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短歌・詩

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#ライトバース

バレンタインの詩#3

バレンタインの詩#3

人と比べるわけでもなく自分の心の純粋さに誇りを持てたらきっと自分を好きになれる。悲しい世界で何かを一人で背負ったとしても、背負わなかったとしても、けがれのない存在として自然に一体化していたい。わたしたちは性別としてではなく、命として生まれてきたはずだよ。物事を知らなくてもいい。狭い世界と言われてもいい。不自由でもいい。やっと見つけた不自由で大好きな場所。夜眠るときと朝起きるときに寂しさを感じなくて

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【詩】できるだけ綺麗な気持ちで、優しい気持ちで

【詩】できるだけ綺麗な気持ちで、優しい気持ちで

綺麗でありたい。優しくありたい。

誰かに対してでも、性的にでもなく。

自分が自分として綺麗でありたい。

世界に対して優しい気持ちを感じて、そのことを自分の喜びだと思っていたい。自分が優しい気持ちを感じることに対して、幸せを感じていたい。

誰かのことを悪く言ったり、評価をくだしたり、したくない。

わたしはすでに完成しているし、みんなもすでに完成している。

1つも欠けてない丸を、足りない、

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バレンタインの詩2

バレンタインの詩2

今世ですら結ばれなかった二人が「来世は一緒に暮らそうね」と約束するのは純愛でしょうか、それともくだらぬ戯れでしょうか。

気持ち以外のすべてがわずらわしい夜を抜け出して、許される場所を探しに行く。

月明かりだけがたよりの心許ない旅。

名前のない関係こそが本物だから強くいようね。

冬薔薇吹く頃、ふたりは静かに昼寝をしていた。

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バレンタインデーまでの1ヶ月間、恋愛

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バレンタインの詩

バレンタインの詩

恋をすると女としての嬉しさに心がとらわれてしまうから面倒なのです。好きといわれること、ご飯を作ってあげること、自分を犠牲にすることに心のエネルギーを使い果たしてしまうから厄介なのです。恋をすると今まで通りの人間ではいられなくなります。

男の人とも対等に生きてゆきたいのに、恋をするといつも、「誰かのためのわたし」に成り下がってしまうのです。そのことが悔しくもあり、本能的に気持ちよくもあり、頑張って

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気持ちメモ

気持ちメモ

あなたの顔は見えなくてもいい。聞こえている。

声をたよりに命を確認する。

嬉しくなれて良かったねとここにいない第三者の祝福。

誰のどんな気持ちにも愛情って名付けられたらいい。

「だめ」って名前の愛情がスクラップされていく。

窓のない部屋。心の独房。

入れ物が僕でごめん。

本当は入っちゃいけないところに入って

君のことだめにしている金曜日。

なくさないもの

こぼれ落ちる瞬間に
拾うだけの暮らしを
もう随分と続けてきたね

最後の最後に
助ける仕事をしている

行く宛の無い迷子を
優しく包み込む仕事をしている

名前は無い
いなくなれと世界が言えば
簡単に消されてしまう程度の人間

少しだけ暖かい部屋で
少しだけ生きてもいいかな

急いで死ぬ前
少しだけ立ち寄ってもいいかな

だめな私にできることが
まだあったらいいんだけど
ないような気がして
泣いて

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【詩】静かの海

ずっと昔の姿も知りたくて
空億光年離れたとこで
君の光みとどける
10を23乗した数の分だけ
散らばった静けさをひとまとめ
1天文単位=孤独な単位
独り言しか話さない人を何人集めても
濃度の濃い孤独の粒が
口の中から入り込んでゆくだけ

「上野が好き」と安易に唄う学生は
きっと年齢に似合わない苦労をせず
真の道を歩いてきた人
上野の道をまっすぐ歩ける人は
真の道を歩いてきた人
そうやって幸せになっ

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【詩】スタンダードな孤独

【詩】スタンダードな孤独

誰も僕に興味を持たないこの世界で

歪なままで生きようとしている

もっと楽になれるはずだ

もっと普通になれるはずだ

確かにそうだけど

今は受け取りたくない事まみれ

地上で旅をする一次元の大学生

無料で国を渡る二次元の鳥

羨ましくなんてないから

僕は三次元

一人で宇宙旅行をする

卒業宇宙旅行

人生卒業宇宙旅行

寒くない

怖くない

これは人生卒業宇宙旅行

「宇宙を旅行でき

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【詩】あたたかい場所

【詩】あたたかい場所

戸籍上は大切にされてきたけれど

ふとした瞬間

プツンと糸は切れる

「探さないでください」と

どこかで見た置き手紙

安易に置いて駆けてきた

駆けてきた

駆けてきた

あたたかい場所は

どこにもないから

心の中に住み始めた

皮膚が冷えても

寒さを感じないのは

ありあまった愛を

受け取れる人になれたから

甘い匂いを嗅がせてくる人

喜ぶフリする僕

本当は匂いなんて感じないけ

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【詩】選ばれしもの

【詩】選ばれしもの

印象だけをまとった人が

転落事故で死んでしまった

人は自殺だと言った

生活感の無い人の突然の死は

だいたい自殺だと言われた

本当のことが誰も分からない中で

信じてくれるのは

大衆じゃないと思うよ

印象が声を運んで

耳のまわりだけ

本当の真実が聞こえる

本当の真実が聞こえる人は

どうして

誰にも信じてもらえない人なんだろう

本当の真実は

ほとんどの人には分かってもらえな

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【詩】安易に消滅する街

【詩】安易に消滅する街

街の数が少なくなると

僕の大切な人

僕の大切な故郷も

安易に消されてしまうのだろうか

歩いてきたはずの道が

ただの概念になって

カブトムシがたくさんいた木々も

水蒸気になってしまうのだろうか

緑色した水蒸気

半透明な瓶に入れて

東京まで持ってきたら

アロマオイルみたいに

安易に値段がつくのだろうか

街の数はこれからも

少なくなってゆく

合体じゃ無い

無名の街が増えて

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【詩】ついでの存在

【詩】ついでの存在

ときどき

満たされてるのに

心の真ん中が行方不明になることがある。

それ以外の全ては揃ってて

「すごいね」って言われて

僕も確実に笑ってるのに

心の真ん中

主役のはずの真ん中だけが

見当たらない。

大切なものに気づかないふりして

逃げてた時

微笑んだままどこかいなくなった

昔の彼女に似てる。

あんなに柔らかい人が

僕の元からいなくなるわけないと

強く思えたのは

親の

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【詩】直すのって難しいんだよ

作るのは誰でもできる

どれだけゴミ増やしても
結局意味がなくとも
なんとなく良いことしてる気分で
みんな
まんまる気分で過ごせる

角のないまんまる気分で
ピンポンパンポン
ゆるふわ綿あめ
すっぽり覆われて
甘いかおりに取り込まれる

だが

壊れたもの直すのって
難しいんだよ
「1個穴があいてるな」と気づいたとき
たいていあと7個は
穴があいてるよ
1個ふさぐと穴は
なぜか
2つ増えるよ

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【詩】山を反対にしたようなステージ

見上げるつもりが覗きこむことに
欲しかったものはここにあったか
わたしの身長より
遥かに低いところに
いつからあったか
気付けなかった

埋まったときは笛をピーピー吹けばいい
埋まったわたしがいるなら
きっと
飛べた誰かもいるはずだ

二人でひとつ
空と海
赤と青とか
そんな感じで
幸せな人と不幸な人も
対になっている