倉部真由美ら著「倒産法」(有斐閣ストゥディアシリーズ、2018)読了

気づけば、前回の更新から半月以上経過してしまいました… 

読了者の予備知識と書籍選定理由

・倒産法は、学部3年生の頃に授業を履修し、導入部分を習ったきりです(5月病にやられて撤退しました…。今思えばやる気がなさ過ぎました)。また学部生の頃には法律事務所のアルバイトを行っており、破産管財業務などに触れる機会があったものの、正直何やっているのか分からないままに終わりました(同時廃止決定の書面を受け取り「破産手続が開始と共に終了するってどういうこっちゃ」とか思った記憶があります)。そのため、倒産法についてはほぼ完全に初学者状態でした。

・一回つまづいたこともあり、とにかく読んで分かりやすい入門書を求めていたところ、知人のブログでお勧めされていたのでこの本を選びました。

レビュー

・約260頁で、約8時間で読了しました。倒産法という分野自体が骨太なのでそれなりに時間がかかりましたが、文章自体は非常に平易で読みやすかったです。

・倒産処理の概観について、個人債務者と企業を主体とする2つのストーリーを交えた解説をしているのが特徴的です。自分は上記の通り倒産手続の全体像を掴めずつまづいたので、ストーリー仕立ての導入は理解を助けるのに役立ちました。

・一方で、(入門本の宿命ではありますが)倒産手続に係る条文や判例については必要最低限のものを提示するにとどまっている他、実体法・手続法上どの部分が重要な論点であるのかが少々分かりにくい印象でした。「司法試験・予備試験の選択科目としての倒産法」を知るためには、山本和彦「倒産処理法入門」(有斐閣、第5版、2018)等を読む必要があるかもしれません。


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