血の軌跡が故の慟哭

軋轢を目の前にした彷徨える同志よ
血塗られた踊子達のレヴェランス
煩悶だらけの傀儡役者
火吹き男の仮面の下の瞳には、
何が映っているのであろうか？
娑婆で終焉を待つ鞍馬天狗よ、
まだ頭巾を脱ぐには一寸早い
今こそ排斥の匕首を抜いて、
黒く塗られてしまった壁を打ち砕くのだ

切り裂け　隷属の記された書割国家
塞げ　奈落から聞こえる虫の嗄声
釘を打ちし地獄

与えられた次の言葉は何だ
虚構が落書ならば現実は信号だ
そこに壁がある限り、
審判の鐘は鳴り止まぬのだ

壊せ　牢固に築かれた土の思想
燃やせ　暗幕に描かれた嘘のエトワール
暦に火を放つ

たとえ私が言葉を失った冷たい肉の塊になろうとも、私は一つの事件となり、歴史となり、ここにある己の墓標を蹴り倒して叫ぶであろう！
壁を壊せ！墓標をなぎ倒せと！

禍々しい糸地獄の宣教師から伝えられた大罪
理由無き犯行は、
やがて皆が見失っていた舞台を照射する
その時に初めて透かされた
自分の血の色を知るのだ

燃べろ　アダムとイブ禁断の冥福失楽園
呪え　密告で殺された盲目のシンデレラ
悲劇は繰り返す

ここに立つその運命を　血の通う時間に刻み
あたたかな風と共に　涙枯れてでも叫ぶ

ここに立つその運命を　血の通う時間に刻み
あたたかな風と共に　涙枯れてでも叫ぶ

ここに立つその運命を　血の通う時間に刻み
あたたかな風と共に　涙枯れてでも叫ぶ

2009年
血の濫觴
作詩/宮悪 戦車　作曲/森田 鐡道