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異世界は「ヤバい女神」とともに!!|『ターミネーター2』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「ターミネーター2」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ターミネーター2」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「ターミネーター2」は、少年の護衛を命じられたアンドロイドが、少年との交流を通じてやがて「人間の気持ち」を理解できるようになる物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『ターミネーター2』 ~『刑事と女児』編」、「『ターミネーター2』 ~『筋肉ダルマと陰キャ』編」でした。


案③


三葉 まずは、「ターミネーター2」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 それからもう1つ、前回ご紹介した以下の図もご覧ください。


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三葉 さて、以上を踏まえて「『ターミネーター2』をリスペクトした物語」を考えていきましょう!

嘉村 承知しました。

三葉 「案③」は……ズバリ、「『ターミネーター2』 ~『ヤバい女神と異世界転生者』編」です。


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三葉 ストーリーをご紹介しましょう。物語は、若い男性(以下、Aくん)がトラックに轢かれて死ぬところから始まります。Aくんが目を覚ますと……おお、女神がいる!それも、目がくりくりで、やたらキュートな女神だ!

嘉村 ほぉ。

三葉 Aくんは辺りを見回しながら「えっと、ここは一体……?」。次の瞬間、女神が土下座した「申し訳ありません!」。女神曰く、手違いでAくんを殺してしまったとのこと。彼女は涙をこぼした「私、新人女神で……ううっ」。Aくんは困惑する「そんな……泣かないでくださいよ」。彼は、女性の涙には滅法弱いのです。

嘉村 なるほど。

三葉 Aくんは考える「あの、えーと……」。そして閃いた「そうだ!異世界に転生させてくださいよ!」「転生……?」「そうそう!それでチャラってことにしましょう!」。女神が涙をぬぐう「それでいいんですか?」「もちろん!」。女神が微笑んだ「お優しいんですね」。Aくんはドキッとする。じつにチャーミングである!

嘉村 ふむ。

三葉 Aくんはおずおずと切り出しました「あの……」「何でしょう?」「えーと……」。Aくんは勇気を振り絞る「右も左もわからぬ異世界です。オレ1人では心許ない。もし可能でしたら……3か月でも半年でもいいんです!一緒に来ていただけませんか?」。女神は目を見開いた。Aくんが慌てて付け足す「いや、あの、無理なら無理と言ってくださいね!オレ、全然平気ですから。ハハッ。ハハハッ!」。Aくんは、内心落ち込む。オレはいつもこうだ。女性を前にすると腰が引ける。だからいまもって童貞なんだよ……。

嘉村 うーむ。

三葉 しかし……文字通り、女神が微笑んだ「はい!私でよければ」「……えっ!?いいんですか?」「ええ。せめてものお詫びとして、お付き合いさせていただきます」。Aくんは小さくガッツポーズする。やった、やった!こんなかわいい女神と2人旅だなんて……ふふっ!オレ、マジで死んでよかったぜ!

嘉村 なるほど。

三葉 こうして、Aくんと女神の異世界2人旅が始まりました。Aくんは、当初ウキウキだった。ところが……すぐにトラブルが発生する。トラブルの原因は女神です。この女神、「人間の心」や「感情」を一切理解していなかったのです。

嘉村 ほぉ……というと?

三葉 例えば、彼女には「家族愛」や「兄妹愛」がわからない。兄と妹が親しくしているのを見ると、「あっ、あっ、あり得ない!近親愛なんてあり得ない!重罪です!」とショックを受け、天罰を下そうとする。

嘉村 ははぁ……。

三葉 あるいは、何か揉めごとが起こると、すぐにどちらか一方を殺して解決しようとする。

嘉村 ふーむ。

三葉 しかも厄介なことに、彼女は女神。常人離れしたパワーを持っている。

嘉村 つまり、「ターミネーター2」のT-800同様、「スーパーパワーの持ち主だが、『心』が欠落している」というわけですね。

三葉 ええ、その通りです。しかし……幸運なことに、Aくんは面倒見のいい男です。彼は「この駄女神め!」と嘆息しつつも、懇切丁寧に彼女の世話をした。その甲斐あって、女神は次第に「人の気持ちを理解できる素晴らしい神」に成長していく。……これが「案③」のアイデアです。


案④


嘉村 続いてまいりましょう!

