【21年秋アニメ研究】「見える子ちゃん」の分析【1:鑑賞者の体験の分析】
※本記事では、2021年秋アニメ「見える子ちゃん」の第1話を分析します。
本記事全体のまとめ
※本記事全体をレポート形式にまとめました。本記事後半の文章と同内容ですが、レポート形式の方が見やすいと思います。お勧めです!
鑑賞者の体験の分析
本話を鑑賞した複数のアニメファンの感想を整理・類型化した。本話が鑑賞者に対してどのような<体験>を提供したのかを把握するのが目的である。
▶コンセプト(必死に平静を装う主人公を愛でよ)
・本作は、【主人公はクールな感じの女子高生 → 彼女は霊が出現しても顔色一つ変えない → だが実際には猛烈に恐怖しており、心の中では悲鳴をあげたり、涙目になったりしているのだった】という作品。
・<一見するとクールだが、じつは大いに取り乱しており、必死にポーカーフェイスを作っているだけだった>という主人公が大変かわいらしい。本作は、そんな彼女を愛でる作品と言えるだろう。
▶コンセプト(見えていないふりをしてやりすごすという新しさ)
・幽霊や妖怪を描いた作品は数あれど、<主人公が見えないふりをしてやりすごそうとする>というのは目新しいのではないか。じつにユニークで惹かれた。
・一方で、どうしたって<出オチ感・一発ネタ感>が強い。ゆえに、次話以降がどうなるのか不安を感じた。このまま見えていないふりをし続けるだけでは、さすがに無理があると思うのだが……。
▶エロ描写(エロ成分多め)
・本作はエロ成分多め。
・特に、主人公の尻や太ももを舐めるように描くフェチっぽいカメラワークが目立った。また、<主人公がトイレでパンツを下ろすシーン>がしっかり描かれているのも印象的である。
▶エロ描写(エロと縁遠いキャラだからこそエロい)
・本作の主人公はクールな女子高生であり、身持ちは堅そうだ。間違っても性に奔放な印象はない。そんな彼女の尻や太もも、あるいはパンツがじっくり描かれる……おお、この背徳感!まるで覗き見でもしているかのような感覚!本作がじつにエロティックに見えるのは、こうした感覚ゆえだろう。
▶エロ描写(見えそうで見えない子ちゃん)
・上述の通り、本作はエロ成分多めであり、特に主人公の尻や太ももは入念に描かれている。だが、パンチラシーンはない。彼女は決してパンチラしないのだ。
・というわけで、少なからぬ鑑賞者が「これでは『見える子ちゃん』ではなくて、『見えそうで見えない子ちゃん』じゃないか!(笑)」なんてダジャレめいたことを感じたはずだ。
・制作者がどこまで意識していたかわからないが……これ、「ダジャレを誘発する面白い仕掛けだ」と思った。
▶エロ描写(こだわり)
・<客寄せのためにとりあえずエロを入れておきました!>という感じの安っぽいエロシーンほど辟易するものはない。私は元々エロシーンがあまり好きではないので、なおさらそう思う。
・しかし本作は違う。確かにエロ成分は多めだが、しかし上述の通り、強いフェティシズムが感じられる。だから嫌な感じはしない。むしろ、「よくぞここまでこだわったものだ」と嬉しくなってくる。
▶エロ描写(エロの力)
・私はホラーが苦手なので、「最後まで見られるだろうか?」と不安を感じていた。しかし、いざ見始めるとエロシーンの連続。そしてエロを追いかけている内に無事ホラーシーンを乗り越え、最後まで楽しめた。エロは偉大だと思った。
▶エロ描写(エロが邪魔)
・冒頭シーンから中盤まで、不穏な出来事が繰り返し描かれる……いかにもホラー作品らしい出だしである。気分が盛り上がってくる。そして、ついに霊が登場!グロテスクなデザインがとてもよかった。
・……がしかし、あまりにもエロシーンが多すぎる!エロが気になってホラーに集中できない。これではホラーではなくてエロ作品だ。私は本格的なホラー作品を期待していたので、ちょっとがっかりしてしまった。
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