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エッセイ・コラム

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2022年2月の記事一覧

「戦争反対!」で戦争がなくなるわけもなく

「戦争反対!」で戦争がなくなるわけもなく

ウクライナを巡る状況が緊迫している。毎日めまぐるしく情勢を伝えるニュースが入るなか、たった一週間で世の中でいわゆるリアリズムの論調が跋扈するようになった。

自分の国は自分の国の軍隊で守るべきだとか、そのために軍事費をあげるべきだとか、ウクライナ情勢の帰趨は将来の台湾・日本の姿と同じだとか、さらには日本の核武装を検討すべきだとか、挙げてみればキリは無い。

日本ではかれこれ75年以上、戦火が我々の

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電車でスマホをみて笑うひとと距離を置く心理

電車でスマホをみて笑うひとと距離を置く心理

電車に乗った初めての記憶を思い返してみる。

あれはたぶん小学校に行く前、少し大きな病気をして遠くの病院にまで通っていた時である。長らく中央線に揺られていた。

当時の私は電車に乗るやいなや、猛烈な勢いで靴を脱いで窓から見える外を見ていた。今みたいに電車が静かに走るわけでもないから、すれ違う時なんかは結構な音が鳴る。外を見るのに夢中な私は、電車同士がすれ違った時のその爆音にいたく驚いて、次こそはび

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「きれいなおねえさんは、好きですか。」 そりゃ好きだ

「きれいなおねえさんは、好きですか。」 そりゃ好きだ

「きれいなおねえさんは、好きですか。」

むかし、そんなキャッチコピーがあった。

でもよく考えると、普通の男なら「そりゃそうだろ」と思うに決まっている。男性はもちろん女性もそうだろう。

きれいなおねえさんには憧憬を抱くのが自然である。嫌いだという女がもしいるのであれば、そいつは単に僻んでいるだけで取るに足らない人間性しか持ち合わせていないから考慮に値しない。

では、「きれいなおねえさん」とは

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好きなことで、生きていく

好きなことで、生きていく

YouTubeの広告で「好きなことで、生きていく」というものがある。

一見すると実に美しい言葉だ。好きなことをして金をもらって生きていくことができるのだ。

しかし、これは当たり前の話だが「嫌なことをしなくていい」というわけではない。

あくまで、「仕事で好きなことができるときがある」という意味である。

好きなことをして生きているというと羨ましがられることがある。

私も銀行員という面倒くさい

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大体、自分でやるのはムズい~ちょうちょ結びができなかった私~

大体、自分でやるのはムズい~ちょうちょ結びができなかった私~

幼稚園のころのわたしはちょうちょ結びができなかった。当時、困った私は、

「せんせい、ちょうちょむすびおしえて!」

と言って、自分の靴ひもを結んでもらうことにした。しかし、私はちょうちょ結びのやり方を学ぼうという気は全くないし、ほとんど人の話を聞いていない時代である。

先生は私の靴の紐をちょうちょ結びしてくれたのだが、私が結んでもらえたことに満足して「だいじょぶだ」などと意味不明なことを言って

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「太陽の季節」のおわり

「太陽の季節」のおわり

私の職場には、「ピー」とか「ポ―」とかやけに耳に残るアラートらしき音とともに共同通信の速報ニュースを読み上げてくれる、通称「ピーコ」というサービスが導入されている。うち、特に大きなニュースは読み上げる前に「キンコンキンコン」と学校のようなチャイム(通称ビッグ・ベン)が鳴る。

ふだん、キンコンとチャイムが鳴ることはない。レベル的には安倍首相辞任とか、緊急事態宣言発出とか、9.11とかのニュースで鳴

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