大久保徳久子/編集者・絵本講座主宰

絵本の楽しみを案内する人 絵本編集30年、300冊の本を制作。子育てや仕事に活かす「絵…

大久保徳久子/編集者・絵本講座主宰

絵本の楽しみを案内する人 絵本編集30年、300冊の本を制作。子育てや仕事に活かす「絵本の楽しみ方」、制作者目線の「絵本の魅力再発見」を発信。視野を広げ思考を深めたい、子どもの好奇心を育てたい人に、講座・セッションを開催。https://lit.link/ookubotokuko

最近の記事

ちゃんとした読み聞かせをしようとし過ぎて疲れてない?

ちゃんとした読み聞かせをしようとし過ぎて 辛くなってる人は多い気がします。 誰だって最初はドキドキしてる ふだん絵本講座を主催しているわたしが、 小学生に読み聞かせを スタートしたのは、いまから18年前。 その後は場所を小学校から保育園に変えて 読み聞かせを継続中。 絵本を通した 子どもたちとのやりとりが面白くて 18年続けてきました。 始めて読むときは 前の日からドキドキしました。 ふだん緊張しないタイプなのにも関わらず、 四年生を前にして たくさんの目が注目する

    • 絵本は「大人の学び」に使えるツール

      絵本の楽しみを案内する人、大久保徳久子です。 絵本を大人が自然科学を学ぶための ひとつのツールとして使った ワークショップを開催しました。 知ってるようで知らない 生き物の「もよう」に焦点を当て 生き物の生存戦略を考えるプログラム。 「もようの目的ってそもそも何?」 「しかもどうして、あの模様?」 「えー、じゃあ、オスだけなのはなぜ?」 「あんなに派手なのって、つまり・・・」 いろんな言葉が飛び交いました。 遊んでいるみたいなことが、学びの入り口 でも、講座が始まっ

      • 映画『ぼくたちの哲学教室』を見て、考えた。

        小学生が哲学で対話する。 北アイルランドに実在する 公立男子小学校が舞台のドキュメンタリー映画 『ぼくたちの哲学教室』が、 めちゃくちゃ素晴らしかった。 小学校に哲学の授業がある。 きっちりと、主要科目に入っている。 こう聞くと驚くかもしれない。 けれど、そこには深い背景が存在してる。 北アイルランド紛争の爪痕がまだ、 街の隅々まで残っていて、 子どもたちの生活にも影を落としていた。 憎しみの連鎖を断ち切るには、 暴力対暴力の図式ではダメだ! 哲学よる対話を用いる

        • 夏休み、読書も成長する。

          夏はどんどん伸びる時期。 子どもは夏休みに一気に成長する。 と、思う。 なんのエビデンスもないのだが、 夏休み明け、久しぶりに会う子を見て 「うわ、顔つき、違うね」 「一回りデカくなったなあ」と感じた経験のある人は 多いのではないかと思う。 それと同じように、 夏休みに子どもの「読書」も成長する。 これは、わたしが子育てをしていて 毎年感じていたことだ。 時間があれば、なにが起きる? 夏休みは、そうでない子もいるだろうが、 たいていは、普段の生活よりも 時間の余

        ちゃんとした読み聞かせをしようとし過ぎて疲れてない?

          ラジオを2年続けたら、いいコトしかなかった。

          へんてこ あなぼこ まわりみち 欠けていることを楽しむラジオ こんなテーマで、ラジオ配信をスタートして、 2年。 月に2~3回配信で、いままでトータル63回の配信。 パーソナリティは、二人、 編集者で絵本講座主宰のわたしと、 英仏絵本翻訳のプロふしみみさをさん。  彼女の翻訳した本は、200冊を超える。プロ中のプロ。 絵本の話もすれば、読んだ本の話しや 教育の在り方、社会に対しての疑問も話す。 フランスによく行くふしみさんからは、 フランスの情報も飛び出して、日本を外か

