大橋 香穂子

欧州のどこかの島在住。特別なスキルがあるわけでもないけれど、自分がより心地よく生きられ…

大橋 香穂子

欧州のどこかの島在住。特別なスキルがあるわけでもないけれど、自分がより心地よく生きられる場所を探して海外へ。のんびりやってます。

最近の記事

戦略的ひとやすみの末…

「あ、当たった。」 2021年2月初頭、まだ寝ぼけた頭で休日の朝というよりは昼に近い時間帯にメールをチェックしていたら、数日前に応募した2021年前期のYMS(イギリス版ワーキングホリデーのようなもの)当選の知らせが届いていた。 約2年ほど前、日本で働いていた会社を退職、転職してマレーシアにやってきた。その後の私は何となく、ずっとひとやすみモードだった。次にやりたいことも特になく、正直『海外で仕事をする』という目標をひとまず達成したことでとりあえず満足してしまったというこ

    • 何かを始めてみようと思うまで

      マレーシアに来て、1年以上たった。その間ずっと新しいことを始めようと思えなかった。 「いつか海外で働いてみたいなあ」という漠然とした目標を持って働き始めて2年半、去年の8月に転職してマレーシアで働き始めた。 お給料は少なくなったけど、日本で働いていた時より時間に余裕があるので何か始めるのもいいかも…と来馬するまでは考えていたが、本当に最近まで全然何か新しいことを始めようと思えなかった。 理由は多分、マレーシアに来ること、初めての転職がそもそも私にとっては新しい何かだった

      • パン屋でチキンフロスと出会う

        パンが好きだ。 日本にいた頃から、パン好きでよくパン屋に通っていた。以前住んでいた家の近所には個人経営のパン屋さんがあり、仕事が早めに終わった日は帰りにパンを買って帰っていた。甘いものからお惣菜系までそろったそのパン屋さんで1番のお気に入りは食パンだった。 マレーシアに来てからもパン屋によく行く。Lavenderというチェーン展開しているパン屋さんがお気に入り。甘いものから惣菜系、ハードものまで揃っているが、私が衝撃を受けたのはチキンフロスパンである。(写真の真ん中の木屑

        • 自分をリセットできる髪型

          先日、2ヶ月半ぶりに美容院に行った。マレーシアに来てからは初めて。 海外に来るにあたり、臆病な私は出国前に行きつけの美容院で「3ヶ月くらい髪の毛を切れなかったとしても、どうにかまとまるようにして下さい。」と頼んだ。 前下がりボブのスタイルは、髪が伸びてくるとシルエットが変わりやすい。日本にいた時は1ヶ月半に1度は美容院に通っていた。 前回はいつも担当してくれていた美容師さんが海外に行くことを考慮して、いろいろと工夫をしてくれたおかげで2ヶ月半もった。 しかし、その際に

        戦略的ひとやすみの末…

          朝5:30のアザーン

          今朝、変な時間に起きてしまった。 昨日はベッドの上で本を読んでいて、目が少し疲れたから休もうと目を閉じたら寝てしまった。19:00前だったと思う。 そして、明け方変な時間に目が覚めた。お腹も空いている。 今の家に住み始めて2ヶ月。正直全然気が付かなかったのだが、毎朝の5:30頃、近くのモスクからアザーン(礼拝に合わせて流れる合図)が流れているらしい。それも結構大きな音で。近所に住んでいる会社の人との会話の中で知った。 しっかり睡眠を取れているということで間違いないのだ

          朝5:30のアザーン

          夜の高速道路

          日本を出る直前、週末の度に友人が日帰りでさまざまな場所に連れて行ってくれた。 新卒で働き始めた年から九州に住み始めて2年と少し、転職して海外に行くことを決めた。いつか行こうと思って行っていなかった場所がいくつかあり、車を持っていない私のために運転手をかってでてくれたので私はお言葉に甘えることにした。 九州はドライブコースが充実していて、友人はドライブも兼ねて日帰り旅行のプランを立ててくれ、私はその時初めてドライブの楽しさを知った。特に気に入ったのは夜の高速道路。 いくつ

          夜の高速道路

          お気に入りのスープ

          『今日のスープ』がレジの上のボードに書かれたカフェが職場の近くにある。 私はそこのスープが好きで、週に一度はランチで食べに行く。大抵、ボリューム満点のサンドウィッチと『今日のスープ』の2種類のうちの1つを選ぶ。 でも、実は私は知っている。本当は『今日のスープ』は今週のスープなのだ。 毎朝出勤する際に店の前を通るので、初めてお店を訪れた後しばらく今日のスープのボードをチェックしていた。1週間変わらず、キャロットスープとチキンスープだった。その適当さ加減が好きだ。 ちなみ

          お気に入りのスープ

          常夏の国

          マレーシア クアラルンプールに来て、そろそろ2ヶ月になる。 毎日最高気温は30度越え。日本の季節が夏の間にマレーシアに来たので季節のズレを感じることなく過ごして来たけれど、そろそろ日本は秋へと季節が巡っているのだろうなと思うと不思議な気分になる。 私より在馬歴の長い方々がおっしゃるに、このまま気がつけば年が明けるらしい。今のところ、完全に未知の感覚だ。 季節の移り変わりというのは、過去の出来事を思い出す時の鍵になる。例えば、何かを思い出そうとする時、そういえばあの時は寒