三葉 はい。「案④」は……「『ターミネーター2』 ~『サムライ、民主主義を学ぶ』編」


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三葉 「ターミネーター2」にしろ、ここまでご紹介してきた「案①」「案②」「案③」にしろ、主人公に欠けているのは「人間らしい温かな心」。そして物語が進む中で、彼は「温かな心」を獲得・回復していきます。

嘉村 ええ。

三葉 しかしね、「『人間らしい温かな心』以外のもの」を獲得・回復する物語だっていいと思うんですよ。

嘉村 ほぉ……どういうことでしょう?

三葉 すなわち、時は幕末。とある藩でクーデターが発生した。殿(大名)につき従う者は、必死に抗戦しました。しかし、多勢に無勢。やがて追い詰められる。一同死を覚悟した。

嘉村 ふむ。

三葉 殿の1人息子(以下、Bくん)も、当然切腹するつもりでした。しかし……殿がそれを止めた「お前は生き延びよ」。

嘉村 ふむふむ。

三葉 「お前は若く、賢い。腕も立つ。だが、まだまだ修行が足りぬ。よいか、世界を見てこい。十分に学ぶのじゃ。そしていつか、ワシの代わりに民を治めておくれ」。Bくんは抵抗します「そんな……父上と共に死なせてください!」。しかし、殿は承知しない。殿は、側近に合図を送った。側近は小さく頷き、Bくんのみぞおちに一撃。Bくんは意識を失う。その後、Bくんは側近に連れられてそっと城を抜け出し、そのまま船に乗せられた。

嘉村 なるほど。

三葉 しばらくの間、小島に身を潜めようという計画でした。ところが……嵐がやってきた!船が難破する。Bくんは1人ぼっちで漂流。そしてしばらくして、彼は漁船に救助されました。

嘉村 それはよかった!

三葉 しかし……一難去ってまた一難。Bくんを救助したのは、アメリカの漁船だったのです。

嘉村 おー。

三葉 言葉が通じぬ。文化も風習もまったく異なる。Bくんは困惑します。だが、すぐに腹をくくった「よし。アメリカとやらで見聞を広めてやろう」。かくしてBくんは、アメリカの土を踏みました。

嘉村 なるほど。

三葉 ちなみに……当時のアメリカは西部開拓時代。西部劇でお馴染みの世界ですね。一切の土地勘を持たぬBくんは、そこで1人の浮浪児の世話になります。「浮浪児」の代わりに、「売春婦」でも「インディアン(ネイティブ・アメリカン)」でもいいのですが……とにかく、そういった「虐げられた者 = 社会的な弱者」の世話になる。

嘉村 ふむふむ。

三葉 Bくんは浮浪児から施しを受け、当面の衣食住を得た。それに対して、Bくんは言った「拙者、この御恩は決して忘れぬ」。かくして一宿一飯の恩義に報いるべく、彼は剣を抜いた。そして見事な剣さばきで、西部の荒くれ者を切り伏せる。

嘉村 ふむ。

三葉 その一方で、Bくんは浮浪児から様々なことを学んでいきます。例えば「民主主義」。あるいは「自由」。もしくは「平等」や「女性の権利」。いずれも、当時の日本には馴染みのない概念です。

嘉村 あー、そうか!つまり「案④」では、「人間らしい温かな心」の代わりに、「民主主義」や「自由」という概念を獲得するわけですね。

三葉 ええ、その通りです。そしてBくんはやがて日本に戻り、明治新政府を支えることになる。……これが「案④」のアイデアです。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『ターミネーター2』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 「ターミネーター2」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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