ハニートラップだ!拷問だ!……自暴自棄になった女性刑事の物語!!|『リーサル・ウェポン』(2)
テーマ発表!!
前回に引き続き、映画「リーサル・ウェポン」をベースに新しい物語を妄想します。
※「リーサル・ウェポン」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。
妄想開始!
嘉村 それではまいりましょう!
三葉 はい。
嘉村 「リーサル・ウェポン」は、人生に絶望した2人の刑事が事件を通じて交流し、名コンビ(バディ)となる様を描いたアクション作品ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?
案①
三葉 まずは、「リーサル・ウェポン」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。
三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。
嘉村 ふむふむ。
三葉 ご覧の通り「リーサル・ウェポン」は、「人生に絶望した『良識的で平凡な男』」と、「人生に絶望した『よくも悪くも普通ではない男』」が出会い、名コンビ(バディ)になる物語ですが……。
三葉 今回は、この「良識的で平凡/よくも悪くも普通ではない」という基本的な性格はそのままに、彼らが「人生に絶望している理由」を変更することで、「『リーサル・ウェポン』とは一味違うユニークな『リーサル・ウェポン』風物語」を考えてみましょう。
嘉村 なるほど。
三葉 さて以上を踏まえて「案①」は……ズバリ!「『娘の結婚を前に落ち込んでいる中年刑事』と、『恋人にフラれて絶望している青年刑事』のバディもの」です。
嘉村 ほぉ!
三葉 「リーサル・ウェポン」と比較すると以下のようになります。
※中年の危機:ごく大雑把に言えば、「中年版の思春期」。詳しくは以下のサイト、もしくは第1回の記事をご参照ください。
三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……主人公は中年刑事です。彼は家庭では「よい夫、よい父」、職場では「よい刑事」。飛び抜けた才能を持っているわけではないが、「誠実」をモットーに真面目に人生を歩んできた。
嘉村 ふむ。
三葉 そんな彼がいま……人生に絶望している!原因は「1人娘の結婚」です。最愛の娘の結婚を前に、「オレの人生って一体何だったんだろう……」と思い悩み、何もかもが虚しく感じられるようになってしまったのです。
嘉村 なるほど。
三葉 一方、彼とタッグを組むのは20代後半の青年刑事。彼もまた……人生に絶望していた!彼は大学卒業後、とある情報機関に所属し、国内外の極秘任務に従事してきました。機密情報の収集はもちろん、他国の情報機関(CIAなど)と共に、敵国・テロリストに対する軍事作戦に参加したこともある。言うまでもなく文武両道であり、銃火器の取り扱いにも慣れている。ついでにイケメン。
嘉村 ほぉ……「名探偵コナン」に登場する赤井秀一か安室透かって感じのキャラですね。
三葉 さて、そんな彼には、学生時代から交際している恋人がいました。しかし、情報機関に所属してからはなかなか会う時間を作れず、また恋人と言えども話せぬことが少なくない。どうしたって隙間風が吹くようになる。
嘉村 ふむふむ。
三葉 「このままではいかん」と考えた彼は30歳を前に情報機関を退職し、刑事に転職した。これでようやく時間が作れる!彼女と結婚し、幸福な家庭を築こう!……と思った矢先に、彼は恋人が浮気していることに気づくのです。
嘉村 ははぁ……。
三葉 彼はショックを受ける「一体どうして……」。すると恋人は逆ギレして、「『どうして』じゃないわよ、このアホ男!私が風邪を引いた時も、クリスマスも、お父さんの還暦のお祝いの日も、実家で飼っていた犬が死んだ時も……いつもいなかったじゃない!10年以上も放っておいて今更何言ってんのよ!!」「しかし……」「『しかし』じゃないわよ!どうせ『世界平和のため』って言うんでしょ!だったら世界平和と結婚すればいいじゃない!私はそんなヒーローみたいな男は好きじゃないの!さよなら!!」。
嘉村 ふーむ……。
三葉 かくして、彼は失恋した。そして彼は荒れた。大いに荒れた。結婚を考えていた相手に裏切られていたわけですからね。彼が荒れるのも無理ないでしょう。彼は自暴自棄になり、捜査方法もじつに荒っぽくなる。すなわち、すぐに発砲する、容疑者を拷問にかける、武装集団相手に単身突撃する……まるで死に場所を求めているようだ。
嘉村 ふむふむ。
三葉 とまぁそんな2人が、ある事件の捜査でタッグを組み、次第に絆を深めていく。主人公は、青年の破天荒な言動に振り回される内に活力と冷静さを取り戻し、最終的には娘の結婚を心から祝福できるようになる。一方青年刑事は、主人公やその家族の温かみに触れることで生きることに前向きになる……そんな物語です。
嘉村 なるほど。
三葉 無論、捜査はそれぞれの強みを活かしたものになるでしょう。前半は主人公の「コツコツ型の捜査」、あるいは「人情型の捜査」で黒幕に迫っていく。そして後半になると、青年の「暴力的な捜査」で敵組織をぶち壊す……なんて具合ですね。
案②
嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。
三葉 はい。「リーサル・ウェポン」や「案①」に登場するのは「男性コンビ」ですが、もちろん「女性コンビ」が活躍する物語だってあり得る……「案②」は、女性2人組の物語です。
嘉村 ふむ。
三葉 すなわち……「『中年の危機を迎えたベテラン女性刑事』と、『恋人がクソ男だったと判明し、それ以来すっかり自暴自棄になっている若手女性刑事』のバディもの」!
