丁稚

令和3年司法試験に合格、司法修習生(75期)を経てBとして勤務。

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令和3年司法試験に合格、司法修習生(75期)を経てBとして勤務。

マガジン

  • 読了報告

    法律関係書籍を中心に読了報告&感想を書く予定です。これまで触れてこなかった選択科目(労働法・倒産法・知財法等)の入門書や企業法務の紹介本を読んでいければと思います。

  • 令和3年司法試験再現答案+α

    今年書いたやつの再現を供養します。南無。 →ついでに結果・評価も載せることにしました。

最近の記事

75期二回試験出題内容等

76期以降の修習生の参考として、75期の二回試験の出題内容等をまとめておきます。 スケジュール等 ⑴ 日程 2022/11/9(水) :刑事裁判  11/10(木):検察  11/11(金):民事弁護  11/14(月):民事裁判  11/15(火):刑事弁護 ⑵ 1日のスケジュール  ~9:45 着席  10:20  開始  12:00~13:00 昼食時間(この時間も起案可能、お菓子等は昼食時間以外でも飲食可)  13:30~17:30 途中退出可能

    • 2022年4~5月に読んだもの

      分野別修習も第4クールに入り,いよいよ大詰めになってきています。色々書籍に手を付けてはいるものの最後まで読み切れていないものも多いため,前回に引き続き総集編とさせて頂きます。 なお,今回紹介する本はファイナンス関係のものが多めですが,いかんせん読み始めた頃の会計・ファイナンスの知識がほぼ皆無だったので普段の3割増でふわふわした感想になっています… 予めご了承ください。 京野哲也編著「Q&A 若手弁護士からの相談 203問 企業法務・自治体・民事編」  企業法務や自治体法務の

      • 2022年2~3月に読んだもの

        分野別修習も第2クール後半とだいぶ慣れてきたため,近頃は積読を消化できるようになりました。とはいえ,いずれもこれまでのような読了報告ができるほどには読み込めていないので簡単な紹介となります。 塩野誠=宮下和昌「逆引きビジネス法務ハンドブック M&A契約書式編」 M&Aの手法はその目的に応じて多岐にわたりますが,この本はM&Aの中でも実務上多く用いられる資本業務提携のストラクチャーにかかわる,株式譲渡契約・株式引受契約・合弁契約(株主間契約)の3類型を題材として,各条項の趣旨

        • 分野別実務修習で役立つ書籍【刑事編】

          民事編もご覧ください。なお,刑事系の修習においては民事系と比べて白表紙 ―検察修習における「終局処分起案の考え方」,刑裁修習における「プラクティス刑事裁判」「プロシーディングス刑事裁判」「刑事事実認定ガイド」など― の重要性が高い気がします。 岡慎一=神山啓史「刑事弁護の基礎知識 第2版」(有斐閣,2018)・刑事弁護実務の解説本であり,理念面・手続面の双方から刑事弁護に携わる上での基礎知識をまとめています。刑事弁護関係の白表紙には読んでいてもいまいちピンとこない部分が少な

        75期二回試験出題内容等

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        • 読了報告
          10本
        • 令和3年司法試験再現答案+α
          12本

        記事

          分野別実務修習で役立つ書籍【民事編】(9/18追記)

          修習が始まってバタバタしていたこともあり,2か月以上間を空けての更新となります…汗 ここから更新ペースを元に戻していきたいところです。 今回は個別の書籍の読了報告ではなく,来週以降の分野別実務修習に役立つと思われるものを民事系,刑事系に分けていくつか紹介したいと思います。修習で有用な書籍については白表紙をはじめ,それ以外のものについても教官や先輩修習生の皆様によって色々発信されています(以下,修習中に読むべき書籍が書かれている先輩方のブログを挙げておきます)が,まだ何を読めば

          分野別実務修習で役立つ書籍【民事編】(9/18追記)

          中村直人・倉橋雄作「コーポレートガバナンス・コードの読み方・考え方」(第3版、商事法務、2021)読了

          前提:コーポレートガバナンス・コードについて 今回の書籍のテーマであるコーポレートガバナンス・コード(参考/以下「CGコード」)についてはご存じでない方もいらっしゃると思われるため、簡単に概要をまとめました。知っているという方は読み飛ばして下さい。 (1)コーポレートガバナンスとは  コーポレートガバナンスとは「企業統治」と訳されるのが通常ですが、そもそもこれは何を意味するのでしょうか。CGコードを策定した東証は、コーポレートガバナンスについて以下のように定義しています。

          中村直人・倉橋雄作「コーポレートガバナンス・コードの読み方・考え方」(第3版、商事法務、2021)読了

          令和3年司法試験・最終結果(詳細版)

          成績通知書が届いたので、総合評価及び所感をまとめました。 短答の結果の詳細については先日の記事をご覧ください。 結果公法系 117.10点(上位13.96%)憲法B 行政法A  民事系 227.04点(上位0.82%)民法A 商法A 民事訴訟法A 刑事系 140.67点(上位1.53%)刑法A 刑事訴訟法A 選択科目 65.89点(上位4.20%) 論文総合 550.72点(上位1.09%、28位) 短答式 161点(上位0.71%、16位) 総合 1124.77点(上位1

          令和3年司法試験・最終結果(詳細版)

          令和3年司法試験・最終結果

          先にTwitterでご報告させて頂きましたが、昨日令和3年司法試験の結果が発表され無事合格していました。未だに実感が湧かない部分もありますが、非常に嬉しいです。 成績は落ち着いた頃に上げたいと思います。

