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書籍編集者です。 https://realsound.jp/book/2022/11/…

マガジン

  • 沈思黙読会

    読んでいるとき、私たちはいったい何をしているのか。 それを知るために、読書の仕方を一度シャッフルしてみたい。 そんな気持ちで恐る恐る始めてみることになりました。 私のイメージは夕方に路地で見られる「猫の会議」です。 議題はわかりません。発見があるかないかわかりません。 そんな不定形の試み・実験に 週末の大事な時間を投入してもかまわないという奇特な方がおられましたら ご参加ください。(斎藤真理子さん)

  • 美術特講

    学校で使用されている「美術(アート)」の教科書は、日本と欧米では大きく異なります。日本の「美術」の教科書は薄く、そしてなによりアートは自由に見ることが大事だと書いてあります。一方、欧米の「アート」の教科書は分厚い。それは「アート」=「美術史」だからです。現代美術の最前線の作品の背後にラスコー洞窟の壁画からはじまるギリシア・ローマ、キリスト教、ルネッサンス、印象派……と、そこには膨大なヒストリーとコンテクストがあり、それをどれだけ感受できるのかが重要で、それこそが長く教養の基準とされてきました。残念ながら、日本の教科書では、それは学べません。美術特講では、最前線にいるトップクラスの研究者によって、大学半期分の授業を2日の集中講義で行います。クオリティの高さはもちろんのこと面白さも保証付きです。 ※講義によっては、【1日集中講義】の場合もございます。

最近の記事

沈思黙読会:斎藤真理子さん「スマホを離れ脳に問う」

いよいよ今週末、沈思黙読会の第6回目が神保町EXPRESSIONで行われます。 「新潟日報」(2024年3月4日)に斎藤さんが書かれた沈思黙読会の紹介を一部、ご紹介します。タイトルは「スマホを離れ脳に問う」です。 三宅香帆さんの新刊「なぜ働いていると本が読めなくなるのか 」(集英社新書)は、現代人がスマホばかり見てしまう理由を、「読書史」と「労働史」で読み解く本とのことですが、やはりスマホに支配されている現実と、本を読むという読書との相関は、深い問題があります。沈思黙読会

    • 沈思黙読会:斎藤真理子さんのお話

      2024年3月23日(土)に神保町EXPRESSIONで行われた、沈思黙読会の第5回目に斎藤さんがお話しになったことを一部、ご紹介します。 沈思黙読会も5回目。前回からこの日までの一ヶ月間、沈思黙読会について話したり書いたりする機会が結構ありました。なかでも印象的だったのが、書評家の倉本さおりさんとのトークイベント。 この会で参加者の皆さんのお話を聞いて「本の読み方は人それぞれ」ということは十分わかっているつもりでしたが、それでも倉本さんの読み方には驚きました。 倉本さ

      • 沈思黙読会 参加者の皆さんの声

        2024年3月23日(土曜日)、神保町expressionで行われた沈思黙読会、第5回目に参加された方々のご感想を公開します!(順不同です) 斎藤さんのお話は、後送します。 ●Aさん あっという間でした。韓国の本、斉藤先生の本を読まれる方が多いのかな?と思っていましたが、いろんな本の話が聞けておもしろかったです。 読書という行為を身体的に考えるというのもすごく新鮮でした。これから意識してみたいと思います。 ●Bさん ・スマホに触れないことで手が空き、感想や覚えを書き留めや

        • 沈思黙読会「本を音声で聴くことによる読書の変容について」②

          前回のつづき、2月18日(土)に行われた、沈思黙読会第4回目で、斎藤真理子さんがお話しになったことを一部、ご紹介します。 先日、大阪に行って「本はわからないから面白い」というふざけたタイトルの講演をしてきました。 「自分のわからなさを大事にして、そのわからなさを育てていく、というのがいいんじゃないか」って話をしたんです。本って何回も読みますけれども、それを「読み直す」ではなく、「読み重ねる」というふうに考えたいなと思ったんですね。というのは、本を何回も読んでいくときって、

