キャラの個性を活かした「インサイティング・インシデント」!!|『魔法科高校の劣等生』に学ぶテクニック
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本記事では、「魔法科高校の劣等生」に【素晴らしい「インサイティング・インシデント」の描き方】を学びます。
※「魔法科高校の劣等生」については、別記事でも研究しています。詳細は、記事末尾の「関連記事」欄をご参照ください。
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「物語の真の始まり」はどこか?
「魔法科高校の劣等生<入学編>」(第1~7話)は、達也と深雪が第一高校に入学するところから始まります。
▶ 達也:本作の主人公。チート能力者。
▶ 深雪:達也の実妹。達也は4月生まれ、深雪は翌年3月生まれなので、兄妹ながら学年は同じ。
しかし、「物語の真の始まり(= 三幕構成で言うところの『インサイティング・インシデント』)」は、達也が風紀委員会に加入するシーンでしょう。
というのも、もしも達也が風紀委員になっていなければ……
▶ 達也が、皆の前でスーパーパワーを発揮することはなかった
▶ したがって、テロリスト「ブランシュ」から目をつけられることもなかった(「ブランシュ」は達也のスーパーパワーに目をつけ、彼を仲間に引き込もうとした)
▶ また、第一高校の幹部(生徒会、部活連、風紀委員の面々)と親しくなり、彼らから頼りにされることもなかった
つまり「魔法科高校の劣等生<入学編>」はもちろん、その後の物語(九校戦編、横浜騒乱編)も、達也の風紀委員就任が起点となっているのです。
※注①:「魔法科高校の劣等生<入学編>」のストーリーなどについては、こちらの記事をどうぞ → テロリストの甘い言葉にご用心!!|『魔法科高校の劣等生』に学ぶテクニック
※注②:三幕構成について詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ → シド・フィールドの「三幕構成」をバッチリ説明するぜ!!
達也が、風紀委員会に加入した経緯
しかしですね、じつは当初、達也は風紀委員会に加入することに前向きではありませんでした。
はて、それでは一体全体なぜ加入することになったのか?
経緯を整理しました。達也と深雪の言動に注目しながら、ご覧ください。
※以上、第1話終盤~第3話序盤のエピソードを整理したものです。
キャラの個性を活かした「インサイティング・インシデント」!!
ご覧の通り、ポイントは「深雪のブラコンっぷり」と「達也のシスコンっぷり」です。
・1:深雪が、「兄は私よりも優秀です」と達也を生徒会に推薦(ブラコン深雪)
・2:しかし、生徒会には加入できない。代わりに摩利が、風紀委員会に勧誘
・3:話を聞いた服部が、「二科生には無理だ」と達也を侮辱
・4:それに対して深雪が、「兄は実戦なら誰にも負けません!」と抗弁(ブラコン深雪)
・5:一方、服部は深雪を諫めた(= 侮辱した)
・6:今度は、達也が激昂(シスコン達也)
・7:かくして、達也と服部が対戦
・8:達也が勝利し、風紀委員会に加入することになる
これ、「深雪 = ブラコン」「達也 = シスコン」というキャラの個性を活かした素晴らしい「インサイティング・インシデント」ですよね!
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(担当:三葉)
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