大久保徳久子/編集者・絵本講座主宰

絵本の楽しみを案内する人 絵本編集30年、300冊の本を制作。子育てや仕事に活かす「絵…

大久保徳久子/編集者・絵本講座主宰

絵本の楽しみを案内する人 絵本編集30年、300冊の本を制作。子育てや仕事に活かす「絵本の楽しみ方」、制作者目線の「絵本の魅力再発見」を発信。視野を広げ思考を深めたい、子どもの好奇心を育てたい人に、講座・セッションを開催。https://lit.link/ookubotokuko

最近の記事

読み聞かせすると「本を読む子になる」は、ホント?

アッチッチな熱量絵本を読んであげれば、必ず読書好きになる。 こんな言葉を耳にしたことがある人は、いませんか? わたしは、子どもを育てている間、 何度も「絵本を読む=本を好きになる」を聞いてきました。 わたし自身が絵本の仕事をしていることを差し引いても、 驚くほどに、各方面から見聞きしました。 教育熱心な地域で子育てをしていたこともあり、 「子どもへの読み聞かせ熱」は アッチッチ~なほどのアツさでした。 え? いまはもう読んでないの? けれど、そんなアッチッチ時代は、

    • 雨の絵本30選、好きな絵本を見つけてね。

      関東が梅雨入りしたとたん、重苦しいほどの湿気です。 じと~っとした空気、 ツライです。 絵本の講座を主催するわたしのできることとして、 雨の絵本の セレクションをお届けします。 梅雨の期間だけ 期間限定でお届けする 「梅雨を楽しくする雨の絵本30選」 1日1通ずつ、雨の絵本を 解説つきでご案内するメールを お届けします。 カンタン登録で 雨の日がちょっと楽しくなるかも。 絵本編集30年の視点で選んだ 赤ちゃん絵本から 大人ごのみの絵本まで いろいろ取り揃えてお待

      • 自由に飛べる鳥たちが、代わりに失ったもの

        子どものような好奇心を持ち続けている大人に 絵本と自然をコラボしたイベントを 継続して開催しています。 空を飛べるって、憧れるよね 晴天の6月、早朝。 池がある広めの公園に行ってみると、 ツバメがびゅんびゅん飛んでいました。 なんて青空に映える鳥だろう。 あまりに気持ちよさそうに飛んでいるので、 そのあと仕事に向かわなければならない自分が 少し惨めに感じました。 ツバメは、どこに行ってしまうのかわからない 不思議な飛び方をしていて、 その自由な飛び方にも心奪われます。

        • 絵本の読み聞かせ、どっちを先に読むか悩ましい

          「どっちを先に読んだらいいですか?」 絵本講座のときに、 園や小学校で読み聞かせボランティアをしている方から 質問されました。 どっちというのは、この2つの事です。 A 短くて愉快な話 B じっくり聞いて欲しい物語 わたし自身も、保育園で赤ちゃんから、小学校で6年生まで 17年間読み聞かせを続けています。 現場を知っているので、このご質問の意図はよくわかります。 長くやっていても、毎回毎回読む順番はじっくり考えます。 具体的にどうするのか「どっちを先に読んだからいいだ

        読み聞かせすると「本を読む子になる」は、ホント?

          外で絵本を読んで、見つけたこと2つ

          絵本を読むシチュエーショををいつもと変えてみたら、 見つけたことがありました。 爽やかな5月、外で絵本を読む5月、爽やかな風の中、屋外で絵本を読む機会が2回ありました。この2つはどちらも、仕事として「絵本」を使う中でのことでした。 1つは、「絵本で話そう~ゆるっと哲学」。 絵本を入り口にした対話の時間。 もう1つは、絵本の勉強会。 こちらは23年間毎月続けている、編集仲間との勉強会です。 でも、ふつうに家族が子どもに絵本を読むシーンでも 同様のことが言えるんじゃないか

          外で絵本を読んで、見つけたこと2つ

          みんながいいという本なのに、そう思えない自分は感性が鈍いのかな。

          読むべき名作らしいけれど 絵本講座やセッションで 「いい絵本を教えて」と同じくらい 「この絵本、どこがいいのかわからない」の相談を受けます。 子どもは何度も読んでと言うけれど、 今すごく売れてるらしいけど、 読むべき名作らしいけど、 \この絵本、どこがいいのか、わからない!/ ということです。 この問題、わからないという事実だけに留まらず、 ここからなぜか 自分責めに入っていきます。 「わからない」自分を責める こんなにうちの子が好きなのに。 みんなが読んで感動し

          みんながいいという本なのに、そう思えない自分は感性が鈍いのかな。

          知ったところでお金にはならないが、知ると世界が違って見える

          絵本の楽しみを案内する人、大久保徳久子です。 鳥のこと、知ってるようで、知らない。 そもそも、「鳥って」と主語を大きくして 知ろうとしたことはなかった。 世界の珍しい鳥について知らないのは 仕方ないとしても、 スズメ、カラス、ハトなんか、いつも見ているのに。 見慣れた風景の中に、鳥は入っていたのかもしれない。 大人のワークショップ・第2弾 そんなわたしも一人の講師として参加した 大人が自然ついて感じて考えて対話する 絵本を使ったワークショップ第2弾を開催しました。

          知ったところでお金にはならないが、知ると世界が違って見える

          みんなで本当にわからないことを考える

          絵本の楽しみを案内する人、大久保徳久子です。 大人が自然について考えるワークショップ 場所を埼玉から東京に移して 開催しました。 「もようは何のため?」の正解は このワークショップは、 知ってるようで知らない、生き物の「もよう」に焦点を当てた ワークショップです。 「生き物のもようは、何のため?」の問いに対して 絶対的正解はありません。 自分の体を通してみたり、 対話の中で他者の意見を聞いたりして 問いを手探りしていきます。 興味津々のツワモノたち 今回の参加者は

          みんなで本当にわからないことを考える

          ちゃんとした読み聞かせをしようとし過ぎて疲れてない?

