映画『ぼくたちの哲学教室』を見て、考えた。
小学生が哲学で対話する。
北アイルランドに実在する
公立男子小学校が舞台のドキュメンタリー映画
『ぼくたちの哲学教室』が、
めちゃくちゃ素晴らしかった。
小学校に哲学の授業がある。
きっちりと、主要科目に入っている。
こう聞くと驚くかもしれない。
けれど、そこには深い背景が存在してる。
北アイルランド紛争の爪痕がまだ、
街の隅々まで残っていて、
子どもたちの生活にも影を落としていた。
憎しみの連鎖を断ち切るには、
暴力対暴力の図式ではダメだ!
哲学よる対話を用いるほかはない。
こう考えた小学校の取り組みだった。
いいモノに触れたら、誰かと話したい
余計な説明はなく、映像で見せていく
絵に力のある映画だ。
あそこが素敵、あのシーンが胸を揺さぶる。
ああ、誰かと話したい!
いい映画を見ると
むしょうに誰かと話したくなります。
「わかる〜!わたしもそうなる~!」と、
共感してくれる人は多いはずです。
映画の場合は。
でも、それが絵本になると
なぜか「絵本はただ感じればいい」と
おっしゃる方が少なからずいます。
これは、どういうことなのだろう。
映画と、絵本とでは、なにが異なるのだろうか。
過去のやり方から、巣立つ
一つの仮説としてだが、
絵本は教育的な目的や、親の期待などが
微妙に絡んでいるモノでもある。
もしかしたら、
過去の
・無理やり感想を言わされる
・発言に点数をつけられる
・正解がすでに決まってる
こんな悪しき体験が
言わせていることなのかも知れない。
けれど、
もう、そんな時代は終わりにしよう。
この映画が、そのことを力強く伝えています。
どんな発言も尊重される。
思ったこと、感じたこと、
考えたことを
素直に言葉にして
たとえお互いに違っていても
その違いさえも、認め合うことが大切なのだと。
子どもたちに
「発言が尊重される世界をプレゼントしたい」なら、
まず大人がその心地よさを体験したらいい。
無視されたり
聞いてもらえないのでもなく
途中で反対意見を言われることを恐れることなく
声の大きい人の意見ばかりが称賛されるのでもなく
自分の意見が尊重されるとは
こんなに生きている感覚があるのかを体験する。
そう実感できたら、きっと子どもたちにも
その世界を用意したくなるはずだから。
この映画は、
見た人、ひとりひとりが自分の生活を
少しでも変えることで、より輝く。
そう思います。
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