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「絵本を読みましょう」が脅しになっていないか。

「やっぱり、絵本って、読ませたほうがいいんですよね?」

「読み聞かせって、子どもにいいんですよね」

子育て中の方から、よく聞かれます。

絵本講座などやっているわたしに、
恐る恐る小声で聞いてこられるのです。

その言葉を聞くだけで、
どれだけたくさんの「絵本を読みましょう」攻撃にあっているのか
想像できます。

絵本を読まなくても生きていける

絵本なんてない時代だって、
ちゃんと人間は育ってました。

「絵本を!」「読み聞かせを!」と、日本で
ここまで盛んに言われるようになったのは
2000年以降くらいからなので、
ここ、20年ちょっとのことです。

絶対読まなければいけないものでは、ありません。

それを分かったうえでも、
子どもに良い影響があるなら、なんでもやりたいと、
不安になって行くのだと思います。

良いことを声高に言われると、よけいにつらい

もちろん、編集者であり、絵本講座を主催するわたしは
「絵本はよい」と、心底信じています。

そんなわたしでも、
正直なところ、いまの世の中は、
慣れない育児に追われてる新米ママ・パパに
「絵本を読みましょう」と一方的に言い過ぎだと思っています。

良かれと思っての発言であることは、重々わかってます。

子育てしやすい経験から、
そのほうがいい子育てができるから、
母子の健全ななんとかかんとかの理由はさておいても
何度も何度も聞かされると、できてないと不安になるのは
当たり前です。

ただでさえ、右往左往している時期なのに。

全員が体験者

開催している「赤ちゃんのための絵本講座」に来る方たちは
子育てする中で、

支援者や行政を含め一度ならず
「絵本を読みなさい」と言われたことがあると言います。

例外なく、全員です。

「読めるならとっくに、やってる」
「読みなさいっていうけど、
やり方、ぜんぜんやり方がわからない」
「読んでみたけど、これでいいのかわからない」
困りに困っている方をたくさん見てきました。

本当にそう。

読みなさい、いいです、というなら
読み方や本の選び方をもっと丁寧に教えてあげないと。


いろんな子がいる、いろんな親がいる、いろんな伝え方がある

そして、教えるなら、
ただ、自分がやってきたやり方だけでは
不親切です。

なぜなら、子どもは一人として、同じではないからです。
親もそうです。
そして、伝え方もひとつだけでは足りない。

教育と同じと考えるとわかりやすいと思います。


イロイロがあることを知った上で
絵本の良さ、読み聞かせの楽しさを伝えて欲しい。

絵本講座をしながら、いつも自分に言い聞かせているのは
「絵本を読みましょう」「そうすればよくなる」と
誘導するようなことはしないということ。

脅して勉強させるのと、おんなじ方法はとりたくないのです。

ラクに絵本とつきあって


絵本講座の帰り際、参加者さんたちから
立ち話でホンネがこぼれるとき

「あー、なんかラクになりました」
言ってもらえると、ほっとします。

なぜ絵本を読むのか
その理屈がわかったら、人は自分で判断できる。

そうすると、ラクになれるのです。

絵本を読みなさいという、育児の重荷を
軽くできる人増やしたい。

それがわたしなりの「子育て支援」だと
いまのところ思っています。


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