はたぐらし

早稲田大学国際教養学部卒。23歳。バックパッカーになって世界を見に行こーう。そのために…

はたぐらし

早稲田大学国際教養学部卒。23歳。バックパッカーになって世界を見に行こーう。そのために簡単には逃げられない場所でバイトしてお金貯めよーう。と、軽い気持ちで北海道十勝の酪農家さんのおうちに9ヶ月住み込み。そこの息子さんと縁あって結婚。1児のママ。

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出産まであと90日

私は今、許されたい。 出産予定日まで90日をきった。 最近、毎日毎日考えることがある。未だに、どう考えたらいいかわからない。誰かに答えを教えてほしい。 今日に至るまでに、 自分の中から新しい命を生み落とした人に、 血のつながりを越えた命を育ててきた人に、 これからその命と巡り会うかもしれない全ての人に、 答えを教えてほしい。 「じゃあ、なんで産みたいと思ったの?」 「じゃあ、どうして子どもが欲しいなんて願ったの?」 そう聞かれた時に、私はどう答えればいいですか。 私

    • 授かり、失い、そして母になる。

      命を授かり、失いました。 そして母になりました。 卒論を提出し、 大学生活に区切りをつけた頃、 お腹に命が宿りました。 大学のトイレで検査薬を使い、 二本の線がじんわり浮かぶのを見、 静まり返った図書館の中で 体中に熱がめぐるのを感じました。 こんなに早く、 私達のところへやってきてくれた赤ちゃん。 まだ顔も見ていない、 声も聴いていない、 性別も分からないその子を、 その時からすでに、 深く深く愛していることを、 自分で感じました。 電車に乗るとき。 授業を受ける

      • 読む「こしあん荘のお台所日記」はじめました

        Anchor, Spotify, Google Podcast などで配信中のオリジナルラジオ小説「こしあん荘のお台所日記」を、エッセイ風にまとめはじめました! 普段は、原稿として書き溜めているだけでしたが、これから文章に落とし込んでいこうと思います。 ぜひ、フォローしていただけると嬉しいです! 以下ラジオ版のリンクです♪ Anchor→ https://anchor.fm/koshian Spotify→ https://open.spotify.com/

        • ポッドキャスト始めました

          リュックサックを背負って歩くことと、かぼちゃが大好きな大学生mahoが、雪国北海道からお届けする「かぼちゃとリュックサック」です。このポッドキャストでは、日々の小さな発見や、大学の授業を通じて考えたこと、また旅先でのエピソードなどを、ほっこりゆるっとお届けします。 みなさんの、なんだか心が緩まるな..という時間のおともになりますように。 Anchor, Spotify, Google Podcasts, PocketCasts等で随時配信中です! https://tw

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        • こしあん荘のお台所日記
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          ヘルシーブラウニー劇場

          どうしてもあの、オーストラリアやアメリカの喫茶店に並んでいるような、ずっしり濃厚ブラウニーが食べたくなった妻。でもカロリーを総動員したような甘さには鬼気迫るものがあることも知っていた。 なので、日本人の女の子が大好きそうな「カロリーカット、豆乳、豆腐!」みたいな文字が並んだブラウニーのレシピを見つけて嬉々とした。 それから夫と二人でいざ一口!!からの一幕。なぜか永遠に一人で思い出してはツボっていた。 なんか、違う。何かが違う。ここから妻の一人劇場が数分に渡って繰り広げら

          ヘルシーブラウニー劇場

          早稲女が21歳で妻になって今日思うこと。

          「まだ学生なの?!東京の私大の??え。何してんのこんなとこで!もったいねえなあ!」 朝起きる。顔を洗う。窓を開けて朝日をいれる。 風が流れて木が揺れる。 卵を溶いて、塩を振る。お砂糖はちょっぴり。 くるくる巻いて卵焼きを作る。 天気予報を見て、今日も暑そうだねと苦笑い。 行ってらっしゃい。行ってきます。 床を磨く。お皿を洗う。洗濯物を干す。 夕飯と明日のお弁当の献立を考える。 家計簿とにらめっこ。自転車を飛ばしてスーパーへ。 午後は台所に立ちっぱなし。

          早稲女が21歳で妻になって今日思うこと。

          やっぱり人生凸凹で。

          「病名をしっかりあげますから、休みましょう。気兼ねなく。いいですね、気兼ねなく」 そうまで言ってもらえないと、ボロボロになるまで自分のボロボロ加減が鏡で見えない自分がいることに、気づけませんでした。 おととい、救急車で緊急搬送されました。 吸っても吐いても息ができず、目の前で夫が名前を呼んでくれているのを、遠くに感じていました。 もっとも、病院に搬送されると落ち着いて、「検査ね〜、とってもレントゲンかなあ」「次の有給どうする?九月かな」とか看護師さん同士の会話が始まって。

          やっぱり人生凸凹で。

          偉大な日々ではないけども

          「新婚生活、どう? やりたいこと、できてる?」 いつもふらっと連絡をくれるお兄ちゃんみたいな人から、またこんなLINEをもらい、一瞬考える。 最近、本当に風の如く1日1日が過ぎ、1週間が過ぎ、1ヶ月が過ぎている。 目がまわるような速さで、日が昇ってまた沈んでいる。 1日に何回もヘンシーン!!と変身してる自分がいる。 朝、日が昇って妻として目が覚める。 台所に立ち、流れてくるニュースと天気予報を片耳で流し聞きしながら、 卵焼きをじゅわーっと焼いて、ウィンナーを茹で

