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もしも「筋肉ダルマ」が、陰キャのボディーガードをすることになったら!!|『ターミネーター2』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「ターミネーター2」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ターミネーター2」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「ターミネーター2」は、少年の護衛を命じられたアンドロイドが、少年との交流を通じてやがて「人間の気持ち」を理解できるようになる物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「ターミネーター2」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さて、ここまでアレコレ申し上げてきましたが……結局のところ、「ターミネーター2」は以下のように整理できると思うんですよ。


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嘉村 なるほど。

三葉 そしてここまで抽象化してみると……いかがでしょう。世の中には、「ターミネーター2」に似た作品がたくさんあることにお気づきになった方もいらっしゃるかと思います。

嘉村 ほぉ。

三葉 例えば……映画「ドラえもん のび太と鉄人兵団」


嘉村 あー、リルルですね!


三葉 ええ、その通りです。リルルは、ロボット惑星メカトピアから地球にやってきた少女型アンドロイド。彼女の使命は、地球人を奴隷にすることです。

嘉村 ふむ。

三葉 しかしのび太やしずかちゃんと出会い、交流する中で、彼女の中に「人間らしい温かい心」が芽生えた。そして「祖国への忠誠心」と「人間の心」の間で苦しみ……最終的には、自らの命を賭して地球人を守るのです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 「ターミネーター2」も「ドラえもん のび太と鉄人兵団」も大人気作品です。ここから推測するに……おそらく私たちは、「『人にあらざる化け物』が、『弱き者』と交流し、人間の心を手にする物語」が大好きなんでしょうね。

嘉村 あー、確かに。そういったタイプの作品って、思わずうるっとしちゃうんですよね。

三葉 そうそう。

嘉村 なるほど。

三葉 それでは以上を踏まえて、「『ターミネーター2』をリスペクトした物語」を考えていきましょう!「案①」は……「『ターミネーター2』 ~『刑事と女児』編」です。


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三葉 物語は、とある女児とその母が、偶然殺人事件を目撃するところから始まります。

嘉村 ふむ。

三葉 警察はすぐに捜査を開始。間もなく、宗教法人Aの教祖が関与していることが明らかになりました。刑事たちに緊張が走ります。というのも、Aは熱烈な信者を多数抱えるカルト教団。教祖を守るためなら、命を投げ出す信者も少なくないはずだ。……女児と母が危ない!

嘉村 なるほど。

三葉 刑事らは、慌てて護衛に向かいましたが……時すでに遅し!母は殺されていた。

嘉村 あー……。

三葉 一方、女児は幸いにも無事でした。しかし、彼女もいつ狙われるかわかりません。かくして、警視庁随一の武闘派・Z刑事に指令が下った「命を賭けて女児を護衛せよ」。

嘉村 ふむふむ。つまり、このZ刑事というのが「案①」の主人公ですね?彼は「ターミネーター2」のT-800同様、パワーはあるが、人間らしい心を持っていないわけだ。

三葉 ええ、その通りです。Z刑事のニックネームは「桜田門のターミネーター」。彼はアメリカ海兵隊やCIA、FBIでキャリアを積んだ最強の刑事です。

嘉村 ほぉ。

三葉 しかし……いかんせん「心」を失っていた!かつて凶悪な犯罪者に妻子を殺されて以来、心を閉じてしまったのです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そんな彼が、「か弱いながらも、善良な心を持つ女児」と出会い、彼女を警護し、そして交流する中で、人間らしい心を取り戻していく物語……これが「案①」です。

嘉村 なるほど。


案②


嘉村 続いてまいりましょう!

三葉 はい。「案②」は……「『ターミネーター2』 ~『筋肉ダルマと陰キャ』編」


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三葉 物語は、不良高校生のAくんが闇討ちに遭い、ボコボコにされるところから始まります。

嘉村 ほぉ。

三葉 そこに偶然通りかかったのが、陰キャ。陰キャは目を丸くしました「あそこで殴られ、そして蹴られているのは、クラスメイトのAくんじゃないか!不良同士の喧嘩だろうか?しかし……それにしてもやりすぎだ!Aくんは血ヘドを吐いている!このままでは殺されちまう!」。