          約束より早く

          7月31日の朝9:30、玄関のチャイムが鳴った。 私は寝起きのパジャマのまま、もちろんすっぴんでご飯を食べていた。海外に移り住んで1週間程、明日から新しい職場での仕事が始まるので今日中にやっておくべきことがいくつかあった。 そのうちの1つが切れてしまった電球を交換してもらうこと。バスルームの電球なのだが、天井が高くとても私では換えられない。業者さんがやってくれるということだったので、お願いした。彼は前々日にどの電球の交換が必要なのかを確認しに私の家に来ていたため、その際に

          約束より早く

          個々人の人生は誰かのエンターテイメント

          約束をすっぽかしてしまったのは完全に私の落ち度だ。 海外に移り住むことになったため、その前に地元の友人と会おうと約束した。にもかかわらず、あまりにも渡航手続きにばたばたしていて彼女との約束をすっぽかして海外に来てしまったのである。 渡航してから1週間。これは完全に私が悪い、ごめんなさい。と思いながら、彼女に連絡をした。 温厚な彼女だけど、やっぱりちょっとは怒るだろうなぁと思いながら返事を待った。 予想は外れた。 「香穂子の人生は突然何か起こるのが面白いのだから、全然い

          個々人の人生は誰かのエンターテイメント

          眠れない夜

          午前3:00、眠ることを諦めた。 新卒で入社した会社を2年と少しで退職して海外で働くことにした。これからしばらくお世話になる街にきて5日目。ホテルの部屋で眠れない夜を過ごしている。ただ、昼寝をしすぎてしまっただけなのだけど。 転職して海外で働くこと、周りの人はキャリアアップだと言ってくれていたけど、本当のところはアップなのかどうかもよくわからない。ただ、見てみたいものを見たいから、知りたいことをこの目で確かめたいから、理由はただそれだけだったと思う。 なにかを選び取る理

          眠れない夜

          仕事で遅くなっても気分がいい日

          常々定時に帰りたいと思っている私だけど、今日は遅くなってしまっても気分よく帰って来られた。 なんでなのかなと考えて見ると、ご機嫌であることを私自身が選択しているからだと気がついた。 気分って実は自分で選択できるものみたいだ。 体調が悪くて気分が優れないと言ったどうしようもない場合もあるけれど、出来事と自分の気分はくっつけたり、切り離したり、ある程度コントロールは可能なのだと思う。 いい出来事と自分の気分はよくよくリンクさせて、悪い出来事と自分の気分はできるだけ切り離す

          仕事で遅くなっても気分がいい日

          怒り方のセンス

          感情を表す時、人のセンスも表れると思う。負の感情は特に。 誰だって腹が立つことやイライラすることはある。でも、そういった負の感情をどうやって表に出すかは人によって全然違う。 黙り込んでしまう人、喚く人、物にあたる人、泣く人。他にも色々怒り方のパターンはあると思う。 どんな怒り方の場合でも、エネルギーの放出であることには変わりないので周りの人に多少なりとも影響を及ぼす。 少し前の私は、怒れることがあると不機嫌になるという方法でエネルギーを放出していた。家族の前では、特に

          怒り方のセンス

          何も残さない

          いつか終わりが来たら、雪のようにきれいに消えてなくなりたい。 そう思っている。何も残さず、きれいに消える。人の記憶に残りたいとは思わない。 自分がそんな考えを持っていることに気がついたのは、友人の一言がきっかけだった。どんな話の流れでそんな話題になったのか、今となっては記憶もおぼろげだけれど、彼女は言った。「教科書に名前が載るような人生を送って見たい。」 それを聞いた私は、心底驚いた。そんなことを考えたことは1度もなかったから。 歴史上の人物は私にとってちょっと可哀想

          何も残さない

          心地よいテンポ

          私は歩くのが遅いほうだ。朝、会社に向かって歩いていると後ろから数人に追い抜かれる。 歩くことに限らず、人にはそれぞれその人の持つテンポがある。 話すスピード、返事をするまでの間、食事をする速さ、約束の時間に余裕を持って行くか時間ぴったりに行くか 何となく一緒にいて居心地がいいなと思う人は、その人の持つテンポが自分と似ていたり、違っていても上手く噛み合ったり、相手にテンポを合わせるのが上手な人だったりするのかなと思う。 仕事をしているとどうしても自分のテ

          心地よいテンポ

          記憶に残るもの

          あまり過去は振り返らない。 いつも自由に生きたいと思っている私にとって、失敗も成功も抱えて歩くには重すぎる。 だから、なるべく置いて行く。 でもたまに思い出すことがある。それは大抵、失敗も成功も関係ない思い出についてだ。 例えば、高校時代のお昼休憩の雰囲気だったり、部活帰り一緒にアイスクリームを食べる友人の顔だったり、母のすこしズレた感性に家族が笑った時の声だったり、とても静かな夜の時間の空気だったりする。 何気ない日常こそずっと記憶に残る。 だから些細なことやなんでも

          記憶に残るもの