          偉大な日々ではないけども

          カラダは知っている

          「カラダが欲しがってるんなら食べればいいって、おじいちゃんよく言ってたのよ」 山を生涯、愛し抜いたおじいちゃん。 背い高のっぽのおじいちゃん。 薬も種無し果物もいらんと言い続けたおじいちゃん。 カラダに必要なものを知ってるのはカラダだ。 カラダが本当に欲しいって言ってるんなら、甘いもん食べろ。 カラダが本当に欲しいって言ってんなら、腹一杯お米も食べろ。 本当に必要なら、カラダはそれで喜ぶ。 おじいちゃん。 豆腐と納豆とキムチが無性に酢と一緒に混ざってて欲しく

          カラダは知っている

          私の丸顔

          「メロンパンみたいにまん丸やなあ」 小さい頃、おばあちゃんに言われたことがあります。 あんたの顔、まん丸や。 それ以来、確かにまん丸だ。鏡を見るたびに思うようになりました。 赤ちゃんの時の写真を見ても、リンゴのようなほっぺたの顔はまん丸で 物心ついてからずっと、自分のまあるい顔が気になっていました。 中学生になってから、その丸顔はコンプレックスに変わりました。 高校生になると、その丸顔は「できない理由」に変わりました。 このまんまるい顔のせいで、友達作るの下手

          「たった一人に届ける本」の出版社へ

          北海道の大地を飛び出し 最大限のコロナ予防をしながら 東京都国立市の 小さな小さな本屋さん「小鳥書房」さんへインターンに来ています。 物語を運ぶ風が吹く路地。 本の息遣いを感じる空間。 雨の音が響くギャラリー。 ランプで淡く照らされた本棚。 読み手をじっくり見つめるかのような本の姿に 消費され、読まれる本にしか出逢ったことがなかったのだと思い知らされました。 そしてそこへ人々を惹きつける店主のかよさんをはじめとした、 国立市谷保の商店街の一角で生きる人々との

          「たった一人に届ける本」の出版社へ

          空を読む暮らし

          私が好きな生き方の一つに「空を読む暮らし」がある。 オーストラアリアの大草原の中に、羊農家の家族と暮らしていた時 夕暮れ時に話すことはまず、今日吹いた風の行方についてだった。 「今日柔らかい風がこの向きに吹いたから、明日は丘の向こうまで羊たちを移動させよう」とか 「強い北風が雨を連れてくるだろうから、早く子羊たちにミルクをやりに行こう」とか。 私がいくら目を凝らしても見えないものが、彼らには見えていた。 彼らが風の行方を、空を読んで追っている時 私はいつもそこに本

          空を読む暮らし

          ここにはまだ君の下がいるけどまだ生きてる!

          『2.5 メートルで150円のひもがあります。1メートルではいくらですか』 この質問が....解けない。のが、私。 小学5年生のプリントの前で途方に暮れる早稲田生22歳。 国語と英語だけ教える契約のはずだったんですけども。なんて心の中でもごもご言ってはみましたが。 小学生2年生の時、時計の読み方で躓いて以来、算数のハードルを飛び越えたことはなかった。 飛び越えたのではない。なぎ倒した。 倒したハードルをそのまま足首に引っ掛けて 中学、高校の数学のハードルをさらに

          ここにはまだ君の下がいるけどまだ生きてる!

          絶対にポップコーンが減らない映画。

          シシ神様が、音もなく湖面を渡って登場するシーン。 劇場内は文字どおり無音状態だった。 というより、観客全員が息を押し殺していて、 今にも爆発しそうな限界ギリギリの無音状態だった。 ポップコーンをかじる音はおろか 鼻をすする音も、呼吸音の一つもしなかった。 (目の前の男性がしきりに目薬をさしなおしている以外は) そうか、私たちこれを観ながら育ったんだ。 それが「もののけ姫」を映画館で観た一人の日本人大学生の感想。 「むかし、この国は深い森におおわれ、 そこに

          絶対にポップコーンが減らない映画。

          世界を感じながらごぼうを刻む

          今日はカレーにしよう。 いや、何が何でも薬膳風カレーが食べたい。 そう思い立って、土のついたままのごぼうと大豆、我が家にやってきて今や遅しと出番を待っていたスパイスたちを集合させた。 背中の方から、 何語かわからない言葉を話す若者の叫びや 今日の日本の行方を議論する偉い人の咳払い #BLMやポストコロナを一から解剖学のように解説する声が聞こえる。 BLM(black lives matter)ってどう訳せば本質が見えるんだろう。 黒人の命は大切だ?黒人の命も大

          世界を感じながらごぼうを刻む

          アウェイ

          新しい土地での新しい暮らし。 新しい人々といちから積み上げてゆく新しい関係。 新しいものづくしの毎日はもちろんワクワクするけれど たまにへっとりと疲れてしまいます。 同じ国に生まれ、同じようにお箸を持ってご飯を食べ 同じようにニュースを見て 同じようにあの芸能人さんの話も歌手の話もできる。 だけど 時折、会話のあちこちに顔を覗かせる知らない言い回しや言葉たち。 聞きなれない語尾に街の名前。見たことない花や鳥。 名前を知らない山と川。 突然知らないものばっ