          ラジオを2年続けたら、いいコトしかなかった。

          「絵本を読みましょう」が脅しになっていないか。

          「やっぱり、絵本って、読ませたほうがいいんですよね?」 「読み聞かせって、子どもにいいんですよね」 子育て中の方から、よく聞かれます。 絵本講座などやっているわたしに、 恐る恐る小声で聞いてこられるのです。 その言葉を聞くだけで、 どれだけたくさんの「絵本を読みましょう」攻撃にあっているのか 想像できます。 絵本を読まなくても生きていける絵本なんてない時代だって、 ちゃんと人間は育ってました。 「絵本を!」「読み聞かせを!」と、日本で ここまで盛んに言われるように

          「絵本を読みましょう」が脅しになっていないか。

          絵本の「絵」と「画」の違いは、なに?

          読者さんの質問にお答えします。 ブログとは別に発行しているメルマガ読者さんから 質問がありました。 Q ずーっと疑問だったことお尋ねしたく 絵本の表紙に、作〇〇、絵〇〇、など、 著者の名前が書いてありますよね。 時々、画〇〇、と書いてあるものがあります。 絵と画、何か違いがあるのでしょうか? かなりマニアックな、いいとこついたご質問! 絵本をじっくりと見ているから 気づいたのだと思います。 大人の本と、絵本の決定的な違いまず大前提として 大人の本だとたいていは、書

          絵本の「絵」と「画」の違いは、なに?

          読み聞かせひとつで、家の空気が変わる

          多忙な中の「読み聞かせ」絵本講座をしていると 多忙なママたちに、たくさん出会います。 そんな多忙なひとり 絵本講座の受講者さんが、 講座の後日談を報告してくれました。 家の空気感まで変わった様子に 驚きました。 新しい段階に入って、新しい楽しみをみつけた読み聞かせひとつで、家の空気が変わるまず、娘さんが喜んでる! そして、読んでるお母さんも、ワクワクしてる! お父さんに、娘さんが 「この本おもしろいよ」と勧めてる。 うわあ、その様子を思い浮かべるだけで ニンマリと顔

          読み聞かせひとつで、家の空気が変わる

          恐竜図鑑展。ヘンテコ恐竜が見られるぞ。

          巨大図鑑がお出迎え 上野の森美術館で開催中の 恐竜図鑑展へ行ってきた。 入館したとたん、ぐわっと世界に引き込まれる。 見上げるほどの巨大図鑑が、 ずらっと並んで出迎えてくれた。 「カッコいいー!」 大人なのに思わず声をあげ、 係の人の冷ややかな視線を浴びてしまった。 知ってるものに、どこか似てしまう。 恐竜の骨が発見されてから現在までの 想像図で、1800年代からの変遷を追った展示だ。 150点もの恐竜絵画。 ちにみに、恐竜絵画は、パレオアートというらしい。 どん

          恐竜図鑑展。ヘンテコ恐竜が見られるぞ。

          読み聞かせの常識を疑ってみよう。

          先日書いた、こちらの記事。 この記事にいいねしてくれた カミニー湖さんの記事が面白かった。 こちらの記事を読んで考えたことを書いてみたい。 読み聞かせは、寝る前のルーティン?わが子への読み聞かせを 夜寝る前のルーティンにしている人は、多いと思う。 理由が明確にあるわけでもないのに、 「寝る前に絵本を読まねば!」と 頑張っているオトナをたくさん見てきている。 わたしは、開催する絵本講座の中で 「寝る前じゃなくてもいいんですよ」と言ってみると 「え?いいんですか?」と

          読み聞かせの常識を疑ってみよう。

          読み聞かせが「うまくいってない」と感じるなら、この3点を確認しよう。

          読み聞かせに付き合ってあげている「ぼくたちは、 大人の読み聞かせに付き合ってあげてる」 小学生が、こう言ってるのを実際に聞いたことがあります。 ふいに後ろから聞こえたこのセリフ。 わたしは、一瞬にして体が棒のように固まってしまいました。 長く読み聞かせに関わっているわたしには、 衝撃のひとことで、 カクカクと音がなりそうに不自然な格好で 恐る恐る振り返って見たら、 声の主は、悪意もなく 当たり前のことを言っただけという 普通の顔をしていた。 よけいにじわっと真実味を

          読み聞かせが「うまくいってない」と感じるなら、この3点を確認しよう。

          絵本の帯、捨てちゃってもいいですか?

