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盂蘭盆万灯会 (日記)

先日、亡き両親への思いを胸に、盂蘭盆万灯会(うらぼんまんどうえ)に行ってきました。
近所にある青龍寺で、毎年8月13日から16日まで法要が行われています。

(青龍寺の盂蘭盆万灯会は、弘法大師が高野山において四恩(父母、国王、衆生、仏)に報い、全ての人々が仏さまの知恵に目覚め、苦しみから救われることを願って始められた盂蘭盆万灯会の祈りを継承する法要です。)


午後7時、僧侶のお経が始まった。
既に辺りは暗くなっている。
大きな大仏様のある一画は、背後に深い林がある。
時折、風が吹き渡り、木々がザワザワと揺れる。
その方向を注視していると、何だか不思議な思いが沸いてくる。林の奥に精霊が息をひそめ、じっとこちらを見つめているような気がしてきた。
木々がザワザワと揺れる度にそちらに目が向いてしまうのだが、私は雑念を振り払い、目を閉じた。
お経を聞いていると、自然と亡き両親のことが頭に浮かんでくる。

(お父さん、お母さん、どうしてますか?
あちらではケンカせずに仲良くしてますか?
親孝行できなくて、寂しい思いをさせてしまって
ごめんなさい。今まで、たくさんの愛をありがとう。感謝してます)

そう、心の中で何度も呟いた。
目の奥が熱くなり、涙が滲んだ。
私はハンカチを取り出し、目元に当てた。

延々と続く僧侶のお経が響き渡り、ライトアップされた大仏様と、等間隔で並べられ火を灯した沢山の置き灯籠や蝋燭の灯りを見ていると、この世のものではないような異世界にいるような気分になってきた。

お経を聞いているうちに、次第に心穏やかになってくるのが分かった。清々しさのようなものを感じ始めた。
僧侶によるお経が終わると、法要に訪れていた人全員で般若心経を唱えた。

最後に法話で、僧侶はこのようなことを言った。
命を繋いでくれたご先祖様に感謝し、今ある自分の命を支えてくれている多くの縁に気づきなさい、感謝しなさい、と。

普段、ご先祖様に思いを馳せる機会が少ないため、ハッとさせられた。
感謝の気持ちは忘れてはいけないと思った。


法要の後、インド古典音楽のコンサートもやっていたので、興味のある方はどうぞ😊








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