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日本のギャルが、フランスの美術界に旋風を巻き起こす話!!|『チャンス』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「チャンス」をベースに新しい物語を妄想します。

※「チャンス」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「チャンス」は、世間知らずで知的障害を抱える「愚者」が、ひょんなことから「賢者」と誤解されるコメディですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「チャンス」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて「案①」は……ズバリ!「『チャンス』 ~『ギャル』編」です。


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嘉村 ギャル!

三葉 「チャンス」と比較すると以下のようになります。


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三葉 「チャンス」は、「知的障害者」が「アメリカの政財界」で賢者と誤解されるコメディですが……。

嘉村 ええ。

三葉 「案①」は、「日本のギャル」が「フランスの美術界」で賢者と誤解されるコメディです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……主人公はギャルJK。と言っても、ただのギャルではありません。みなさんがご想像されているギャルの10倍アホで、100倍野性的なギャルです。

嘉村 ほぉ。

三葉 「GALS!」の寿蘭を2段階ほど進化させた「伝説のギャル」とでも言いましょうか……。


嘉村 なるほど。

三葉 ある日、主人公のギャル仲間が言います「嗚呼、フランス行ってみてぇなぁ!」。主人公が問う「アハハッ!フランスぅ?渋谷の方がよくねぇ?」「渋谷もいいけどさ、フランスってメッチャオシャレらしいじゃん?」。主人公の顔色が変わる「えっ、マジで!?」。「なんかイケてるらしいよ」「ほぉ。渋谷よりオシャレなの?」「噂によるとな」「マジかよ!」「……行くか?」「行くっきゃねぇだろうな!」「おっしゃ!」。主人公は仲間に声をかける「おぅ、今日暇?フランス行くぜ!なんか、成田とかいうところに集合でよろしくー!」。

嘉村 展開が早い……。

三葉 ギャル特有の行動力ですね。

嘉村 ふーむ。

三葉 比較的冷静な友人が尋ねる「フランスって……あんたら、フラ語しゃべれんの?」「ん?」「だって、フランスって日本語通じないよ?」「へぇ!そうなの?」「えっ……いや、たぶん……」「マジかー。まっ、問題ないっしょ!人類皆兄弟よ!」。かくして、主人公らはフランスへ旅立った。

嘉村 ふむふむ。

三葉 彼女らはアレコレやらかしながらもフランスを満喫し、数日後、帰路につく。そして……飛行機の中でふいに1人が気づいた「ん?あれ!?○○がいなくてね?」「そういやいねぇなー」「ヤッベ!ホテルに置いてきたかも」「マジで!?超うけるんですけど!」「うけるー!!」「まっ、大丈夫っしょ。いざとなれば、海を泳いで帰ってくるだろうし」「確かにー!」。

嘉村 ……酷いというか、仲間に対する信頼感が強いというか。

三葉 こうして主人公は1人、異国に取り残されました。ホテルのベッドで目を覚ますと、友人らの姿が見えない。主人公は爆笑する「ギャハハ!置いてけぼりにされたー!」。

嘉村 明るいですねぇ……。

三葉 すでに金は使い果たしてしまった。また、パスポートの入ったカバンは、友人らが持って帰ってしまった。主人公はホテルを追い出される。行く当てはない。街をうろつく。やがて「まっ、まずい。腹が減ってもう動けねぇ……」。へたりこむ。このままでは客死である!行旅死亡人である!

