ちえり

大学院進学希望の宝塚歌劇好き 演出部志望

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『教育による富の循環、それに気付かない人たち』

私は生まれてから12歳の夏まで、「教育による富の循環」の、渦中にいた。 いや、渦中にいたという表現よりも、私は月に1万円のボロアパートに住んでいたから、その循環を「傍観していた」というのに近いかもしれない。 「傍観」しておきながら、目先の娯楽のことだけしか考えずに生きていた、馬鹿な小学生だった私は、その「循環」がなぜ生まれているのかも考えず、なんとなく「私の住んでる場所って頭の良い子が多いらしい」と思いながら過ごしていた。 塾に通う友達、たくさん習い事をしている友達、

    • 幼稚園から感じた女子のモヤモヤ

      ”ジェンダー学”。”フェミニズム”。 この言葉を知ったのは、恥ずかしながら高校生の時だった。 しかし、高校生の当時は学校での大学受験のための勉強に追われ、特に深くジェンダー学やフェミニズムを知ろうと思うことはなかった。 強いて言うなら、高校2年の時に探究レポートで上野千鶴子さんが2019年に東大の入学式で行った式辞について触れたとき、少し調べたくらいだった。 ただ、今になって思うのは、高校生の時にもっとジェンダー学やフェミニズムについて学んでおくべきだった、ということである。

      • 私は宝塚歌劇の”ファン”なのか?

        私は小学3年生の頃から宝塚歌劇が好きだ。 20歳の今日まで、ずっと自分は宝塚歌劇の”ファン”だと思ってきたが、11年目に入った最近、自分が本当に”ファン”なのか疑わしくなってきている。 というものの、自分の宝塚歌劇に対する見方が大多数の(私の周りの大多数の、ではあるが)ファンの人達と違い過ぎるのをしょっちゅう実感するのだ。そんな経験を繰り返し、自分が本当に”ファン”であるのか自分の中で疑わしくなってきてしまったのである。 宝塚歌劇に私が向けるまなざし 先ほども書いたように

        • 女性の”美しさ”は誰のため?      強制的異性愛と女性の美について    

          この前、大学でこんな本を見つけた。 ラディカルフェミニズムの本で、シーラ・ジェフリーズによって書かれた『美とミソジニー』という本である。 美容行為を男性支配と女性の従属を促進させる「有害な文化習慣」としてとらえ、西洋中心的・男性中心的価値観を痛烈に批判する…という、THE・ラディカルフェミニズムな本で、興味を持ったので読んでみた。 女性が美しくなろうとするのは本当に「個人の選択」なのか?について論じており、韓国で巻き起こった脱・コルセット運動の原点になった本だという。 女性

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        『教育による富の循環、それに気付かない人たち』

          大学院に行きたい娘、少子化憂う母

          大学院進学の話をしていた時、母親が突然こんなことを言った。 「大学院進学をする女の子が増えると、少子化が進むわねぇ…でも、院に進学したいと思う女の子たちの翼を折る訳にはいかないし、少子化問題って難しいのねぇ」 今まで大学院進学については、「失敗して1年間何者でも無くなること」「学費とひとり暮らしのお金で、親に迷惑をかけてしまうこと」の主に2つを心配していて、それ以外について考えたことはあまり無かった。 しかし、母親から突如こんなことを言われて、私はかなり困惑した。 「大学院に

          大学院に行きたい娘、少子化憂う母

          男のような何か(男役)を求め続けて      ~男女の身体能力差と男役の存在~

          今から数年前、体育の時間に体力テストの平均が掲載された資料を見ていた高校生の私は、衝撃を受けていた。 以下の画像は、私が見た資料そのものではないものの、ABEMA TVで紹介されていた資料である。 この画像は、令和4年度にスポーツ庁が中学2年生の生徒を対象として行った、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を示したものをABEMA TVが紹介しているものである。 男子の結果は青で示され、女子の結果はピンクで示されている。 長座体前屈こそ女子の記録がどの年でも男子の記録を上

          男のような何か(男役)を求め続けて      ~男女の身体能力差と男役の存在~

          宝塚歌劇は非リアに優し。

          私には彼氏が居ない。 彼氏どころか好きな人も居ない。 居たらいいとは思うのだが、出会いがない。 そもそも、友達から恋人関係に発展させていく方法が分からない。知らない。 どうすれば血も繋がっていない赤の他人が、自分のことをひたすら大事にしてくれ、愛してくれるのか、さっぱり分からない。 友情なら理解出来るのだが、血の繋がらない全くの赤の他人に、恋愛的な愛情を抱かせることなんてあまりにも難しいと思う。 もちろん人によって違いはあるだろうとは思うが、少なくとも私には超絶難しい。 そも

          宝塚歌劇は非リアに優し。

          私は子宮の「重さ」に耐えられない

          ここでいう「重さ」とは、物理的、つまりグラムとかキロとかの単純な単位で表すことのできる重さのことではない。 精神的に存在が重いことを示すための、「重さ」である。 実際の子宮の大きさは鶏卵くらいの大きさ、そして約40~50グラム。 おそらく私の子宮もそれくらいの大きさで、特に何も言われたことが無いので、他の女性たちとさほど変わらないのだろう。 それなのに、私は子宮の「重さ」に耐えられない。 もっと分かりやすく言い換えれば、子宮を持つ身体に生まれたことによる「重さ」に耐えられない

