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受け入れの方法とスキル 第1段階 その5

ある1日の様子(続き)

④畑で苗を植える

 支援学級では、ハーブとイチゴを植えて育てています。収穫したら、それらを使ってクッキングをして食べる活動をするのです。
 みーちゃんだけ、まだ、自分の分を植えていません。全然、興味がないからです。
 でも、昨日、みーちゃんは「ミミズ」が好きだということが分りました。そこで、それを利用してハーブとイチゴを植えることにしました。
   注)騙したような形になりますが、先生が知らない間に
     植えてしまうよりいいでしょう。

先生「みーちゃん。ここが、すぎの子(支援学級の名前)の畑だよ(「覚え
  て」)。 は・た・け。覚えてね。」

みーちゃんは、草がなくて土ばかりの畑を見つめている。

先生「じゃ、ここ掘ってみて。ミミズがいかもしれないよ。はい、スコッ
  プ。ここら、あたりね。」

 スコップを手に持たせてあげると、伊藤先生が苗を植えようと指さしたところを掘り返しました。

先生「どう?ミミズさん、いたかな?あれ?いないね。残念。ミーちゃんも
  言って。『残念』。じゃ、穴埋めとこうね。」

 そう言いながら、イタリアンバジルを穴に入れて、みーちゃんと二人で埋める。みーちゃんは、手が汚れるのが嫌いなのでスコップでやっている。

すぎの子の畑

先生「じゃ、次、どこ掘ってみる。今度は、ミミズさんがいたらいいね
  (「共感」)。」

 みーちゃんは、先生を見ながらイタリアンバジルの横を掘り始める。

先生「あれー、今回もいないね。せーの。『ざ・ん・ね・ん』。しかたない
  から、また埋めるよ。」

 今度は、伊藤先生がプチトマトを植えて埋めていると、みーちゃんは埋めないで、その隣を掘り出した。どうしても、ミミズを探したいようだ。

 これを繰り返して、イチゴとプチトマトとサツマイモとミントを植えた。そして、なんと、サツマイモのときに大きなミミズが出てきて、みーちゃんは大喜び。「スコップの上に載せて」と目で要求してきた。

先生「分かった。スコップの上にミミズを載せて欲しいんだね(「想
  像」)。もっとよく見たいよね(「共感」)。じゃ、載せてあげるから
  お願いしてください(「すみません」)。」

「お願いします」と先生が言いながら、みーちゃんの頭を手で少し下げさせる。
   注)この段階では、「すみません」は、この程度でかまいません。

先生「ちゃんと、お願いできて偉いね(「共感」)。じゃ、載せるよ。先生
  も、ちょとこわから、・・・はーーーーーーい。」

 その後、スコップのミミズを支援学級にもって帰り、支援学級の子どもたちに見せて回っていた。

⑤服を着替えた

 みみず探しで服が汚れたので、着替えることにしました。

(その6に続く)

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