Muneyoshi Kurozumi

幕末に岡山県で誕生した、神道黒住教の8代目を継ぐ黒住宗芳と申します。 これからの時代に…

Muneyoshi Kurozumi

幕末に岡山県で誕生した、神道黒住教の8代目を継ぐ黒住宗芳と申します。 これからの時代における宗教の役割やより良いあり方、社会に求められる適切な姿勢を模索している中で、考えたこと等を書いてみようと思います。 http://kurozumikyo.com/

最近の記事

【対談】落語家 笑福亭笑利氏(後編)

社会がより良くなる一助に、と思い様々な方との対談を重ねています。 今回は落語家の笑福亭笑利氏との対談の後編です。 黒住 お母さまがきっかけで人のために落語をされるようになって、芸人としての変化はありましたか。 笑利氏 以前は、例えばベタな笑いを避けたり、皆が想像できるものは絶対にしないなどの妙なこだわりがあったのが、すごく変わりました。お客が欲しがることを欲しい時に出すのがプロだと思うようになったのです。これが私の中の今の落語論・お笑い論ですね。 黒住 コロナ禍のステイ

    • 【対談】落語家 笑福亭笑利氏(前編)

      より良い社会を目指す活動は多様です。 そこに携わる方々の志や想い、実際の取り組みを伺って発信することは、神道黒住教が目指す「まること」の世の中の実現に向けて有意義だと考えます。今回は落語家の笑福亭笑利氏と私黒住の対談の前編です。 黒住:笑利さんには毎年お正月明けに、神道山にて落語会をしていただいて有難うございます。 笑利氏:それ以前の宗忠神社での会をきっかけに、いつも有り難く楽しみに来させてもらっています。 黒住:笑利さんと出会うまでは落語家の知り合いはいませんでした。

      • 対談 ~国際オリンピック委員会 アスリート委員 太田雄貴氏~(後編)

        黒住 フェンシングが貴族のものから大衆化したとのことですが、他にもいろいろと敷居が下がってきていることについてどのように考えられていますか。 太田氏 大衆化といっても、例えばウインブルドンはやはりとても格が高い。何でも大衆化するのは少し疑問ですね。格調高いものも全体を形作る一つだと思います。それも含めてダイバーシティ&インクルージョン(多様 性と受容。東京五輪のテーマ)。貴族的なものも大衆的なものも、それぞれの良さがあるのでバランスが大事です。時代の変化でパトロン的な存在が

        • 対談 ~国際オリンピック委員会 アスリート委員 太田雄貴氏~(前編)

          世の中をより良くするために志を持って取り組む方が次々といらっしゃいます。その想いや活動を伺って発信することは、黒住教が「まること」な世の中の実現に向けて有意義だと考えます。 9月1日、北京オリンピックで日本フェンシング史上初のメダル(銀)を獲得した太田雄貴氏に黒住がオンラインでお話を伺いました。その要旨を2回に分けて紹介させていただきます。 【太田雄貴氏 略歴】オリンピック四大会に出場。引退後はフェンシング普及に尽力し、日本フェンシング協会会長も務めてさまざまな改革を実施。

        【対談】落語家 笑福亭笑利氏(後編)

          対談 ~パラアイスホッケー銀メダリスト 上原大祐氏~(後編)

          黒住教の機関誌「日新」8月号と9月号では、バンクーバーパラリンピック銀メダリストであり、引退後はNPO法人D-SHiPS32の代表として、パラスポーツの推進や商品開発、自治体等のアドバイザーなどを務める上原大祐さんにお話を伺っています。 黒住:先程の「withデザイン」・「byデザイン」の考え方ように、障害を持つ当事者が中に入ったりアドバイザーとして事業に関わったりしてハード面を整備することが大事だと分かりました。そのためには一緒に取り組む健常者の更なる協力姿勢が必要だと思

          対談 ~パラアイスホッケー銀メダリスト 上原大祐氏~(後編)

          対談 〜パラアイスホッケー銀メダリスト 上原大祐氏〜(前編)

          世の中にはさまざまな社会貢献活動があり、志を持って取り組む方が次々といらっしゃいます。その想いを伺って一人でも多くの方にお届けすることは、「まること」(丸く、穏やかで、循環的な状態の表現)の世の中の実現に向けて取り組む神道黒住教として有意義であると考えます。 7月6日、パラリンピック三大会に出場し、現在は啓蒙活動等に取り組む上原大祐氏を神道山にお迎えして、そのお考えや目標などについてお話を伺いました。その要旨を前編と後編に分けて紹介させていただきます。 【上原大祐氏 略歴

          対談 〜パラアイスホッケー銀メダリスト 上原大祐氏〜(前編)

