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瓦礫と化したピアノの怨念

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演劇と怨楽の融合『ストロベリーソングオーケストラ』『瀉葬文幻庫』に於ける数々の楽曲・劇中歌を手掛けた座長・宮悪戦車の詩世界を纏めてみました。毒特の『鏡町』ワールドをご堪能ください。
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#アングラ

二十一世紀狂闘旗手メイキング影像

二十一世紀狂闘旗手メイキング影像

こちらは以前noteで公開した二十一世紀狂闘旗手のMV字コンテの記事になります。まだ読んでいない人は目劇バキュン!

という訳で今回ストロベリー公式YouTubeにて二十一世紀狂闘旗手のメイキング影像が公開となりました。
まだまだコロナ禍の中で皆様ドッタンバッタンしておられるかと思いますが、このメイキングを見ていただきステイホームの御供になれば。。

それではご覧ください!

ノーカルト≠ノーオカルト

ノーカルト≠ノーオカルト

今宵迷子 夢の中
歪(いびつ)な影 猫の声
微か(かすか)に見た狭間に
おいでおいで… 手招き

スカートの中 蜜がドロドロ
片目無くした影絵少女が
赤い日見る為 義眼手に入れ
屋根裏迷宮へとよじ登る

そこに黒猫 片目無い猫
鼠咥えて眠り娘ギロリ
(いいわ私が)夢見せてあげる
ビードロ玉を舐めながら

捕まえて、ホラ… ヤネウラリウムの追走劇
鈴鳴る方へ、ねえ? 季節外れの集団失踪
逃げられない

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ヒトリキリ恐怖症セルロイド

ヒトリキリ恐怖症セルロイド

夕闇 貼りついたモレクの骨牌(ふだ)
手招き D に死なれたダムの音
壊れたガラガラ振って 赤子の面倒
アリスの黒い陰謀 顔なし手足なし

時計を巻き戻しても 夢見の星屑ロンド
合わせ鏡 唇重ねる悪魔を見た

月の影踏 さらば友よ 君は答えを知った
やがて来るべき日に消されてしまった
ヒトリキリ恐怖症セルロイド

猫から噂話ダイヤとクラブが
スペィド水に沈め
キリトリ!切断!ゆるがせない!

不埒

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仮分数のヒトビト

仮分数のヒトビト

袋小路 目かくしの君 誰 呼ぶ?
悪戯 手を引く僕の 影を
背中あわせに 倣う食卓 家族パラダイム
(1、2、3、4)
髭を生やした孕むマネキン 台詞忘れて
(5、6、7、8)
明日はヒトビトごっこを定時から始めようと
(9、10、11、12)
ケチャップ塗れ夕刻の鬼 目かくし解いて
(13、14)

追いかけて 影踏んで 
血を吸って 指切りして

約束は君と僕とのかくれんぼ そっと
嘘つき映画

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瘋癲唱歌

瘋癲唱歌

野垂れ死に 鴉がつつく 癜人
夜空に埋めた 義眼が光る
秘匿の時間 伝染病

乾坤に 鴉の唄と 誅
円らな月に 黒点一つ
のぞきからくり 愚者の群

人煩い 鴉が喚く 瘋癲鬼
夜空に埋めた 義眼が光る
プラネタリウム 赤い星

怪説瘋癲と書いて「ふうてん」と読む。
瘋癲とは精神状態が正常でない事を指す言葉であり、当時この曲はTwitterにて台詞を募集し、僕がその言葉を紡いだ演劇作品「密室のテキス

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サラバ死ネマ(動画公開)

サラバ死ネマ(動画公開)

「さらば映画(シネマ)」のラストシーン
過去の模倣に嫌気差し
自分捜しに嘔吐する
名前も無い僕だけれど

すれ違いざま交差点
赤、青 点滅ドラマ
台詞忘れた明日の僕へ
通りすがりに奇遇のメロディ

サラバ、昨日の影消し去って
もう戻れない軌跡追いかけて
僕の声殺して高く空へ 黒く血を塗って

15階建ビルの上 飛ばすべき紙飛行機は燃えて
台詞覚えた明日の僕と
コノ世サヨウナラ、また会う日迄!