        沈思黙読会:斎藤真理子さん「スマホを離れ脳に問う」

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        • 沈思黙読会
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        • 美術特講
          5本

        記事

          沈思黙読会「本を音声で聴くことによる読書の変容について」①

          沈思黙読会の主旨は、いまのところ、下記の5点です。 そして、2024年2月18日(土)に行われた、第4回目に斎藤さんがお話しになったことを一部、ご紹介します。 4回目の沈思黙読会、ちょっと変化がありました。今までの3回はスマホを切るとすごく時間が早く経つなあと思っていたんですが、今日はなぜか時間がゆったりと流れているように感じたんです。結構たくさん読めたなという気はしたんですが、これまでみたいに時間が飛ぶようには過ぎなかったんです。 なぜだろうと考えてみたら、ひとつの理

          沈思黙読会「本を音声で聴くことによる読書の変容について」①

          沈思黙読会 参加者の皆さんの声

          2024年2月18日(土曜日)、神保町expressionで行われた沈思黙読会、第4回目に参加された方々のご感想を公開します!(順不同です) ●Aさん(男性) 最高の読書空間……その言葉通りの素晴らしい時間でした! ●川延富士子さん(女性) 数日前より緊張していた。イベント会場に到着し漸くその緊張がほぐれた。それはスタッフの温かい出迎えのおかげである。読書の時間が始まり、自分がいる空間と貴重な時間を体験していると実感した。日常の煩わしさや苛立ちから解放され、本当の自分の時

          沈思黙読会 参加者の皆さんの声

          失われた読書の時間を求めて

          尾崎世界観さんが、2024年1月19日の読売新聞朝刊で、斎藤真理子さんの『本の栞にぶら下がる』を書評されていました。冒頭、このように書かれています。 アトロクへのご出演で、斎藤さんはスマホを「陣地」と称されていました。現代のテクノロジーの結晶したようなスマホ、世界と常時接続している第2の脳のようなスマホは、まさに自分の陣地。本を読んでいても、ついついメールが来ないか、SNSはどうなっているかをチェックせずにはいられない。また分からない語句とかあれば、検索して調べ、さらに連想

          失われた読書の時間を求めて

          沈思黙読会 参加者の皆さんの声

          2024年1月24日、神保町expressionで行われた沈思黙読会、第3回目に参加された方々のご感想を公開します!(順不同です) ●春奈さん(女性) 普段の生活では、時間やTO DOに追われなかなか読書時間をとれずにいましたが、今日は4時間「読むこと」しかできない、そんな特殊な時間をたのしみにして来ました。 実際に体験してみて気がついたことは「自分はゆっくりしか読めない」「焦らなくてもゆっくり読めばいい」ということでした。 忙しい生活に追われて「読書」すら自分のペースを保

          沈思黙読会 参加者の皆さんの声

          斎藤真理子さんアトロク出演まとめnote

          2024年1月8日(火)放送のライムスター宇多丸×宇垣美里『アフター6ジャンクション 2』(TBSラジオ)に斉藤真理子さんが出演され、ご自身の読書遍歴に加えて、沈思黙読会についても紹介してくださいました。 斎藤さんがご出演されるのは、 ビヨンド・ザ・カルチャー「ブック・ライフ・トーク feat. 斎藤真理子」で、16:11あたりから、約43分もトークされています! 韓国で斎藤さんの詩集が刊行されていることや、そもそも韓国に興味が向かったきっかけなどの話に続き、宇多丸さん

          斎藤真理子さんアトロク出演まとめnote

          沈思黙読会 参加者の皆さんの声

          斉藤さんのトークの後は、参加者の皆さんそれぞれに、本日読んだ本と一日読書をして思ったことなどをお聞きしました。ちなみに、皆さんから今日読んだ本として名前があがったのは、以下のようなラインナップ。 「韓国文学の中心にあるもの」斉藤真理子 「ディディの傘」ファン・ジョンウン 「本の栞にぶらさがる」斉藤真理子 「こびとが打ち上げた小さなボール」チョ・セヒ 「私の朝鮮語小辞典-ソウル遊学記」長 璋吉 「黄色い本」高野文子 「少年が来る」ハン・ガン ご自身も編み物をするというAさん