          対談 ~NPO法人「ハレハハ」ボウズ満恵代表理事~

           世の中にはさまざまな社会貢献活動があり、志を持って取り組む方が次々といらっしゃいます。その想いを伺って一人でも多くの方にお届けすることは、「まること」(丸く、穏やかで、循環的な状態の表現)の世の中の実現に向けて取り組む黒住教として有意義であると考えます。 六月八日、特定非営利活動法人「ハレハハ」のボウズ満恵代表理事を神道山にお迎えして、その理念や活動について、同法人の理事もさせていただいている私がお話を伺いました。その要旨を以下に紹介させていただきます。 黒住 この度はN

          対談 ~NPO法人「ハレハハ」ボウズ満恵代表理事~

          欲があるから良くなれる!?

          最近もっぱら話題の音声SNS「Clubhouse」を通じて、親友の寺田ユースケと先日久しぶりに話した。彼は先天性の脳性麻痺のあるいわゆる障害者で、普段は車イスに乗って生活している。 遡ること2012年、同い年のぼくたちはイギリスにいた。それぞれ単独で留学していて、たまたまバス停で出会った。その頃の彼は、「おれは障害者と健常者の橋渡し役のロールモデルになるんだ!」と躍起になっていて、ぼくはその信念に憧れさえ抱く一方で、熱血気味のぼくでもたまに引いちゃうぐらいの勢いだった。具体

          欲があるから良くなれる!?

          福はうち!鬼はうち!

          今年は、本日2月2日が節分。 教祖宗忠神の在世当時(江戸時代)のお話を共有させていただこうと思う。その時代は、疫病などお互いの命を脅かすものが今よりも多い時代だったこともあり、『鬼は外』の掛け声で街中で豆まきが行われていた。 ある年の節分の日、宗忠の家内でも豆まきが行われ、終えられた奥さまに対して「今年は、格別に有り難かった」とおっしゃった。何が格別かというと、『福は内、鬼は外』と言っていたはずが、いつの間にか『福は外、鬼は内』になっていて、それが実に面白くて格別に有り難

          福はうち!鬼はうち!

          厄年か、役年か。

          先日、日ごろよくお世話になっている先輩が神道山へお参りに来られて、その「厄祓い」の御祈念(御祈祷とも言われる)をおつとめさせていただいた。 私はこれまで「厄年」について当事者意識をもったことがあまりない(年齢的に)ので改めて考えたことをnoteでも共有してみたい。 そもそも厄年とは、陰陽道・暦学・方位学などにより導き出されたもので、古来人々の体内周期と深く関連をもち、心身・運気の盛衰を測るものさしとして大切にされてきているけど、今となっては風習的な概念になっていると思われ

          厄年か、役年か。

          "Save our scene."

          「STAY HOME」期間が長く続いて気苦労も多いけれど、ようやく、若干の安心を取り戻せるようになってきたように感じる。そんな中で「東京アラート」が発令され、感染者もあり、まだまだ落ち着けない日々を送らざるをえない。 前のエントリーにも書かせてもらったように、引き続き、くれぐれも【油断】は禁物である。 私は岡山在住(とは言え首都圏の友人と多く繋がっているので感覚の共有はしているが)のため、幸いにもそこまでの制約にはあっていないものの、気持ち自体は全く落ち着かない。 一方

          "Save our scene."

          『祈砲花火』まずは、上を向いて。

          5月15日、神道山(黒住教本部)から25発の大きな花火が打ち上げられた。 今回の主催は岡山県下唯一の花火製造会社「森上煙火工業所」さん。私たちは協力させていただく形の座組だったのだけど、2週間以上が経った今でもこうして文字に残したくなった。 「神道山から花火を上げるなんてすごいね」的な驚き半分のお褒めの言葉を有り難くいただいたが、正直これは本当によく実現できたと思う(笑) というのも、実は今回の話は相談を受けてたった10日間で開催当日を迎えたからだ。 得てして宗教法人

          『祈砲花火』まずは、上を向いて。

          自己紹介&若手宗教者のひとりとして今思うこと。

          私は、岡山に本部を持つ神道・黒住教の神職、黒住宗芳(くろずみ むねよし)と申します。 先に申し上げさせていただきますが私のnoteでは決して、勧誘や考えの押しつけをするものではありません。また、黒住教のPRが目的ではなく、ひとりの若手宗教者の思考の共有・備忘録だと思って気軽にお読みいただければ幸いです。 さて、では気を取り直して自己紹介から始めます。 はじめまして。 当エントリーよりnoteを始めさせていただきます。 現在29歳、東京の大学を卒業した後に民間企業(一部

          自己紹介&若手宗教者のひとりとして今思うこと。