してくださった企業様各位には頭が上がらない)


どうしたものか。フリーランスとして3年目、ライターとして4年目になる今、わたしはキャリアと呼べるキャリアを積んできたのだろうか。

毎日、そのことで頭を悩ませている。




話は少し変わって。


わたしには、ある尊敬しているライターさんがいる。

noteのまちにいて、いつもわたしに勇気を与えてくださっている方だ。


もちろん、わたしがライターと名乗るのも恐れ多いほど彼女は立派なライターさんで、キャリアもしっかりと積まれていて、とてもじゃないけど同じ土俵に立てないぐらい雲の上の存在だ。

そんな自分とは程遠い存在だけれど、同じ職業というだけで勝手に親近感を抱き、そして自分が置かれている状況に少し似通っていたのも親近感を抱く理由の一つだった。

(それでも、これもまたわたしの苦しみとは比にならないぐらい、彼女の方が苦しんでいると思うけれど)


彼女は、こたつライターではなく、自分の足で取材に行き、自分の身体で得た情報を言葉にするライターさんだ。

彼女がnoteで取材の様子などを書いているのを見ると、楽しかったあの頃を思い出され、懐かしい気持ちになる。


この前の彼女の記事で、お仕事に一区切りをつける、という旨の言葉を見た時に、「わたしはやりたいことを精いっぱいやれているのだろうか?」とふと疑問を覚えた。


振り返ってみると、わたしがやっている仕事は、依頼された記事をほぼリライトするような形で提出しているだけの作業だ。

そのことに、果たしてやりがいを感じているのだろうか、というのが疑問点だった。


情報を集約してまとめ直す、というのがこたつライターの仕事のほとんどだと思うけれど(もちろんそれが意味のある仕事も多いけれど)、わたしがそれで満足しているのかは別の話だ。

もちろん、お仕事をいただけるだけでありがたいと思っている。


でも、本当にやりたいことは???

この仕事に、わたしは誇りを持てている??


そう考え始めると、答えは「No」だった。




彼女の頑張っている姿や楽しそうな姿に背中を押される気持ちもあり、改めてわたしはやりたいことを考えてみた。

前回の記事で書いたことに、挑戦してみるのはどうだろうか、と。


やはり、自分の足で取材して、その人の想いを言葉にするのはとても楽しかった。

実際にお会いしてお話を聞くうちに、質問から脱線することもあったけど、その脱線の先に想いが隠れている時もある。

その想いをくみ取って言葉にする。こんなにも楽しくて、気持ちの良いことはなかった。


でも、わたしが取材をしていたのは5年前のことで、その時よりも人づきあいが苦手になっていて、好奇心だって昔よりも衰えていて、さっきも書いたけれど大した研修も勉強もせずに形だけの取材ライターだったわたしに、本格的な取材ができるのか。


不安が重くのしかかる。けれど、まずは行動するのみだ。


こういう時の楽観主義が助かる。そもそも、応募して書類選考が通るかわからないのに、うじうじ考えたって仕方のないことだから。

書類選考が通ったら考えよう。心の奥底ではまだうじうじ悩んでいたが、えいや、と応募フォームを送った。




驚くべきことに、面談に進みたい、という連絡が来てしまった。

と言っても、きっと取材は人柄が大切なので実際に見てみたい、というのと、結局のところ実力はテストライティングをしないとわからないから選考フローに進んだのかな、と考える。


