なくさないもの


こぼれ落ちる瞬間に
拾うだけの暮らしを
もう随分と続けてきたね

最後の最後に
助ける仕事をしている

行く宛の無い迷子を
優しく包み込む仕事をしている

名前は無い
いなくなれと世界が言えば
簡単に消されてしまう程度の人間

少しだけ暖かい部屋で
少しだけ生きてもいいかな

急いで死ぬ前
少しだけ立ち寄ってもいいかな

だめな私にできることが
まだあったらいいんだけど
ないような気がして
泣いているよ

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