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「そもそも、私たちはなんのために頑張っているんだっけ?」と絵本を読みながら議論した。


幸せ世界の代表『ぐりとぐらのおきゃくさま』


毎月開催している「絵本で話そう~ゆるっと哲学」のイベントで
「絵本の中の幸福」が話題にのぼった。

毎回、一冊の絵本をテーマにして好きに語りあう会なのだが、
12月は『ぐりとぐらのおきゃくさま』(福音館書店)だった。

あの『ぐりとぐら』のクリスマス絵本だ。

終始、幸せな世界が描かれていて
寒い日に、ほかほかココアのカップを両手で包み込んでるような
じんわり温かい気分に浸れる絵本。

ちょっと意外なのは、『ぐりとぐらのおきゃくさま』は、
ぐりとぐらにサンタさんが
プレゼントをくれる話ではないこと。

物のプレゼントはないけれど、
サンタさんがぐりとぐらの家に来て、
大きくてクリームたっぷりのケーキを手作りしてくれる。
これはこれで、とってもゴージャスで嬉しい話だ。

そのケーキを、たくさんの動物たちと分け合い
踊ったり歌ったりする。
とにかくハッピーで気持ちのいい大団円で終わる。

あくせくしたり、不気味な不安が漂う「厳しめな現実社会」とは、
真逆の「平和な世界」。


なぜ、こんなにも幸せ感をこの絵本から
感じるんだろう。

どうして、そんな描き方をしているんだろう。


参加者さんと、そのことを話し合ったら、
ひとつ大事なことが見えてきた。


そもそも、わたしたち、
なんのために頑張っているんだっけ?


そもそも。


わたしたちが、あくせく日々暮らしているのは、
なんのためだったろう。

現実は厳しい。でも、毎日みんな頑張ってる。

当たり前すぎて、忘れそうだけど、
わたしたちは、
「幸せ」というゴールに向かっている。

みんなが、幸せで笑ってる。
誰かと、楽しさを分け合ってる。
誰もが、苦しみのない世界。

わたしたちは、
この理想の世界で生きたいと思っている。

ならば、
絵本の「幸福な描写」は、
わたしたちが目指しているゴールそのもの。

絵本は、わたしたちの目指している「幸せ」というゴールを
ありありと目に見えるようにしてくれている。

だから、現実と違っていいのだ。

日々の忙しさで忘れてしまっている大人に
絵本は
幸せのゴールを再認識させてくれる道具でもある。

そして読み聞かせは、
幸せのゴールを、子どもと共有する体験なのではないかと、思うのだ。



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