          沈思黙読会 参加者の皆さんの声

          沈思黙読会で斎藤真理子さんが語ったこと。その①

          朝から夕方までたっぷり一日、携帯もPCも、麻薬的なサブスクの映画や連続ドラマも断ち、ただひたすら同じ(同様のテーマ)の本を読む。神保町の片隅でスタートした「沈思黙読会」。はたして、本を読む人の頭の中ではどんなことが起こっているのでしょうか。 午前中は10時〜12時の2時間、午後は13時半〜16時の2時間半。あわせて4時間半、思い思いの読書時間を過ごした後、16時からはオンラインでの配信もつないで斉藤さんの読書に関するトークがスタート。話は「読書と時間」というテーマから始ま

          沈思黙読会で斎藤真理子さんが語ったこと。その①

          沈思黙読会、初回はこんな感じでした!その②

          沈思黙読会の初回に来ていただいた原田里美さんが、このようなポストを書いておられました。とても恐縮してしまいます。 ご連絡を取り、許可をいただいて、メールを公開させていただくことにしました。 原田里美さん、どうもありがとうございます。 毎回、斎藤真理子さんは来場者の方々と同じく、また“猫の集会”のごとく、読書されます。夕方になったら、斎藤さんが読書に関する話をして、その後、来場者がその日に読んだ本の話をしたりします。またスマホやNetflixなどを遮断した読書によって、い

          沈思黙読会、初回はこんな感じでした!その②

          沈思黙読会、初回はこんな感じでした!その①

          11月18日土曜日、神保町expressionで開催された沈思黙読会の第1回目にきていただいた方々、どうもありがとうございました。  まずはみなさん、ご満足いただけたと思います。ご感想をいただいたので、一部、アップいたします。スマホやNetflixなどを遮断して、長時間読書することの、どこか瞑想に近い特別な感じが伝わっています。 また斎藤真理子さんがお話になった「読書論」、来場者の方々がお話になっている「脳内音読派」「黙読派」など、詳しい実況は、後日またご報告します。 ●u

          沈思黙読会、初回はこんな感じでした!その①

          斎藤真理子さんの「沈思黙読会」で読む本について

          「沈思黙読会」で読む本ですが、まず「韓国文学の中心にあるもの」と、そこで取り上げられている本があります。また「本の栞にぶら下がる」と「曇る眼鏡を拭きながら」と、そこで取り上げられている本があります。基本的に、その範囲内の本ということでお願いしたいと思います。 沈思黙読会の会場となる神保町EXPRESSIONの室内には、広辞苑が置いてあるテーブルと、上記に関連する本が置いてあります。ぜひとも、読書の合間に立ち読みしていただければ、と思います。その様子は、きっと「本の栞にぶら下

          斎藤真理子さんの「沈思黙読会」で読む本について

          斎藤真理子さんの「沈思黙読会」の会場について

          「沈思黙読会」の会場となる“都会にある緑のオアシス”神保町EXPRESSIONさんはこんな感じです。 珈琲などドリンク類もあります(一部、有料です)。 読書会の詳細はこちらをご参照ください。

          斎藤真理子さんの「沈思黙読会」の会場について

          斎藤真理子さんの「沈思黙読会」について②

          いよいよ11月18日にせまってきた「沈思黙読会」ですが、斎藤さんがご希望の方とランチをご一緒します。もちろんそのままひとり静かに沈思黙読を続けてもまったくかまいません。 このところ神保町は、「第63回東京名物 神田古本まつり」で賑わっていました。ようやく酷暑が過ぎて、気持ちのいい秋日和で、思い思いに古書を手に取り、散歩しながら、ときに珈琲屋に入って買った本を読む人たちを見ているのも、とても気持ちのいいものです。 神保町はカレー屋の街でもあります。古本まつりに並行するように

          斎藤真理子さんの「沈思黙読会」について②