嘉村 ふむふむ。

三葉 陰キャはビビりながらも機転を利かせ、「けっ、警察が来たぞー!」と声を上げた。Aくんを殴っていた連中は舌打ちし、姿を消した。

嘉村 ふむ。

三葉 そして翌朝の教室。Aくんが、陰キャに声をかけました「よぉ。昨日は助かったぜ」。Aくんは、体中に包帯を巻いています。「とっ、登校して大丈夫なの!?」「これくらい屁の河童さ……と言いたいところだが、ヘヘッ。正直死にそうだよ」「そっ、早退した方がいいよ……」「ああ、そうするさ。しかしその前に、お前に言いたいことがあってな」「言いたいこと?」「ああ。ちょっとツラを貸してくれよ」。

嘉村 ほぉ。

三葉 Aくんは、陰キャを校舎裏に案内しました。陰キャの心臓が早鐘を打つ。何しろ、彼は陰キャです。校舎裏……嫌な予感しかしない。

嘉村 うーむ。

三葉 Aくんは、必死に自分を落ち着かせます。……だっ、大丈夫さ!だって、僕はAくんの恩人だよ?カツアゲされたり、ボコられたりするはずがないじゃないか!

嘉村 まぁ、確かに。

三葉 そもそもAくんは不良だけれど、そんじょそこらの不良ではない。わが校の番長だと聞く。番長と言えば、男の中の男。人の道を踏み外すようなヤツじゃないさ……たぶん。大丈夫……だと思うんだけれど……。それとももしかすると、「昨日は助けてくれてありがとよ。ありがとついでに、経済的にも助けてくれると嬉しいんだがなぁ。おぅ!黙ってないで、ポケットの中のものを全部出しな!」なんて展開もなくはない……のか!?

嘉村 ふむふむ。

三葉 さて、校舎裏で主人公を待っていたのは……筋肉ダルマでした。

嘉村 筋肉ダルマ……?

三葉 高校生とは思えぬ巨体に、バケモノじみた相貌。明らかにただ者ではない!陰キャの目にじわっと涙が浮かぶ「えっ……えっ!?」。それを見て、Aくんが笑った「おぅ。オメェ、もうちょっと愛想よくできねぇのかよ」。化け物が頭を下げた「すいやせん」。

嘉村 ほぉ……。

三葉 Aくんが事情を説明してくれました。曰く、「改めて礼を言うぜ。昨日はありがとよ。そして、先に謝っておくぜ。すまねぇ」「えっ!?」「じつはな、昨日オレを襲ったのはZ高校の連中だ。Z高校って、わかるか?」「えーと、確かうちとは不仲だって聞いたことがあるけれど……」「その通りだ。連中はオレを憎んでいた。しかし、真っ向勝負では勝ち目がねぇ。だから闇討ちってわけで、昨日オレは襲われたんだが……まぁ、それはいい。問題は連中の憎しみが、いまやオレではなく、お前に向いているってことさ」「……えっ」「つまりな、昨日、お前は機転を利かせて『警察だ!』って叫んだな。あれが嘘だってバレたんだよ。Z高校の連中は、いま血眼になってお前を探しているよ」。主人公の顔から血の気が失せる。

嘉村 なるほど。

三葉 Aくんが続けた「本来なら、オレがボディーガードを務めたいところだが、ホレ、このザマだ。お前を助ける力はねぇ。そこで、コイツを紹介しよう」。筋肉ダルマがぺこりと頭を下げた。「見ての通り、こいつは強ぇ。口下手で、笑いのセンスがないのが玉に瑕だが、喧嘩の腕は一流だ。1年坊主ながら、オレの右腕と言っていい」。主人公は密かに仰天する。年下だったのか……。

嘉村 ふむ。

三葉 「今日から、コイツがお前のボディーガードだ。24時間、きっちりお前を警護する」「えっ……24時間!?」「命に代えてもお前を守るよう命じてあるから、安心してくれていいぜ」「……」。

嘉村 ふむふむ。

三葉 こうして、「スーパーパワーの持ち主だが、どうにも人間味を欠く【筋肉ダルマ】」と、「非力ながらも、善良な心を持つ【陰キャ】」が行動を共にすることになりました。そして筋肉ダルマは、陰キャと過ごし、彼を護衛する中で、次第に人間の心を取り戻していきます。最終的には、Aくんをして「オメェ、男を上げたな。いまのオメェになら、番長格を譲ってもいいぜ」と言わしめるほどの男に成長する。……これが「案②」のアイデアです。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『ターミネーター2』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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