          令和3年司法試験・最終結果

          令和3年司法試験結果の概要

          本日令和3年司法試験の最終結果が出ましたので、受験状況や合格率の推移をまとめてみました。グラフの説明や分析結果は後日追記します。 →(9/8)追記しました。 受験状況(参考・・・「令和3年司法試験受験状況」) ・出願者:3,754人(前年4,226人) ・受験予定者:3,733人(前年4,100人) ・欠席者:303人(前年397人) ・受験者:3,424人(前年3,703人) ・受験率:91.7%(前年90.3%)  ※受験率=受験予定者に占める受験者の割合 ・採点対象者

          令和3年司法試験結果の概要

          令和3年司法試験・短答結果

          結果憲法46点、民法67点、刑法48点の計161点(16位)でした。 ちなみに、自分が間違えた問題ですが 憲法・・・第7問、第14問 民法・・・第14問、第20問、第23問、第37問 刑法・・・第11問 となっています。ご参考までに。 所感・完全に想定外の好成績でした。元々短答はそこまで得意ではなく、直前期の模試でも(長時間の試験で集中が切れたという言い訳はあるにせよ)刑法で足切り寸前の21点を叩き出す等、論文の足を引っ張るどころか足切りされかねないと危惧していました。その

          令和3年司法試験・短答結果

          磯村保「事例でおさえる民法 改正債権法」(有斐閣,2021)読了

          読了者の予備知識と書籍選定理由・著者である磯村保先生には学部・ロースクールを通じて大変お世話になっており、特に先生が復習用に作成・配布していた授業資料(通称「磯村レジュメ」)は司法試験直前まで読み返していました。常々「このレジュメが出版されたら欲しいな」と思っていたところに本書の発売を聞きつけたので、迷わず購入しました。 ・債権法に関しては、中田裕康『債権総論 第4版』(岩波書店、2020年)や潮見佳男『基本講義 債権各論Ⅰ 第3版』(新世社、2017年)等の基本書を使って

          磯村保「事例でおさえる民法 改正債権法」(有斐閣,2021)読了

          上智大学環境法教授団編「ビジュアルテキスト 環境法」(有斐閣、2020)読了

          読了者の予備知識と書籍選定理由・近頃入門書を読み進めている他の選択科目(労働法、倒産法、知的財産法(まだ読了してませんが))とは異なり、環境法に関してはこれまでに全く触れたことがありません。都市計画法や景観法、環境影響評価法(環境アセスメント法)等は行政法の問題を解く際に扱ったことがありますが、環境法制としてその内容をちゃんと読んだことはありませんでした。 ・という状況の中、諸事情で司法試験選択科目としての環境法について知る必要が生じたためとりあえず環境法がどんな分野なのか

          上智大学環境法教授団編「ビジュアルテキスト 環境法」(有斐閣、2020)読了

          主要LSにおけるGPAの算出基準について

          主要な法科大学院(令和2年司法試験における法科大学院別合格者数が50名以上だった7つの法科大学院=東大・京大・一橋大・慶大・早大・神戸大・中大LS)におけるGPAの算出基準及び進級ラインについて、各LSの報告書等を参考に分析してみました。 ※今回検討するのはロースクールに進学する際に求められることになる学部のGPAではなく、ロースクールにおける成績評価としてのGPAです。ご注意ください。 検討の動機① 就活等におけるロースクールのGPAの重要性   企業法務系の大手を中

          主要LSにおけるGPAの算出基準について

          倉部真由美ら著「倒産法」(有斐閣ストゥディアシリーズ、2018)読了

          気づけば、前回の更新から半月以上経過してしまいました…  読了者の予備知識と書籍選定理由・倒産法は、学部3年生の頃に授業を履修し、導入部分を習ったきりです(5月病にやられて撤退しました…。今思えばやる気がなさ過ぎました)。また学部生の頃には法律事務所のアルバイトを行っており、破産管財業務などに触れる機会があったものの、正直何やっているのか分からないままに終わりました(同時廃止決定の書面を受け取り「破産手続が開始と共に終了するってどういうこっちゃ」とか思った記憶があります)。

          倉部真由美ら著「倒産法」(有斐閣ストゥディアシリーズ、2018)読了

          西田章「新・弁護士の就職と転職—キャリアガイダンス72講」(商事法務、2021)読了

          6月上旬に読んだものです。 読了者の予備知識と書籍選定理由・弁護士の業界研究は、就活に当たって一通り行った程度です。ロースクール在学中のインターンは企業法務系事務所、それも4大など大手法律事務所が中心であり、中小事務所はいくつか参加したものの外資系には行っていない等かなり偏っています。 ・似た題材を取り扱っている本として中村直人「弁護士になった『その先』のこと。」(商事法務、2020)を昨年のうちに読みました(今回レビューを書くにあたり対比しようと思ったのですが、部屋内を

          西田章「新・弁護士の就職と転職—キャリアガイダンス72講」(商事法務、2021)読了

          水町勇一郎「労働法入門 新版」(岩波書店、2019)読了

          noteを作ってから初めての読了です。 読了者の予備知識と書籍選定理由・労働法に関しては、学部生の頃に1つ授業を取ったきりです。一応講義には出席し教科書にも目を通していたのですが、定期試験の終了と共に頭から抜けていきました… ロースクールに入ってから労働法に触れることもなかったため、およそ3~4年ぶりの学修となります。 ・上記の通り完全に労働法の知識が抜けていたこと、及び授業の際も「労働法」というよりは労働基準法・労働契約法といった雇用関係法に絞って説明がされていた(講義

          水町勇一郎「労働法入門 新版」(岩波書店、2019)読了