          捨てちゃってもいいですか?都内の区教育委員会の受託講座で 「絵本がどのように作られるか」の話をしたときのこと。 最後の質疑応答の時間に、 手が上がり、こんな質問を受けました。 「帯って、捨てちゃってもいいですか?」 ここでいう帯とは、本の帯のこと。 ここのことです。 この記事を読んでいる方は、絵本を購入した後、 帯をどうしてますか? 本棚から出し入れするときに 引っかかって破れたり、読むときにも邪魔になって 子どもがビリビリにしてしまうことが多い。 いっそのこと、

          絵本の帯、捨てちゃってもいいですか?

          絵本を読むとき、2つの速さを意識する

          わたし、読み聞かせがヘタだから ある親子イベントで絵本を読んだときのことです。 「やっぱり、上手な方が読むと違いますね。  ウチの子、ちゃんと聞いてました。  わたし、読むのがヘタだから」 近寄って来たママに、そう声をかけられました。 (ああそういえば、最初、 ぐるぐる走り回っていた男の子がいたっけ。 2歳半くらいかなあ) わたしが絵本を読み始めたら、 走っていた足をピタと止めて 立ったままじっと聞いてました。 わたしが読むのが上手か、 上手でないかはさておき 絵

          絵本を読むとき、2つの速さを意識する

          「梅雨を楽しくする雨の絵本30選」

          梅雨の時期限定です。 関東地方が梅雨入りしました。 どうりでムシムシしています。 毎年、梅雨の時期だけお届けしている 無料メール講座があります。 その名も 「梅雨を楽しくする 雨の絵本30選 メール講座」 雨の絵本だけを選りすぐり、30冊。 1日1冊、メールで雨の絵本について お届けしています。 絵本編集30年、読み聞かせ歴17年、 絵本講座動員1,500人の経験をもとに いろんな絵本をご紹介しつつ解説しています。 漠然と見ない。逆に見えてくるものがある。 こういう

          「梅雨を楽しくする雨の絵本30選」

          「自分の意見を言える子」は、こうして育つ。

          手探りの時代に「読解力」だけで十分か? 社会は、ずっと揺れ動いている。 ちょっと前までのコロナも、いきなりの戦争も 大人だって、ちゃんとは飲み込めていない。 この先、AIはどこまでいくのか。 ニュースを見るだけで、気持ちがザワザワと波立つ。 これから先、どうなるのかと そんな思いにただ不安を掻き立てられる。 いまは「正解のない時代」と言われるけれど、 こんな手探りの時代に、 子どもたちは何を、どう学んでいったらいいのだろう。 誰もが考えてしまうのではないだろうか。

          「自分の意見を言える子」は、こうして育つ。

          絵本を読むと、「子どもの個性」が浮かび上がってくる

          「絵本で話そう」イベントから見えてくる わたしは、ふだん絵本講座を主宰している。 絵本講座とは別に、月1回は、 「絵本で話そう~ゆるっと哲学」というイベントを ZOOMや対面で開催していて、25回ほどになる。 毎回一冊の絵本を読んで、 その余韻を感じながら、 「哲学対話」を行うスタイルのイベントだ。 あるときの、絵本はこの絵本。 この絵本は、過去に「課題図書」と呼ばれる、 夏休みに感想文を書くための指定図書 (低学年の部) に 選ばれた一冊だ。 内容を

          絵本を読むと、「子どもの個性」が浮かび上がってくる