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小学校に『遊び』を取り入れよう はじめに 問題行動は『実行機能』の凸凹か未熟が原因

 私は教育委員会で教育相談係を、14年間ほどやってきました。先生が困っている子どもに対して相談にのってきたのですが、裏を返して言えば、学校の集団生活に困っている子どもたちに支援してきたことになります。次のような困っている子どもがいました。
 
 ・授業中に、騒いだり寝転んだりする子ども
 ・ブランコに乗りたくて、教室から飛び出す子ども
 ・クラスメイトとトラブルばかり起こす子ども
 ・何故か、いじめてしまう子ど
 ・いじめられて不登校になる子ども
 ・学校ではおとなしいのに、家に帰ると暴れる子ども。
 ・漢字が覚えられない子ども
 ・算数だけできない子ども
 ・運動がまるでできない子ども すごく不器用な子ども
 ・宿題を全然しない子ども 異常に時間のかかる子ども
 ・片付けができない子ども

 そして、それらの子どもたちの問題行動の根本には、大抵発達上の弱さがありました。本来ならば、6歳までに育ってきているはずの「発達の力」が育ってきていないのです。それも『見る』『聞く』『注意集中する』の認知面の凸凹よりは、それらを使いこなす『実行機能』の弱さの方が問題でした。 


 それには、生まれながらの弱さがある場合(脳機能の凸凹)と家庭に環境等によってうまく育っていない場合(発達の未熟と呼ぶ)の2つの原因がありました。

 そこで、『実行機能』の弱さや未熟を支援する方法を色々工夫しました。それは、「実行機能の弱さや未熟には直接働きかけず、『実行機能』が影響しにくい『長期記憶』を使って支援する」という4つの方法でした。《覚えて作戦》と名付けて、たくさんの子どもの学校生活の困り感を助けてきました。
 これまで書いてきた「0歳から3歳」編や「4歳から6歳」編も、長期記憶に知識を育てることで、実行機能の凸凹や未熟で起こる問題行動を乗り切る方法でした。

 しかし、《覚えて作戦》は結局は対処療法なのです。そこで「実行機能そのものを育てる方法はないのか」と思うようになりました。そして、実行機能の発達について書かれた文献やインターネットを多数調べました。

 ついに、自分のやってきた実践と合わせて、実行機能を育てるための条件というのが分かりました。それらの条件を1番うまく満たすのは、『遊び』だったのです。遊び以外には、ありませんでした。
 だから、小学生になってもまだ実行機能に弱さや未熟があり、問題行動を起こしてしまっている子どもがいたら、「遊び」を取り入れて欲しいのです。実行機能を育てて欲しいのです。叱ったり、甘やかしたりしている場合ではありません。

 今後、第1章では、実行機能が『遊び』で育つ理論について、第2章では、学校での『遊び』の効用について、第3章では実際の教室の中での『遊び』の使い方を、第4章では実行機能を育てるのに使いやすい『遊び』を紹介していきます。

《遊びの紹介》は、現在はマガジンに入っています。
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このマガジンは、これで1冊の本とし完成しています。

これで本として完結しています。小学校で実行機能の発達を促すのは、遊びだけです。その理論と実際に休み時間や授業の隙間、体育で使える遊びを精選…

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