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血の軌跡が故の慟哭

血の軌跡が故の慟哭

軋轢を目の前にした彷徨える同志よ
血塗られた踊子達のレヴェランス
煩悶だらけの傀儡役者
火吹き男の仮面の下の瞳には、
何が映っているのであろうか?
娑婆で終焉を待つ鞍馬天狗よ、
まだ頭巾を脱ぐには一寸早い
今こそ排斥の匕首を抜いて、
黒く塗られてしまった壁を打ち砕くのだ

切り裂け 隷属の記された書割国家
塞げ 奈落から聞こえる虫の嗄声
釘を打ちし地獄

与えられた次の言葉は何だ
虚構が落書ならば

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鳥檻-torikago-

鳥檻-torikago-

錆びた 鳥檻の幻聴
消し去った青い過去の翼弦を
繋いで 終わりなき罪のコードを
語らない 壁に向かい苦い水を啜る

失いかけた 僅かな光がこぼれる
鍵穴 差し込む 闇 カタルシス ひとつの
聞こえる 刹那に 初めての鼓動
逃がさない 手足を奪われても

硬い実啄ばむ 幼き衝動
灰の海 溺れ沈んだ 羽の鍵よ
描かれる事の無かった 僕の翼よ
誰も居ない真冬の部屋、鍵かけた そっと

硬い実啄ばむ 幼き

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一通の手紙(怨源未発表)

一通の手紙(怨源未発表)

生きるのに飽きた 男の衝動 
震える手が書く 一つの手紙
恋文でもない 文通でもない
真っ赤に染まった 四十九の文字

それから男は、その手紙を電柱の外灯の光りにボワッと浮かび上がる、いつ誰が取りにくるかも解らない黒いポストに投函しました。
手紙に書かれていた宛先は実在しなかった為、手紙はヒラヒラと時間の狭間をさまよいました…

「郵便番号五七八零九零八」
「海馬郡鏡町仏壇仏具長屋六ノ三上ガル借家

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狂れた埋葬虫、電波、赤マント!

狂れた埋葬虫、電波、赤マント!

時代はメギド四十九年三月七日、
鏡町の電波塔から発令された訃音警報により、
穢土にはびこる埋葬虫屈が突然変異、
屍に仕立てあげられた赤マントの男を捜索、
弑逆的かくれんぼを始めた!

墓場で目覚めた赤マント 眩い太陽
手枷をしたまま佯狂演劇 ゆうらゆうら歩く
片目に映った最後のト書きには 赤い字で書いた
これは遊びなんかではありません!
と、書かれていた

堂々巡りのかくれんぼ 埋葬虫電波の道

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走るという行為を改めて見直す提議、走レ!

走るという行為を改めて見直す提議、走レ!

走レー!!

先妻に先逝かれた政治屋の発言
「イデオロギーを失った屍と化した俺は、傷心旅行をしよう
と鏡町からB列車に乗り込み!」

第4鉱区の女学生の発言
「私と出会った!
生きる事に怯えた私は光を求めたわ!」

無免許国語教師の質問
「それはどんな光だ…さぁ、答えろ!どんな光なんだ!」

出口の無い炭鉱婦の発言
「細い一本のトンネルを金色の蟲が飛びかうの!」

走レー!!!

黒服の借金鳥の発

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黒い日曜日

黒い日曜日

忘れ去られた 赤く滲んだガラスの酬い
縺れた糸の人形 虚ろな眼で何を見てるの
貼り付けられた嘘の太陽
哀しげな暦売りの影 血だらけの釘を打つ

囚われの七つ目の戸籍に 刻まれた盲目の象徴
無くした過去の記号 モノクロ映画に遺した
貼り付けられた嘘の太陽
ギラ、ギラ、ギラ、
燃えている影 閉ざされた扉叩く
弔いの鐘が 消された夜に鳴り 証された時には

ナ…ニ…モ…ナ…イ…ナ…ニ…モ…

本を開けて

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新月に君想う

新月に君想う

目隠しされた新月に 星の光りが二つ
夢の中なら逢えるよ
鉛筆とノートを持って行こう
たくさん、君の言葉 書きたいから

ねえ君、まぼろし? いつかの鳥と消えた
違うよ、って言うなら その翼は何なの?
ねえ君、嘘つき 失われた時間は
夜空にきらめく星を 冷たい息で吹き消す
ねえ君、指切り かくれんぼはやめよう
解っているよ おやすみ、また夢で逢おう

昔歌ったあの歌を 夜空いっぱいに書きなぐり
ほら

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最期の審判

最期の審判

焔の海泳ぎ疲れた 肉腫の記憶捜索
理無い 壊れた揺籠の流罪

嗚呼、目を閉じ新たな呼吸を始め
一つの光と信じたのに
最後の審判告げられた!

夥しい鼠の群と 愚者の人類工学
裁判長!人間は一滴の涙と百の犯罪で
構築されているのをご存じでしょうか!

嗚呼、この世とあの世の隧道繋ぎ
両手を突き出し聞こえたのは
最後の審判告げられた!

人間という大罪を犯してみる
逃れる事の出来ない密告の警鐘と共に

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