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欲があるから良くなれる!?

最近もっぱら話題の音声SNS「Clubhouse」を通じて、親友の寺田ユースケと先日久しぶりに話した。彼は先天性の脳性麻痺のあるいわゆる障害者で、普段は車イスに乗って生活している。

遡ること2012年、同い年のぼくたちはイギリスにいた。それぞれ単独で留学していて、たまたまバス停で出会った。その頃の彼は、「おれは障害者と健常者の橋渡し役のロールモデルになるんだ!」と躍起になっていて、ぼくはその信念に憧れさえ抱く一方で、熱血気味のぼくでもたまに引いちゃうぐらいの勢いだった。具体的には、あのスーパースター乙武洋匡さんにすら、もはや謎のライバル心をたぎらせていたぐらい。

ぼくたちはお互いの人生の節目節目に必ずと言っていいほど立ち会ってきた。お互い社会人になり距離が生まれても報告や相談などし合ってきたし、同い年で何でも言い合える間柄だからこそだが、心の底から喜び合い、時に忌憚のない厳しい声を浴びせてきたように思う。

NSC吉本総合芸能学院→車イス芸人→車イスホスト→車イスヒッチハイカーという奇妙すぎるキャリアを歩んだ彼は今、ユーチューバーをしている。ぼくも企画に携わった「HELPUSH」という日本全国を周る車イスヒッチハイク旅では、岡山にも来てくれて嬉しかった。

「障害者と健常者の橋渡し役」には大なり小なり既になれていると思うし、乙武さんのことはすっかり兄貴分のように慕っていて、随分と丸くなった。笑

まあ、とにかく彼のアグレッシブさには驚かされる。ぼくが思うに、彼の原動力はたぶん、昔から自分の思うように事を進めにくかったことからくる、人一倍強い承認欲求や自己顕示欲だと思う。

彼自身、周りが放っておけない愛嬌があるし、取り組むアクションが純粋に面白いし、多くの人が彼を助けてきた。けど、ガムシャラに突っ走る中でうっかり自己中心的になり、人から助けてもらうことが当たり前のようになってしまっていたり、ついつい人に不義理をしてしまったりということが往々にしてあったことも事実ではないかと思う。その姿を見る度にぼくは友人として激しく叱責した。(当然、逆にぼくを叱ってくれることもあるし、マウントを取りたいつもりなぞみじんもない。笑)

一方で彼とは古い間柄なのでくだらない話も沢山する。この時代において「宗教教団」を継ぐ立場のぼくと、「障害者」の彼。いわゆる結婚ハードモードっぽいお互いのどちらが先に結婚できるのか、いや、難しいだろ。なんて話をよくしていたが、華麗に先にゴールを決められて、ぼくは完全に後れを取ってしまっている。まもなく三十路突入である。

そんな彼には素晴らしい奥さんがいて、ぼくも良く知っている。そして子どもができた(リンクの動画にて子育ての様子)。今だから言うけど、本当に泣けるほど嬉しかった。

パパになったユースケは驚くほど人が変わり、口先だけの「ありがとう」じゃなくて、日常の当たり前のようなことにもきちんと感謝をし、親しき中にも礼節を重んじてくれるようになった。

ついつい偉そうなスタンスで書いてしまったが、彼は本当に変わってきたし、それを見てぼく自身も成長し続けないといけないと常に感じさせられる。

自分のすべてを受け入れ肯定してくれる、子どもという素晴らしい存在に恵まれて、ぼくが勝手に推察しているだけだが、これまで認めたくなかった欲の存在をしっくり認められたからなんじゃないかなと思っている。

必要以上の執着心や強欲さは取り払うべきだと思うものの、人間としてのピュアな欲にきちんと向き合い、認めて、悪く働かないように心がければ、むしろ良くなるのではないかと考えさせられた。

「欲があるから良くなれる」

聞きなじみもない大げさな言い回しをしたが、自分が自分の一番の理解者になることの大切さに気が付かせてもらった。

最近のツイートで、「寺田は(人生ガチャで障害者という)超激レアSランクを引けた」とか言っていて、こいつには敵わんなと思いました。笑

おれも頑張るよ!!!

この動画もすごいな。

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