嘉村 ふむふむ。

三葉 そんな危機的状況の中……1人の男性が近寄ってきた。人品卑しからぬ紳士である。彼は、主人公にペラペラッと話しかける。フランス語である。主人公には理解できぬ。彼女は「ペラペラ言ってねぇで、何か食い物を寄越せよな!」と交渉する。……じつはこの紳士というのがフランス美術界の大物でした。彼は、主人公の斬新なメイクやファッション(実際にはただのギャルコーデですが)や、路上でのパフォーマンス(実際には腹が減って倒れていただけですが)、そして堂々たる態度(実際には図太いだけですが)を見て、「東洋の著名なアーティストに違いない」と誤解する。

嘉村 ほぉ。

三葉 ここからは誤解の連続です。例えば……主人公は、教科書の挿絵に落書きをする感覚で、美術館の絵や、街中に飾られている彫像に落書きをする。紳士はそれを見て感銘を受ける「まさにモダンアート!」。

嘉村 えー……。

三葉 あるいは……主人公はフランス語はもちろん、英語も満足に話せません。彼女が知っている英単語といえば、「GO」と「FUCK」と「KILL」だけです。

嘉村 お里が知れますねぇ……。

三葉 主人公は、誰かに話しかけられると「オッス!GO FUCKだぜ!」、何かを食べれば「コレうめぇな!FUCK KILL KILLだぜ!」なんて応じるものですから、「さすがはアーティスト!クレイジーだぜ!」とますます尊敬を集めていく。

嘉村 ははぁ……。

三葉 やがて、美大の教授がやってくる。美術館の館長も挨拶にくる。彼らは一様に、彼女の「アート」に感銘を受ける(実際には、寝て食べて、いたずらしているだけですが)。勲章を授与しようという機運も高まる。

嘉村 ふむ。

三葉 いまや、誰もが主人公に心酔していました……が、しかしたった1人だけ、「どうもおかしいぞ」と首をひねる人物がいた。

嘉村 ふむふむ。「チャンス」でいうところの、「医師(ランド氏の主治医)」の役柄ですね。

三葉 ええ、その通りです。「案①」では、美術館の学芸員ということにしましょう。彼は訝しんでいた「『アーティスト、アーティスト』とみんな彼女を持ち上げるけれど……本当はただの小娘ではあるまいか?」。彼は八方手を尽くし、やがて主人公の正体を知る。そして美術館の館長に進言しようとしますが……館長が、主人公の落書きを前にニコニコしているのを見ると、何も言えなくなってしまう「……まぁ、みんなハッピーなら敢えて水を差すこともないか」。

嘉村 なるほど。

三葉 そして、ラストシーン。このノリのまま、例えば大統領から勲章を授与され「へぇ、これをくれるって?マジで?メッチャキラキラじゃん!ありがとよ。FUCK!」なんて言って幕を閉じるのもいいでしょう。あるいは「チャンス」風に……「梅干しが食いてぇからさ、そろそろ帰るわ。じゃーにー♡」と空を飛んでいくなんてのも面白いと思うんですよね!


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案②」は、「『チャンス』 ~『武士』編」です。


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嘉村 武士!

三葉 まずは、「チャンス」との比較表をご覧ください。


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三葉 ご覧の通り、「江戸時代の武士」が「現代アメリカの政財界」で賢者と誤解されるコメディ……すなわち、タイムスリップものです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 神のいたずらか、未知の自然現象か、はたまたマッドサイエンティストの実験の影響なのか……ある日突然、主人公は江戸時代から現代アメリカへスリップしてしまう。ビル!自動車!スマホ!訳のわからにもののオンパレード。びっくり仰天である!……が、彼は武士です。肝が据わっている。すぐに落ち着きを取り戻す。

嘉村 ほぉ、さすがは武士。

三葉 主人公は、当てもなく街を歩きます。人びとは「大道芸人だろう」と勘違いする。しかし、彼の眉は凛々しく、目は澄んでいる。感情表現は抑制的で、所作は流麗で無駄がない。……何しろ、武士ですからね。

嘉村 武士万能説ですねぇ……。

三葉 そんな彼を見て、誰もが考えを改める「こっ、これはただの芸人ではない!本物のサムライに違いない!」。

嘉村 ふむ。

三葉 やがて彼は政財界の大物に出会い、ここでもその言動から「ただ者ではない」と誤解され、引き立てられていく。……これが「案②」のアイデアです。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『チャンス』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!



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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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