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思いがけない再会

双極性障害で発達障害の娘の気持ちの波が半端なく大きくなってきた。若年性認知症の旦那が急遽入院してこの家を離れてから約二ヶ月。もう二度と旦那をこの家に迎え入れることはないと心に誓ってきた。

娘と私にとって願ってもないような素晴らしい環境の変化。二人だけで暮らすこと。誰にも気を遣わずにゆっくり丸一日を自宅で過ごせること。ささやかな幸せをかみしめる生活が始まったばかりなのに、たとえそれがよい環境の変化だとしても娘にとってはストレスとなり、再発の原因となりうるようだ。

躁状態の波が持ち上がってきて先週から薬を増やすなど調整を行ったがなかなか気分の波が静まらない。今朝に至っては日曜日にも関わらずもう担当医でなくてもいいからとにかく病院に電話して対処してほしいとの娘の要望で当直医に電話をした。

電話に出てくれた当直医。が、、、。まさかの前任の主治医だった。去年の3月に突然異動になり、もう二度と逢うことはかなわないと思っていた、私が陽性転移しまくって依存して大好きだった、元主治医。

【この声は?】

と思ったけど、私の名前を言ったら先生のほうから

「●●です。」

と名乗ってくれたのがものすごくうれしかった。ついつい娘のことよりも近況報告が口をついて止まらなかった。懐かしかった。頭の先から足の先まで懐かしさでいっぱいで、心が満たされていくような何とも言えない気持ち。

突然の先生の異動から私の心の隙間を埋めてくれるものを探し続けていたけれど見つからず、最近では鬱気味になっていた。そんな私を先生の声と会話が癒してくれた。

話をした後、とても安心したのか何年振りかでゆっくりと熟睡できた。もう二度と逢えないと一時は心に蓋をしていた大切な存在の先生。今でも同じ病院で当直医として携わってくれていたなんて知らなかった。

それだけで頑張れる気がした。旦那が入院したことも話した。「私が追い出したんです」と。先生は言った。

「追い出したんじゃないです。入院が必要だったから病院に入れたんですよ」

と言ってくれた。

最近これでいいのかと自問自答して罪悪感のような旦那の亡霊に悩まされていた私の気持ちを一瞬で分かってくれた先生。そして娘の病状も「少しづつ良くなるから大丈夫。今までだって何とかなったでしょう。だから何とかなります」と言ってくれた。

静かな口調だけど私にとってはとても力強いメッセージだった。心の奥の渇望が一気に満たされた日だった。

先生に直接「ありがとう」とまた言える日が来て、うれしかった。

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