見出し画像

第4回「僕にとってのアーセナル。」後編

第4回目の投稿です。
こんちゃ!どうも、いったーです。

今回は「僕にとってのアーセナル。」後編について書きたいと思います。

今回の代表Weekで我々の真のEgyptian Kingであるエルネニーが新型コロナウイルスに感染してしまいましたね…他にもリバプールは離脱者も多く、アトレティはバルサ戦を前にしてスアレスを失いました。この状況下で国を跨いで開催される代表戦の必要性に疑問符が付くような、そんな気がします。

さあ、ここからが本題です。
リーグ制覇からほど遠い、CL優勝回数0、安定の4位力、勝負弱い。
こんなにディスをも跳ね返すアーセナル愛について、Let’s goooo!!!

1. アーセン・ヴェンゲル監督の存在

2. 一貫したアタッキングフットボール
3. 怪我からのカムバック

の2.一貫したアタッキングフットボールを書いていきます!

2. 一貫したアタッキングフットボール

(a)実は退屈だったアーセナル
(b)パス&ラッシュ
(c)放任主義

(a)実は退屈だったアーセナル

”One nil to the Arsenal, One nil to the Arsenal.♪♪“

「1-0でアーセナル、1-0でアーセナル。」というチャント(応援歌)が存在するように彼、ヴェンゲル監督が就任するまでは、「Famous 4」を中心とした、堅守が特徴でした。PLは日本と違って誰がチャントを歌い始めてもいい応援スタイルなので、どこからともなく先制点が決まると聞こえてきますよ。羨ましい文化ですよね。ちなみに、「1-0でアーセナル」は守備的で退屈なという皮肉です。

画像1

「Famous 4」とはリー・ディクソン、トニー・アダムス、マーティン・キーオン、ナイジェル・ウィンターバーンの4人で構成されるディフェンスラインで、鉄壁だったことから。という余談でしたwww

(b)パス&ラッシュの確立


  そんな、守備が得意なチームから攻撃的なフットボールに変化させたのはヴェンゲル監督なのです。
 彼のサッカー哲学を一言で表すならば、「パス&ラッシュ」です。一般的には、「パス&ムーブ」と称されることが多いのですが、敢えて「ラッシュ」を使いたいと思います。その理由は後程に。

画像2

 00年代前半は特に、PLでは「4-4-2」のフラット型で、伝統の「キック&ラッシュ」がオーソドックスな戦術でした。DFラインやサイドからが前線の長身CFにロングボールを蹴り込み、そのセカンドボールをCMFが回収して、再びサイドへ、そしてまたロングボールの繰り返しでした。そして、観客はバトルを好みます。故に、CBやCFには対人に強い選手が、サイドには上下動を何度も繰り返す、クロスの名手が配置され、ユニフォームが試合終了時に泥だらけの選手が称賛されるようなリーグでした。そのサイクル故に、イングランド出身の選手は先ほどの特徴を持つ選手が輩出され続けていました。


アーセナルはその潮流に逆らいながら、彼は00年代前半に「4-4-2(4-4-1-1)」を、00年代後半から「4-2-3-1」「4-3-3(4-1-4-1)」を併用するチームを作りあげていきました。

〇テクニックに優れた選手
〇「Pausa=時間」をコントロールできる選手
〇背が低いけれどもクイックネスに特徴のある選手

を中心にスカッドを組んでいきます。
⇒闘えることをベースに、他の部分を特徴とし、勝負できる選手を世界各国から獲得。

そうです、まだPLでは誰もやったことのない、やろうとしなかったフットボールを発信しようとしたのです。
なぜ、「パス&ムーブ」ではなく、「パス&ラッシュ」なのか。それは1本の縦パスやキーパスを合図にパスの出し手を中心に何人もの選手が相手ゴールにベクトルを向けて走り出します。そうです、イングランドの伝統でもあった「キック&ラッシュ」の部分をミックスさせながら、新たなフットボールに組み込んだのです。この意思が統一されたチーム全体での動きにワクワクしないサッカーファンはいないでしょう。実際に僕もこのサッカーの虜になりました。まとめると、アーセナルはショートパスを駆使しながらゲームをコントロールすると同時に、縦へのボールの動かし方がとてもスピーディであるのが愛される理由です。要は、「ポゼッション」×「少ないタッチ数」×「縦への推進力」です。