          私は子宮の「重さ」に耐えられない

          閻魔大王に舌を抜かれ続ける舞台人

          中学生の頃、とある舞台で演出助手として関わらせて頂き、使用する大道具を修繕した時の話である。 その大道具は全て段ボールで作られた、自分の身長より少し小さな柱だった。 下の土台に柱をくっ付けているという構造だったので、土台と柱の接合が上手くいっておらず、柱が舞台稽古中に土台から取れてしまったのである。 舞台稽古が終了した後、早く修繕を済まさなければ…と思った私は、ガムテープを用いて土台と柱をくっ付けるだけという、かなり中途半端な修繕をした。 修繕した柱を抱えて、ホリゾントと呼ば

          閻魔大王に舌を抜かれ続ける舞台人

          低用量ピルを使って生理を変えた話

          理不尽だと思っていた。 将来産むかどうかも分からない子どものために、自分の身体が月に1回も体調不良を引き起こすことが。 それは大事な試験や模試の時でも、人生を左右する高校受験や大学受験の時でもお構いなしにやってくる。 鎮痛剤を飲んでも効かず、貧血気味になり、気分は不愉快なままである。 しかもタブー視されていることだから、普通の頭痛や腹痛と同じように痛みを訴えることは難しい。 生理?そんなの知りませんよ!という顔をして、いつも通りに振る舞う。 しかし、もう限界が来た。もう耐えら

          低用量ピルを使って生理を変えた話

          宝塚歌劇のときめきの先にあるもの

          題名に「宝塚歌劇のときめき」と出しておきながら、あまりにも現実的で希望の無いようなことを書くのはナンセンスだが、それを承知で書く。 日本のジェンダーギャップ指数は、146か国中125位である。 これは昨年(2023年)のデータなので、もしかしたら今年(2024年)の順位は良い方向に変わったものになるかもしれない。 しかしながら、一昨年(2022年)の順位が146か国中116位であり、その翌年の2023年の順位は9ランクも下がった125位であったことを踏まえると、今年(2024

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          宝塚歌劇の娘役が「女」役ではなく「娘」役である理由

          以前からこのnoteの記事では宝塚歌劇の男役について、様々なことを書いてきたが今回は娘役について書いてみようと思う。 私が今のようなヅカファンになったのは小学3年生の頃だったが、まだまだ子どもで物事を深く考えられなかった私は、常にこのようなことを思っていた。 なぜ宝塚で男性の役を演じる人は「男」役なのに、女性の役を演じる人は「娘」役なのだろう…と。 物事を深く考えることが苦手だった小3の私は、男性を演じる人が「男」役なら、女性を演じる人は「女」役となるはずだと、よく考えること

          宝塚歌劇の娘役が「女」役ではなく「娘」役である理由

          自分の生活圏が大好きなタカラジェンヌの写真集の世界になった話

          私は北九州の大学生だ。 小倉の街を当てもなくとっつき歩いては、ある日は小倉駅のスタバで血眼になって締め切り間近のレポートを仕上げようと必死になり、ある日は失いそうな単位のことを考えながらぼんやりと井筒屋から紫川を歩き、ある日は友達と騒ぎながら旦過市場でにんにく鳥皮串を頬張る。 旦過中央市場の方までたどり着き、斎藤商店の目の前を通っては映画のセットみたーい!と言ってかっこつけてみるが、もうすぐ3限の時間だと気付いたので慌てて斎藤商店の前をダッシュして、駅の方まで飛んでいく。 戸

          自分の生活圏が大好きなタカラジェンヌの写真集の世界になった話

          2024年になっても宝塚歌劇団が劇団員を「未婚」女性に限定している理由

          宝塚歌劇団は女性だけで構成された歌劇団であるということで有名だが、女性は女性でも「未婚」女性だけで構成されているというのは、意外と知られていないことではないのだろうか。 宝塚の存在だけは知っている人たちから、「タカラジェンヌって結婚してる人多いの?」と頻繁に聞かれ、「いやいや、タカラジェンヌってみんな結婚してないんだよ。結婚するなら退団しないといけないの」と返答していた。 その度に、2024年になっても宝塚歌劇団が劇団員(タカラジェンヌ)を「未婚」の女性に限定している理由はい

          2024年になっても宝塚歌劇団が劇団員を「未婚」女性に限定している理由

          「宝塚大好き、ここで働く以外考えられない」というただひとつの真実を守るために、Twitter(X)をやめる話

          【追記】 結局Twitterを辞める方法が分からず、Twitterのアカウントは残しました。が、Twitterはかなり見る頻度が少なくなりました。今後は、noteの記事の宣伝や、その記事に対して反応をくださった方への返信を中心に使おうと思います。 ‪✂︎‬------------------キリトリ線-----------------‪✂︎ 昨年9月30日のことだった。 いつものように、夜中にテレビで宝塚を観ていたら、スマホに衝撃的なニュースが飛び込んできた。 観ていた演目は

          「宝塚大好き、ここで働く以外考えられない」というただひとつの真実を守るために、Twitter(X)をやめる話

          その性別に生まれてきた時点での負担について

          私は小学生の頃まで、特に性別というものを意識して生活することは無かった。 男子は男子、女子は女子というただの分類であって、それによって特別何かを考えるということが無かった。 小学生の頃までの私にとって、性別とは単なる人間を分けている、ひとつの最大のものであって、それ以上でもそれ以下でも無かった。 というのも、小学生の頃までの私には、自分が女である、つまり自分の性別を意識させられるという経験が殆ど無かったのである。 幸い、女だからと言って勉強などを制限されることもなく、習い事

          その性別に生まれてきた時点での負担について