面談当日はかなり緊張していた。zoomとはいえ、対面での面談は久しぶりだったし、何より他人と話すことに対して緊張していた。

面談自体は10分にも満たずに終わったぐらい、淡々としていた。


まず簡単な経歴を交えた自己紹介をおこない、向こうの企業の紹介をしていただき、業務についての話を聞く。

おおむね募集要項に記載されていた内容だったが、取引先の数やそのうちを占める住宅会社の数に圧倒した。


今までのライティングと違うところは、企業は集客目当てで依頼してきているので、「マーケティング視点でのライティング」が必要となるということ。

テストライティングでは、一つの住宅会社の公式サイトから、8つの記事のタイトルと見出し付け、そのうち一つの記事を500~600文字で完成させる、というものだった。


かなりざっくりとした依頼内容だったため、少し困惑する。

「サンプル記事はありますか?」と不躾な質問をしてしまったが、「自分で考えていただくことも選考の基準となります」と当たり前の返答をいただいた。


まずい。かなりまずい。顔に出てしまっていたと思う。

5年のブランクと頭の老化が大きな壁となる。今までの用意されてきた構成や既存記事のリライトで鈍った発想力が、ここで足枷となってしまっていた。


とりあえず、1週間の猶予をいただき、面談は終了した。


さて、どうしたものか。公式サイトを隅々まで眺め、画面の前でにらめっこを続ける。

この工務店の強みはなんだ。こだわりはなんだ。書かれていない"想い"はなんだ。

どうしたら、この工務店の魅力を引き出し、伝えることができる?


見れば見るほど、考えれば考えるほどわからなくなりそうな問題だけれど、自分なりの構成を練り、まとめて提出した。




また、もう一社応募していた別の企業からも、テストライティングに進みたい、というお話をいただいた。


SEO記事を取り扱っているとのことで、書けるかどうか心配する旨が書かれていたが、どれだけわたしが忌避していてもライター業界ではSEO記事を書く仕事が大半だし、どれだけ偉そうにnoteで大口を叩いていたところで、受け持っている案件のほとんどがSEO記事だ。(無論仕事を選べる立場ではない)

むしろ、気を遣わせてしまったようで申し訳ない気持ちになったが、せっかくいただいたチャンス。テストライティングをさせてもらうことにした。


SEO記事、と呼ばれるものだとしても、やはり好きなことには変わりはない。

久々の住宅系の記事に、自然と指が進む。たくさんの施工事例を見ていると、心が沸き立つのを感じた。


やはり、取材に行けなかったとしても、住宅系の記事を書いていたいな。

そう気づかせてくれたテストライティングだった。


ちょうどテストライティングと案件が立て込んでいるのもあり、提出は納期ギリギリになってしまったのだけれど、満足のいく形で提出できたと思う。




テストライティングの結果。


良い知らせとしては、住宅系のライティングの方はすぐに合格のお返事をいただけた。

心の底からホッとする。やっと、書きたいもの、書きたいジャンルを書けるんだ。

「どちらも落ちてしまったらどうしよう、明日はまた求人を漁る日かな」と思っていた矢先のことだったので、少し気持ちにゆとりができた。


しかし、取材ライターの方からは連絡が返ってこなかった。つまり、不合格、ということである。

まぁ、そりゃそうだよな、とどこかで納得していた。

それと同時に、安堵してしまう自分もいた。


わたしには、実力もなければ勇気もなかったのだ。


応募した後の高揚感とは裏腹に、課題と向き合う度に頭がキリキリと痛むような心地がした。

胃が食べ物を受け付けなくなるぐらい、悩んでしまっていたのだ。


わたしが、対面で他人と話すことに対して、どれだけ恐怖と不安を覚えているのか。

文章のやりとりですら拙いのに、それを仕事としてできるのだろうか、と。


わたしには、覚悟も実力も足りなかった。ただそれだけだった。

ただ、それを自覚していることだけが、唯一の救いだったように感じる。




わたしは、ライターの彼女のことを勝手にロールモデルにしている節もあるので、勝手に後を追うように取材ライターという業種に飛び込んでみた。

結果はいいものではなかったが、もう一つのご縁をいただくことができたので、最終的には良い結果になったのではないかと思う。


彼にも言われたが、「やってみたいと思ったことは何でもやってみたらいい」、だしね。

今の自分が一番若いから。若いうちに、動けるうちに、後悔のないようにいろんなことにチャレンジしていきたい。


少なくとも、今回行動した結果がいい経験になったし、新たなご縁とも繋がった。

結局、SEO記事を書くライターのままで、こたつライターには代わりはないのだけれど、大好きな住宅メインで執筆することができる、という面に関しては大きな進捗であったと感じている。

そして、実際に掲載されるメディアが提示されていると、その中の1つにわたしはなる、という自覚が持てて、以前よりも自信に繋がると思った。


25歳、新たなチャレンジ。

新たな風が自分の中に吹くことで、価値観の凝り固まりをほぐしてくれることを願い、そして自分自身がスキルアップし、もっと成長していけたらと考えている。


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