☆実際のデータがあります。
2010-11Champions League(以下CL) 1st Leg Arsenal vs Barcelona 2-1
https://www.whoscored.com/Matches/472392/LiveStatistics/Europe-Champions-League-2010-2011-Arsenal-Barcelona
https://www.uefa.com/uefachampionsleague/match/2003758--arsenal-vs-barcelona/

当時世界最強(≒歴代最強)のバルセロナに2-1で勝利した試合が顕著です。
僕も、アーセナル史上最高の試合だといっても過言ではありません。

バルセロナといえば、「ティキタカ」(スペイン語で時計のチクタクの意)を軸とする、最高ボール支配率80%を超える、ショートパスを中心としたポゼッション型の最高峰です。 ここで注目するのが、両チームの「シュートに至るまでのパス本数」です。両チーム共に、ショートパスとポゼッションを重視するチームであるため、「シュートに至るまでのパス本数」を比較すれば、「パスの本数をかけずに=縦への意識」を読み解くことが出来るのではないでしょうか。


※「シュートに至るまでのパス本数」とは「パス総数/シュート数」の値として、値が小さい程、「縦への意識」が強いとします。

バルセロナ 755本/8本=94.3本⇒ゴール1
アーセナル 374本/10本=37.4本⇒ゴール2

制限がない中でのスタッツを参考にしているため、一概に言えませんが、「シュートに至るまでのパス本数」では、アーセナルが「少ないパスを繋いで、シュートに持ち込んでいる」と理解することが出来ます。

(c)放任主義


伝統的にショートパスを細かくつないでポゼッションを主体にするチームはヴェンゲル監督が率いるアーセナル以外にも存在します。例えば、バルセロナやアヤックスです。
2チームはヨハンクライフのトータルフットボール原理主義を採用するため、姉妹クラブと捉えます。そこで、僕が好きになった理由の1つでもあるアーセナルとバルセロナの違いについて書きます。

「縦への意識」という点では、大きな違いが存在するのは前述の通りです。
もう1つ大きな違いがあります。それはバルセロナの「再現性」とアーセナルの「即興性」です。

バルセロナ

 システマチックであるために、再現性が非常に高く、誰が出ても基本的にはサッカーの質は落ちません。加えてGOAT(GreatestOfAllTimeの略)であるレオ・メッシが異質な存在として、プラスαで無限の能力を発揮します。「ボールを握れば負けることはない」「人はボールより速く走れない」の思想が原理的なクライフ派です。一方で、システマチックであるが故に、約束事が多数存在しており、馴染めない選手を排他的に扱う傾向にあります。ある人からは完璧なフットボールだ。と称されることがあるものの、ある人からは、選手を歯車のように扱うことはナンセンスだ。と意見する人もいます。

〇アーセナル

 ヴェンゲル監督は、その点「放任主義」です。彼は、監督とは選手を信頼することで次のステージに一緒に連れていくことが出来ると信じています。1から10まで全てを教えるのではなく、選手自身に考える余地を与えるのです。やはり、愛称通りプロフェッサーみたいですね。裁量を選手に与えることによって、試合中、選手のアイディアをベースとする即興性の高い攻撃、すなわちナマモノとしてのスペクタクルさをファンに提供してきました。

なぜ、ヴェンゲル監督がスペクタクルさにこだわるのか?

彼は自伝の中でこう答えています。
“どんな戦い方をしても勝つ日もあれば負ける日もある。それならば、勝利が義務付けられているようなビッククラブでも、見応えのあるスタイルで勝つことを目指すべきだ。1週間、一生懸命に働いて週末の朝を迎えた時庶民には、「今日は試合を見に行く日だ」と楽しみな気分で目覚めてもらいたい。”

 フットボールがビジネスになってしまい、富を持つ者の娯楽になりつつある現在、フットボールは皆の娯楽であるべきだ。と彼は暗に示しているように思えます。

 これこそアーセナルの根底に流れる、アーセナル・ブランドの神髄であると僕は、感じます。

次回は3.怪我からのカムバックを書いて完結編にしたいと思います!

それでは、今日はこのへんで、、、

ばいころまる~

この記事が参加している募集

スキしてみて

スポーツ観戦記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?