嘉村 クソ男!
三葉 まずは、「リーサル・ウェポン」との比較表をご覧ください。
三葉 ストーリーをご説明しましょう。……主人公は、中年の女性刑事。彼女は、妻として、母として、そして刑事としてこれまでまっとうな人生を歩んできた。しかし、最近何もかもが虚しく思える。そう!彼女は中年の危機に陥っているのです。
嘉村 ふむ。
三葉 一方、相棒は若い女性刑事です。鋭い洞察力と、素晴らしい格闘センスを持つ文武両道タイプ。さらに美人。しかも名家出身。ところが……そんな彼女も人生に絶望していた!
嘉村 ほぉ。
三葉 上述の通り、彼女は才色兼備の素晴らしい女性です。しかし、1つ重大な欠点があった。すなわち……箱入り娘ゆえに世間知らずで、特に、男を見る目がなかった!
嘉村 ははぁ……。
三葉 大学卒業間近、彼女に初めての恋人ができます。誠実で頼り甲斐があり、彼女は夢中になる……が、じつはとんでもない男。
嘉村 なるほど。「浮気っぽい」とか……。
三葉 いやいや、そんな生ぬるいものではありません。彼は、いわゆる「半グレ集団」の幹部だったのです。
嘉村 犯罪者じゃないですか……。
三葉 ええ、犯罪者です。詐欺や闇金、売春をシノギとする集団。暴行や恐喝、性犯罪も日常茶飯事の犯罪者集団。その顔役です。そして彼は、彼女の実家の財産に目をつけ、口八丁手八丁で近づいてきたのですが……。
嘉村 ふむ。
三葉 ある日、彼女はそれに気づく。そして絶望する。処女を捧げた男がクソ野郎だったとは!
嘉村 うーむ……。
三葉 普通なら涙に暮れ、ショックのあまり自殺を図ったりする場面でしょうが……彼女は違う!彼女は生粋のお嬢様です。そして、お嬢様というのは一本筋が通っているものです。普段は温厚で慎ましやかでも、土壇場になると腹が座っている。
嘉村 ふむふむ。
三葉 剣道、空手、合気道の有段者である彼女は、右手に金属バットを持ち、左手の拳にバンテージを巻き付けると……クソ男らのたまり場を襲撃!そして、その場に居合わせた20人ほどの男たちに重傷を負わせる。
嘉村 ……彼女は刑事ですよね?
三葉 ええ、刑事ですね。
嘉村 いくら何でも刑事が殴り込みというのは……大変な不祥事ですね。
三葉 いえ、そこは名家出身の彼女です。彼女の実家と警察上層部が話し合い、首尾よく事件はもみ消される。
嘉村 ……なるほど。
三葉 かくして復讐は終えたのですが……それ以来、彼女はすっかり自暴自棄、そして男性不信になってしまったのです。
嘉村 まぁ、無理もないでしょうねぇ。
三葉 それまでのおしとやかな振る舞いとは打って変わって、口癖は「男なんてクソ野郎ばかり!」。毎日大酒を飲み、「男は滅せよ!」と叫ぶのが日課になっている。最近では、職場でこっそり酒を飲むこともある。
嘉村 完全にアルコール依存症ですね……。
三葉 また、捜査方法もメチャクチャです。怪しい男にはすぐにハニートラップを仕掛けようとする。
三葉 甘い言葉を囁き、男を篭絡する。しかし、ホテルや男の家に入ると態度は豹変。問答無用で激しい拷問が始まるのです。
嘉村 拷問……。
三葉 ええ。無論、性的な拷問ではありませんよ。例えば、ウォーターボーディングとか。
嘉村 「リーサル・ウェポン」のリッグス以上に過激ですね……。
三葉 とまぁ、「案②」は、そんな2人組の物語です。2人はタッグを組み、捜査を進める中で絆を深め、やがて名コンビになる。
嘉村 ふむふむ。
三葉 以上、「『リーサル・ウェポン』風物語」のアイデアをご紹介しました!
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(担当:三葉)
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