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ここにはまだ君の下がいるけどまだ生きてる!

『2.5 メートルで150円のひもがあります。1メートルではいくらですか』


この質問が....解けない。のが、私。

小学5年生のプリントの前で途方に暮れる早稲田生22歳。

国語と英語だけ教える契約のはずだったんですけども。なんて心の中でもごもご言ってはみましたが。


小学生2年生の時、時計の読み方で躓いて以来、算数のハードルを飛び越えたことはなかった。

飛び越えたのではない。なぎ倒した。

倒したハードルをそのまま足首に引っ掛けて

中学、高校の数学のハードルをさらになぎ倒し、

ゴールした地点で待っていたのは大学模試数学正答率2%の回答用紙。

(何が逆にあってたか?証明問題の日本語部分)


冗談じゃなくて真面目に

私は数がつくものが嫌いというよりもう直視できない。

どんなバイトでも絶対にお会計だけはしたくない。できれば。

割り勘は、ちょっとくらい損したって構わないさ君が計算してくれ状態。

主婦もやってるのに未だに

レジのお姉さんが「これは一体どういう意図で?」と一瞬困惑した顔を見せるようなお金の払い方をする。


「さすがに小学生の算数なら大丈夫っしょ!!」

履歴書を見せるとそうやって笑顔を向けてくださるのはありがたいけど

でも、さすがに、という表現は小学生に対して失礼じゃないか。

いや、私に対して失礼なんだ。うん。

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何はともあれ、

昨晩放心状態の私の前で、

冷蔵庫のホワイトボードを駆使しながら公立大出身の一個上の夫が

お箸片手に算数を教え始める。私に。

「2.5メートルの時この値段なんでしょ?そしたら2.5で割ったら1メートルの値段が出るじゃん?」

「なんで」

「じゃあ、2.5メートルを10倍して25メートルにして考えてみたらいいかな。ここに10かけて...」

「え、待ってなんで??」

半ギレの私。困惑する夫。


日本も落ちぶれたな、と思う人もいるでしょう。

私大の4年生が算数できないくせに塾講として教えようと奮闘しているんだから。

なんで私こんなことしてんのかなあああ。

って叫んだ時に、ポンと降ってきた答えはシンプルだった。

生きるため。

フラれ続けた算数にもう一度アタックして

半ベソかいてるのは生きるため。

バイト先の蕎麦屋で、こそこそと筆算しながらおつり計算してレジ打ちしてるのは生きるため。

レジの人に変な顔されながらも

家計簿つけて必死に計算してるのは生きるため。

そう、今日を生きていくため!


大げさじゃなく、それこそが答え。

生きるために、今必死。

自分の選んだ道、守りたい道を生き続けるために

私は算数マスターしてやるし、天才算数講師になる。


ここには算数ごときでこんなに嘆いている奴がいる。

君の下がいる!!

でもそれでも生きてるぞ!!


だから安心して、君も今日を生きてください。





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