「圧倒的強者が、おとぼけキャラに手こずる物語」は面白い!!|【第8χ(第38話) Ψ低最悪!?燃堂父】「斉木楠雄のΨ難(第1期)」を三幕構成で分析する
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分析対象
三幕構成
ポイント①
本話のストーリーをざっくり整理すると……
・第1幕:楠雄のもとに、燃堂の父の霊がやってくる → 楠雄は迷惑。無視して、諦めて去るのを待つことにする
・第2幕前半:だが燃堂の父は、楠雄にしつこくつきまとう。楠雄の方が根負け → かといって、燃堂の父は幽霊だ。物理的に触れることは適わぬ。ゆえに、ぶん殴って追い返すことはできない → 楠雄は、瞬間移動で無人島に逃走 → ところが、燃堂の父は平然と追いかけてくる
・第2幕後半(1):楠雄の表情が硬くなる「本気を出さざるを得ないようだな」 → 楠雄がエネルギー弾を発射、無人島を吹き飛ばす。だが、燃堂の父は無傷
・第2幕後半(2):これには、さすがの楠雄もお手上げだ → 楠雄は鳥束のもとへ移動。「何とかしろ!」と迫った → だが鳥束は「霊に干渉できるのは霊だけ。何もできないっす!」
・第3幕:かくなる上は、と楠雄が幽体離脱 → 「魂(≒ 霊)なら霊に干渉できる」ということで、楠雄は燃堂の父を殴り飛ばした
ポイント②
<1>
本話は、楠雄が最強の敵(?)と遭遇、激戦を繰り広げるというエピソードです。
何しろ、
・楠雄の作戦①:無視する → 失敗
・楠雄の作戦②:殴り飛ばす → 失敗
・楠雄の作戦③:瞬間移動で逃走する → 失敗
・楠雄の作戦④:エネルギー弾を放つ → 失敗
・楠雄の作戦⑤:鳥束の助言を得て、幽体離脱。そして殴り飛ばす → ようやく勝利!
……という具合ですからね。
<2>
本話のストーリーをギュギュっと抽象化するなら、【普段は冷静沈着な圧倒的強者が、とぼけた感じのキャラに手こずる物語】と言えるでしょう。
いやぁ、こういう物語っていいですよねー!
何がいいって……
・【魅力1】圧倒的強者の「普段は見せぬ顔」が見られる:冷静沈着な強者が焦ったり、全力を尽くしたり。普段は見せぬ「もう1つの素顔」が露わになる
・【魅力2】鑑賞者はのんびり見ていられる:もしも相手が人類を殲滅せんとするエイリアンや大怪獣、悪の秘密結社に属する刺客などだったら、その戦いは手に汗握るものとなるでしょう。鑑賞者はハラハラドキドキしっぱなしです。ところが、相手がとぼけたキャラなら……のんびりリラックスして鑑賞できますよね!
<3>
なおこれと似たタイプの物語として、【クールなキャラが赤ん坊の世話をすることになり、右往左往するエピソード】をあげることができるでしょう。
こういうの、アニメやマンガでよく見かけますよね。
本話同様、【強者・クールキャラの「普段は見せぬ顔」をのんびり鑑賞できる】という魅力があります。
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みなさんも、ぜひこの手の物語を作ってみてくださいねー!!
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(担当:三葉)