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エッセイ・コラム

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#コラム

弔いのことばを見つめて

弔いのことばを見つめて

有名人が亡くなったときには多くの人がお悔やみのコメントを寄せる。関係者はもちろん、今の時代ではファンもコメントを発信できる時代だ。
以前記したように人が亡くなったときにはその人の真価が出る。残された側が故人に対して適切なお悔やみができるかどうかは、故人との関係性の深さや愛着に依存するところがある。
先に触れた有名人であれば、出演している作品や手がけたコンテンツに愛情を持っていた人ほど、「弔いのこと

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世のためではなく、ただ溜飲を下げるために

世のためではなく、ただ溜飲を下げるために

コロナコロナと世の中で騒ぎ始めて、かれこれ2年くらいが経った。
だれもが「いつかそのうちには収まるだろう」と思っていたが、結局収まることもなくいまや「ウィズコロナ」の真っただ中である。

政治家がああだこうだと「お願い」という名の命令をしてくるのにすっかりひとびとは辟易として、「またやってるよ」と呆れて聞く耳をほぼ持たなくなっている。

政治家が言行一致していないことは今に始まったことではないが、

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信じきるものがないと不幸なのか

信じきるものがないと不幸なのか

以前、ある友人から一冊の本を紹介された。
吉田満氏が著した「散華の世代から」というものだ。

そのなかに、こんな一節がある。高校生が「(特攻隊は)是非はともかく、信じ切って何かに当って砕けた青春をふと羨ましく感じた」と言ったことに対する返答だ。

この一節について、その友人は「この本に触れた当時の僕は、高校生の『信じるものを以て生き抜けたことが羨ましい』という感覚に、正直共感したところもあった」と

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日経をめぐる報道がちらほら、な件

日経をめぐる報道がちらほら、な件

最近、日本経済新聞社をめぐるネガティブな報道がちらほら出てきている。

FACTAの「日経新聞「看板記者」が続々退社/中堅記者にあらゆる仕事の皺寄せ/追い詰められ病院に駆け込むぐらいなら……」(https://facta.co.jp/article/202204037.html)や、文春の「日経新聞の危機 依願退職53人、ハラスメント相談30件」(https://bunshun.jp/denshi

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きっかけに出会うかどうかはギャンブルみたいなもので

きっかけに出会うかどうかはギャンブルみたいなもので

昔、「輪る(まわる)ピングドラム」というアニメ作品があった。

そのなかで、

「きっと何者にもなれないお前たちに告げる!」

というセリフがあった。

「きっと何者にもなれないお前たち」というのは、ほかでもなく市井に生きる私たちの事である。当時、アニメを見ている私たちに対して語りかけているのか、と子供ながらに思っていた。

大人になってごく普通の生き方をしていると、子供の時のような日々の感動はい

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仕事が面倒くさいのは当たり前

仕事が面倒くさいのは当たり前

「仕事が面倒くさい」というのは当たり前なのではなかろうか、という風に最近思うようになった。

世の中にはいろんな仕事があるが、その本質はいってしまえば「アウトソーシング」にあるのではないかと思う。
つまり、「自分でやるのが面倒くさいから誰かやってほしい」と思うものが仕事になっているということだ。

商社で考えてみればわかりやすい。
商社がしている仕事を簡単に言うと、間を取り持ってマージンを受け取る

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ことごとくピントをずらし続けている人たち

ことごとくピントをずらし続けている人たち

ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、ネットはいろんな意見が盛り上がっている。

極端に右寄りの人の一部は「ロシアは悪くない!ウクライナはDS(ディープステート)の傀儡だ!」などといっているようで、よくわからない。
極端に左寄りの人の一部はウクライナに心を寄せるのだが、日本が国防に力を入れることやウクライナに武器を送ることには断固として首肯せず、よくわからない。

そういえば、なぜこういう人たちは、しっ

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地震の予言が外れたら安心をするけれど

地震の予言が外れたら安心をするけれど

例えば、うさんくさい予言者が「来年のいつ頃に地震が起きる…」と予想をしたとき、我々は信じるか信じないかは別として、その日を意識してしまうものだ。

大体、そういう予言は当たらないと相場は決まっているのだが、そういう予想が外れた時に「よかった」と思っている自分がいたりする。

では逆に、うさんくさい予言者が「あした買った宝くじが当たるでしょう…」と予想をして喜々として宝くじを買ったとしよう。

大体

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