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「塾に通う」を考える

春の足音が聞こえてきました。
この時期、2月3月は「塾」の勧誘がピークになります。

受験生が受験を終え、「塾」も卒業するからです。
生徒のいなくなった「塾」は、次の生徒の獲得に乗り出します。
ただそれだけのことなのに。

「4月からでは遅い」との文言も飛び出します。
何が「遅い」のか…。何も「遅く」ないのですが、なんだか遅れを取った気持ちになってくる不思議。
「進級前から始めよう」と言われると、「そうしなければ」と考えてしまいます。

お子さんを、これから新しく塾に通わせようかと考えている保護者の皆さん、
すでに塾通いをしているお子さんを持つ保護者の皆さん、

いったん「塾に通う」を考えてみませんか。

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「塾代が高い」という嘆きを時折耳にします。
「それならやめたらいい」とお答えします。

塾代を支払ってもその効果が実感されるなら、その塾代は高くはありません。そういった成果が感じられないから「高い」となるのです。

「塾に通い始めて成績が上がった」という声もあるでしょう。
それまで全然勉強していなかった子が、塾に通い出し勉強する時間ができて、成績が上がるということがあります。

これは「勉強時間の確保ができた」ということによるので、すなわち塾をやめても勉強していればいいということです。


塾講師や家庭教師をしていて、「成績が上がりました」と感謝されることがあります。実は、これまで勉強していなかった子の成績を上げることは割りと簡単です。ゼロにプラスするだけの時間をいただけるわけですから。一方、一所懸命勉強していてベストを尽くしている子の成績を上げることには講師の力量が必要になってきます。

普段、学校できちんと学び、予習復習もし、しっかり勉強をしている子が、さらに伸ばしたい時に、塾代は必要になってくるのです。

返せば、学校で一時間目から六時間目までの勉強を、まずはきちんとする必要があります。概ね、朝8時半くらいから午後3時くらいまででしょうか。長時間に集中することが必須なのです。これにプラスして、予習復習の時間を確保。そして、学校で習ったことを定着させるのです。

塾に通うということは、これだけの勉強で足りない人がすることなのです。

親の中には「塾代を支払う」ことで、勉強をさせているつもりになっている…という人もいます。何となく安心なのです。

朝から夕方まで学校で集中して勉強すれば、それだけでヘトヘトになるというもの。
さらに放課後には部活や委員会や学校行事の準備など、勉強以外のことにも時間を使います。それは、勉強にないものを学ぶ大切な時間です。

その後、夕方から夜にかけてさらに塾に行くには体力も必要です。授業中に寝てしまうようでは本末顛倒です。

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さて。学校の勉強が、もはやちんぷんかんぷんだ…というお子さんにはもしかして塾が必要なのかもしれません。成績が5段階評価で1の人。このようなお子さんが塾に行く場合は、それ対応の、きちんと丁寧に学び直せる授業をしてくれる塾が必要です。そして、そんなお子さんは、きっと勉強が苦手なのでしょうから、あれもこれもではなく、成績が「3」の教科に「ついでに」行くことはしないで、まずは成績「1」の教科を「2」にすることをオススメします。何事も一歩ずつです。

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「こどもが行きたがるので」という声も聞きます。

「学校の勉強はわかりづらい、塾の先生は好き」という場合。それで、成績が良くて、親も納得し支払いもできるなら、それはそれでよいのかもしれません。何を言っているのかわからない学校の先生も確かにいます。けれども、「学校全般」を指しているなら、それはその子の間違いです。教えるのが上手な先生もいるのですから。

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「周りの子が皆、行っているから」
…というのは、最も無意味な理由です。

「皆」ではありませんし、
「塾通い」が必要な子もいますし、不必要な子もいます。
ひとりひとり、その子にとって何が必要かを考えるのが親の役割りなのですから。

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さてさて、以上を踏まえ、
学年の代わるこの時期に「塾に通う」を考えてみます。

果たして、その塾で効果は出ているのか、塾に行く必要があるのか。


この後、大学に進むようなら、その学費ために貯蓄をしている方がより有効かもしれません。 浪人でもしたら、その時こそ塾代が必要になってくるかもしれませんし。

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勉強は、お金をかけなくても十分にできるということ。
「お金をかけなくてもできる」という認識を本人が持つということ。


学校を利用し切ること。
学校生活を満喫すること。


大切なのは「勉強したい」気持ちを持つということ。











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