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《注意集中に課題があるタイプ》のアセスメントとその支援の方法  その14 具体的な支援の方法⑬

「ユニバーサルデザインの授業法(どんな子どもにも分りやすい授業法)」の解説は、今回でお終いです。あと2つだけ解説します。

授業の内容・技法-5

36 視覚情報と聴覚情報は同量になっているか

  現在の授業は「先生が、知識を説明する」言葉が中心に展開されます。しかし《聞いたことをまとめるのが苦手なタイプ》もいるので、お話と同じだけの視覚情報を提供する必要があります。だから、先生は「視覚情報で聴覚情報を補う」と考えのではなく、完全に一致してるかどうかを点検しなければなりません。そしてコツは、それを同時に提示することです。つまり、視覚情報を提示しながら説明するのです。

 聞く授業は、だんだん積み上げていく知識であり、見る授業は全体を一気につかむ知識です。「見る」「聞く」だけでなく「学び方の違い」の補いにもなっています。(前項35の継次処理、同時処理参照)

 最近は、ICTが進みタブレットが一人一人に行き渡っていますので、視覚情報の提供が大変楽になってきています。今までは、模造紙かOHP原稿に手書きしていました。 


37  ノートを写すのに時間がかかる子どもいること
  に対して、 配慮・工夫しているか

 35と同じ内容のようですが、少し違います。書くのが遅い子どもをどうしても待たなくてはいけない場面が出てきます。板書が少し多いのですが、どうしても全部写さないといけない場合です。高学年になると、増えてくるでしょう。
 そういうときに、早く書き終えた子どもが待つための配慮・工夫のことを 言っています。「お前は、書くのが遅い。どうして、私達がお前を待たないといけないのか?」とならないための配慮・工夫です。

 次にやるべきことを決めておいたり、楽しい取り組みを用意したりするといいでしょう。一番いいのは、難しい問題に挑戦してもらうことです。なぜなら、早く写せた子は知的レベルが高い可能性があるからです。

 高学年なら、書くスピードが遅い子がいる理由等を説明してもいいかもしれません。

 以上で「ユニバーサルデザインの授業法(どんな子どもにも分りやすい授業法)」の解説はお終いです。
 つまり、①の「注意が切れる・課題がわからなくなる」と②の「クラスルールを知らないで違反する」の具体的支援の代りに解説しました。

 《注意集中に課題があるタイプ》が困ることへの支援について、③から解説を続けます。①と②の支援の説明が長くなったので、困ることを再掲しておきます。

《注意集中に課題があるタイプ》が困ること


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