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意地悪な京都人、事件を目撃する!!|『刑事ジョン・ブック 目撃者』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」をベースに新しい物語を妄想します。

※「刑事ジョン・ブック 目撃者」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「刑事ジョン・ブック 目撃者」は、都会に生きるタフな刑事が、俗世を離れて暮らす敬虔な人びとと出会い、交流し、そして別れる物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「刑事ジョン・ブック 目撃者」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて「案①」は……ズバリ!「『刑事ジョン・ブック 目撃者』 ~『京都の旧家』編」です。


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嘉村 京都の旧家!

三葉 「刑事ジョン・ブック 目撃者」と比較すると以下のようになります。


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三葉 さて……ここまで申し上げてきた通り、「刑事ジョン・ブック 目撃者」は、「『主人公』(鑑賞者が感情移入しやすいキャラ)が、『異界の人』( 主人公・鑑賞者にとって未知の人)と出会い、彼らの暮らす場所(=異界)を訪問する物語」です。

嘉村 ふむ。

三葉 「刑事ジョン・ブック 目撃者」では、「異界の人」としてアーミッシュが登場しますが……舞台を日本に置き換えるとどうなるでしょうか?

嘉村 んー……。

三葉 例えば、「いまも伝統的な生活を送るアイヌ民族の人」なんていかがでしょう。

嘉村 あー、なるほど!

三葉 すなわち、こんな具合です。主人公は男性刑事です。ある日、殺人事件が発生。幸いにも目撃者がいた。目撃者は……おお!アイヌ民族だ!

嘉村 ふむふむ。

三葉 主人公は、彼の協力を得て事件を解決せんとします。ところが……何ということだ!主人公と目撃者は、口封じのために殺されかける。警察内部に裏切者がいたのです。最早誰も信用できぬ!主人公は重傷を負いつつも、どうにかこうにか目撃者を故郷・アイヌの村に送り届けます。

嘉村 なるほど。

三葉 そして、主人公は村に匿ってもらい、傷を癒すことになる。村の人びとは、突然やってきた部外者に困惑する。一方、主人公もアイヌ民族とどう付き合っていいのかわからない。両者は不信感を抱き、感情的に対立することもありますが……やがて誤解は解け、連帯感が生まれる。さらに、主人公は村の娘と恋に落ちる。

嘉村 ふむふむ。

三葉 ところがそんなある日……主人公と目撃者がアイヌの村に潜んでいることが犯人にバレてしまう。犯人は銃を持って乗り込んでくる。しかし、主人公はアイヌの人びとと協力して彼らを返り討ちにする。かくして、事件は解決しました。主人公の傷も癒えている。最早、彼が村にとどまる理由はありません。主人公も村の人びとも、内心では「寂しい」「残念だ」と思いつつも……彼らは、生きる世界が違いすぎる。主人公が村に移住することも、主人公と恋に落ちた娘が都会で生きていくことも現実的ではありません。彼らは別々の人生を送っていくのです。主人公が村を去り、物語は幕を閉じます。

嘉村 なるほど。アイヌ民族の伝統的な暮らしぶりに主人公が戸惑うシーン、あるいは逆に、主人公の現代的な言動に村の人びとがポカンとするシーン……面白そうですね!

三葉 ですよね。

嘉村 ふむ。

三葉 ただ、1つ懸念があって……アイヌ民族とアーミッシュではあまりにも似すぎているかなと。

嘉村 あー……。

三葉 このままでは、さすがに「刑事ジョン・ブック 目撃者」のパクリにしか見えないと思うんですよね。

嘉村 うーむ……まぁ、確かに。

三葉 そこで……「京都の旧家」です!

嘉村 ふむふむ。

三葉 「京都人は、嫌味っぽくて皮肉屋で底意地が悪い」と言うじゃないですか。ぶぶ漬けが出てきたので喜んで食べたら、じつは「とっとと帰れ」という意味だったとか。

嘉村 あー、聞きますね。

三葉 京都人が「元気なお子さんですね♡」と言ったら、それは「うるせぇガキだ。黙らせろ!」という意味だとか。あるいは、「あら、素敵なお洋服ねぇ。よく似合うわ♡」という言葉には、「そんな格好で恥ずかしくないのかよww」という意味が込められているとか。

嘉村 ……まぁ、どこまでが本当で、どこからがジョークなのかわかりませんが。

三葉 「案①」は、東京出身の男性刑事(主人公)が、京都の女性(以下、Aさん)と出会う物語です。Aさんは東京旅行中に事件を目撃し、命を狙われる。主人公はAさんを守るべく、重傷を負いつつも彼女をこっそり京都まで送り届けた。そして主人公は京都の旧家に匿われ、傷を癒すことになるわけですが……京都人は、粗野な東人たる主人公を嘲笑する!一方、主人公は……嗚呼、嫌味!皮肉!意地悪!京都の連中に吐き気を催す。

嘉村 なるほど……。

三葉 そんな彼らが次第に親しくなり、恋心を抱いたりしつつも……彼らは住む世界が違いすぎる。主人公は京都には住めないし、京都の女性が東京に引っ越すのも無理がある。主人公が京都を離れて……おしまいです。


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案②」は、「『刑事ジョン・ブック 目撃者』 ~『女子高の寮』編」です。


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嘉村 女子校の寮!

三葉 まずは、「刑事ジョン・ブック 目撃者」との比較表をご覧ください。


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三葉 基本的なストーリーは、「刑事ジョン・ブック 目撃者」や「案①」と同様です。すなわち、主人公は男性刑事。

嘉村 ふむ。

三葉 では、彼はどんな「異界」を訪れるのでしょうか?「刑事ジョン・ブック 目撃者」ではアーミッシュの村、「案①」では京都の旧家でしたが……「案②」では女子高の寮が「異界」に該当します。

嘉村 ふむふむ。

三葉 つまり……女子高生が事件を目撃し、口封じに殺されそうになる。主人公は彼女を守るべく、重傷を負いつつもこっそり寮に送り届ける。そして、傷を癒すために寮に匿ってもらうことになる、というのがあらすじです。

嘉村 なるほど。

三葉 中年のオッサン刑事と女子高生ですからね。水と油とでも言いますか……最初は諍いが絶えない。オッサンは「おい、はしたないぞ!もう少し女の子らしくしろ!」だの、「年頃の娘が何てことを言うんだ!」だの口うるさい。女子高生は辟易する「うっせぇな!」「テメェ、臭ぇんだよ!」「胸をチラチラ見てんじゃねぇよ!そんなに見たきゃ金払え!」。

嘉村 ははぁ……。

三葉 しかし、やがて彼らは親しくなっていきます。友情が芽生える。

嘉村 ほぉ。

三葉 そして事件が解決する。別れの時です。彼らは互いに寂しさを感じつつも……オッサンと女子高生。元々が交わるはずのない人生なのです。主人公が寮を去り、物語は幕を閉じます。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『刑事ジョン・ブック 目撃者』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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