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その性別に生まれてきた時点での負担について

私は小学生の頃まで、特に性別というものを意識して生活することは無かった。
男子は男子、女子は女子というただの分類であって、それによって特別何かを考えるということが無かった。
小学生の頃までの私にとって、性別とは単なる人間を分けている、ひとつの最大のものであって、それ以上でもそれ以下でも無かった。
というのも、小学生の頃までの私には、自分が女である、つまり自分の性別を意識させられるという経験が殆ど無かったのである。 
幸い、女だからと言って勉強などを制限されることもなく、習い事を制限されることもなく、その他にもとにかく女であるという理由で翼を折られることはなしに育てられてきたために、私は性別を意識するという経験が殆ど無かった。
しかし、中学生〜高校生になると私の性別に対する意識はかなり変化した。
今思えば、当たり前のことである。身体的、精神的にも色々と大人へ変化する中で、自分が「女である」という理由でやってくる変化はあまりにも多かったからである。それゆえに、小学生時代と比べ、私は明らかに性別というものを意識するようになった。
その性別に対する意識はやがて、性別が生む様々な問題…、負担や分裂に対しての意識に変わっていった。
以前から、そして今も正直に思っているのは、「女性は男性に比べて、その性の身体として生まれてきたことによって生じる負担が多いのではないか」ということである。私は、「男性は楽だ」とか、「男性にはなんの負担も強いられていない」と言いたい訳では一切無い。ただ、女性によってもちろん個人差はあれど、女性は女性としてその性に「生まれてきた」という時点で、様々な負担を背負わなければならない、と私は感じている。個人差はあれど、女性の身体を持って生まれてきたというその時点で、様々な負担を背負わなければならない、と私は感じているわけである。
月に1回やってくる生理、それに伴う体調不良はもちろんのこと、痴漢を初めとする性犯罪の被害者になるリスクが男性に比べてあまりにも高く、電車に乗る際には気を遣い、夜道を1人で歩くのは危険で、一人暮らしをする際には、男性よりも防犯面にかなり気を遣わなければならないこと…など。
女性は男性に比べて力が弱く、出産可能な性別であることが大きく関係して、個人差はあれど女性には女性の身体に生まれてきたという時点で、多くの負担が強いられていると私は思う。
生物学上、女性の身体が男性に比べて力が劣り、出産可能な身体である限り、この負担をゼロにするのはかなり難しいことではあるとは思う。しかしながら、今の社会は、女性が女性の身体に生まれたことによって強いられている負担を、あまりにも軽視、時には蔑視し過ぎてはいないだろうか?
未だに日本の保健体育の授業では、全ての児童・生徒に女性の生理について、PMSや生理痛の程度など、様々な面を含めた上で指導を行っていないこと、生理用品が生活必需品であるのにも関わらず課税対象であること…。性犯罪のニュースが出た際に、被害者の女性にも非があったのだ、そんな格好をして誘惑をするからいけないのだ、という声が一定数あがること、痴漢対策として設けられた女性専用車両に対して、逆差別だ!という声があがること…。
挙げだすとキリが無いが、今の社会を見ていると、女性が女性の身体として生まれてきたことによって強いられている負担は、あまりにも軽視、蔑視されていると感じる。
先程も書いたように、生物学的に女性の身体は男性よりも力に劣り、出産可能な身体であることから、その負担をゼロにしようというのはかなり難しいことかもしれない。
しかしながら、今の現状のままで良いのだろうか?
負担をゼロにするのはかなり難しいことだとしても、その負担に対して、もっと社会が関心を向けて、真剣に向き合うべきではないのだろうか。
フェミニズム運動や、それに携わる人々に対し、クソフェミ等という言葉を浴びせる人々がいるが、その人達はこの現状を分かっているのだろうか?
もちろん、最初はフェミニズム運動だとされていたものが、徐々にただの男性差別運動、男性嫌悪運動に繋がっているものもあり、そのような運動や、それに携わる人々にそのような言葉が向けられてしまうのは仕方ないことだと私は思う。
しかし、女性が女性の身体として生まれてきたことによって強いられる負担があまりにも軽視、蔑視される現状に対して、ただただ異を唱え続ける人達に対して、そのような言葉を向けるのは間違っていると思う。
男性にだって大変なことは沢山あるし、女性たちの間でもその負担には人によって個人差があるために、全ての人達が真剣にその負担に対して向き合うことは難しいことかもしれない。
だが、そのような現状がある、存在しているということに対して、少しでも多くの人達に関心を向けて欲しいと切に願っている。

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