          ちゃんとした読み聞かせをしようとし過ぎて 辛くなってる人は多い気がします。 誰だって最初はドキドキしてる ふだん絵本講座を主催しているわたしが、 小学生に読み聞かせを スタートしたのは、いまから18年前。 その後は場所を小学校から保育園に変えて 読み聞かせを継続中。 絵本を通した 子どもたちとのやりとりが面白くて 18年続けてきました。 始めて読むときは 前の日からドキドキしました。 ふだん緊張しないタイプなのにも関わらず、 四年生を前にして たくさんの目が注目する

          ちゃんとした読み聞かせをしようとし過ぎて疲れてない?

          絵本は「大人の学び」に使えるツール

          絵本の楽しみを案内する人、大久保徳久子です。 絵本を大人が自然科学を学ぶための ひとつのツールとして使った ワークショップを開催しました。 知ってるようで知らない 生き物の「もよう」に焦点を当て 生き物の生存戦略を考えるプログラム。 「もようの目的ってそもそも何?」 「しかもどうして、あの模様?」 「えー、じゃあ、オスだけなのはなぜ?」 「あんなに派手なのって、つまり・・・」 いろんな言葉が飛び交いました。 遊んでいるみたいなことが、学びの入り口 でも、講座が始まっ

          絵本は「大人の学び」に使えるツール

          映画『ぼくたちの哲学教室』を見て、考えた。

          小学生が哲学で対話する。 北アイルランドに実在する 公立男子小学校が舞台のドキュメンタリー映画 『ぼくたちの哲学教室』が、 めちゃくちゃ素晴らしかった。 小学校に哲学の授業がある。 きっちりと、主要科目に入っている。 こう聞くと驚くかもしれない。 けれど、そこには深い背景が存在してる。 北アイルランド紛争の爪痕がまだ、 街の隅々まで残っていて、 子どもたちの生活にも影を落としていた。 憎しみの連鎖を断ち切るには、 暴力対暴力の図式ではダメだ! 哲学よる対話を用いる

          映画『ぼくたちの哲学教室』を見て、考えた。

          夏休み、読書も成長する。

          夏はどんどん伸びる時期。 子どもは夏休みに一気に成長する。 と、思う。 なんのエビデンスもないのだが、 夏休み明け、久しぶりに会う子を見て 「うわ、顔つき、違うね」 「一回りデカくなったなあ」と感じた経験のある人は 多いのではないかと思う。 それと同じように、 夏休みに子どもの「読書」も成長する。 これは、わたしが子育てをしていて 毎年感じていたことだ。 時間があれば、なにが起きる? 夏休みは、そうでない子もいるだろうが、 たいていは、普段の生活よりも 時間の余

          ラジオを2年続けたら、いいコトしかなかった。

          へんてこ あなぼこ まわりみち 欠けていることを楽しむラジオ こんなテーマで、ラジオ配信をスタートして、 2年。 月に2~3回配信で、いままでトータル63回の配信。 パーソナリティは、二人、 編集者で絵本講座主宰のわたしと、 英仏絵本翻訳のプロふしみみさをさん。  彼女の翻訳した本は、200冊を超える。プロ中のプロ。 絵本の話もすれば、読んだ本の話しや 教育の在り方、社会に対しての疑問も話す。 フランスによく行くふしみさんからは、 フランスの情報も飛び出して、日本を外か

          ラジオを2年続けたら、いいコトしかなかった。

          「絵本を読みましょう」が脅しになっていないか。

          「やっぱり、絵本って、読ませたほうがいいんですよね?」 「読み聞かせって、子どもにいいんですよね」 子育て中の方から、よく聞かれます。 絵本講座などやっているわたしに、 恐る恐る小声で聞いてこられるのです。 その言葉を聞くだけで、 どれだけたくさんの「絵本を読みましょう」攻撃にあっているのか 想像できます。 絵本を読まなくても生きていける絵本なんてない時代だって、 ちゃんと人間は育ってました。 「絵本を!」「読み聞かせを!」と、日本で ここまで盛んに言われるように

          「絵本を読みましょう」が脅しになっていないか。

          絵本の「絵」と「画」の違いは、なに?

          読者さんの質問にお答えします。 ブログとは別に発行しているメルマガ読者さんから 質問がありました。 Q ずーっと疑問だったことお尋ねしたく 絵本の表紙に、作〇〇、絵〇〇、など、 著者の名前が書いてありますよね。 時々、画〇〇、と書いてあるものがあります。 絵と画、何か違いがあるのでしょうか? かなりマニアックな、いいとこついたご質問! 絵本をじっくりと見ているから 気づいたのだと思います。 大人の本と、絵本の決定的な違いまず大前提として 大人の本だとたいていは、書

          絵本の「絵」と「画」の違いは、なに?

          読み聞かせひとつで、家の空気が変わる

          多忙な中の「読み聞かせ」絵本講座をしていると 多忙なママたちに、たくさん出会います。 そんな多忙なひとり 絵本講座の受講者さんが、 講座の後日談を報告してくれました。 家の空気感まで変わった様子に 驚きました。 新しい段階に入って、新しい楽しみをみつけた読み聞かせひとつで、家の空気が変わるまず、娘さんが喜んでる! そして、読んでるお母さんも、ワクワクしてる! お父さんに、娘さんが 「この本おもしろいよ」と勧めてる。 うわあ、その様子を思い浮かべるだけで ニンマリと顔

          読み聞かせひとつで、家の空気が変わる