西田章「新・弁護士の就職と転職—キャリアガイダンス72講」(商事法務、2021)読了

6月上旬に読んだものです。

読了者の予備知識と書籍選定理由

・弁護士の業界研究は、就活に当たって一通り行った程度です。ロースクール在学中のインターンは企業法務系事務所、それも4大など大手法律事務所が中心であり、中小事務所はいくつか参加したものの外資系には行っていない等かなり偏っています。

・似た題材を取り扱っている本として中村直人「弁護士になった『その先』のこと。」(商事法務、2020)を昨年のうちに読みました(今回レビューを書くにあたり対比しようと思ったのですが、部屋内を探しても見つかりません…)。

・6月の頭にtwitterでレビューを見かけて興味が湧き、購入しました。

レビュー

・150頁で、約2時間半で読了しました。非常に読みやすい語り口で、一気に読めてしまいました。

・現在の4大法律事務所の前身となる事務所に入所、経産省や日銀への出向を経たのち独立という経歴を踏まえて、「弁護士」という仕事の魅力に始まりその業界・ロールモデル研究、勤務年数に応じたキャリアプランについて詳細な説明がなされています。就職活動についても、志望動機から自己PRのあり方まで採用側の見解を丁寧に述べており、インターン・エクスターンを志望している学生の方々にとって非常に有用だと思います。

・(恐らく意図的に)キャリア設計について大胆な類型化を図っており、若手弁護士が何をもって心理的満足を得られるかについての分析等、「本当にそうなのか?」と思うところは少なからずあります。しかし、これまで弁護士の先生方に教わってきたこと、何となく想像していたことが文章化されている本書は、今後自分がどのようなキャリアプランで働いていきたいかを整理する上で大変役立ったと思います。 

・コラムの中には「ビジネスローヤー適正クイズ」という、質問に答えて4大法律事務所のいずれに適正があるかを診断するという心理テストのようなものがあります。自分が各事務所に抱いていたイメージと何となく一致しており、面白かったです(が、自分の診断結果は4大のいずれにも取り立てて適性がないというものでした… 判断に困ります)。

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