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あなたに捧げる手紙たち

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書き溜めてあったままの ラブレターたち
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忙しくて

忙しくて

最近手紙を書かなくて
ごめんなさい。

忙しくて。
自分のことで精一杯で。

いや、
ちょっと待って。
忙しい
っていうのは言い訳かも。

本当にバタバタしてたし
やることが多くて
狂いそうだったけれど

合間の時間なんて
本当は、
いつでもあるでしょう?

正直ね。

あなたから離れたくて。

だって、
もう嫌なの。

3秒ごとに
返信が来てるか
見てしまう
私のことが。

あなたがいそうな場所

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電話越し

電話越し

たまにあるでしょう?

何もかも、
うまく行かないとき。

そんなときには
決まって、

あなたの声が
聞きたくなる。

無性に電話を
かけたくなる。

もし電話をかけて、

あなたに会いたいの。

なんて言ったら、
どう思う?

会いに来てくれる?

今、
電話かけたら
出てくれますか?

携帯が振動するたびに、
通知にあなたの
名前を探して。

携帯なるたびに、
あなたの電話だって
期待してる

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満員電車

満員電車

ガタゴトガタゴト

満員電車に乗ってると
貴方のことを考える

ガタゴトガタゴト

思い出たちが
フラッシュバック

ガタゴトガタゴト

最初にふたりでちゃんと
話したのは
確か電車の中だったよね。

最初は3人で
帰ってたけれど
途中で2人になったんだっけ。

心臓がはちきれそうなほど
緊張してたなあ。

ガタゴトガタゴト
ドックンドックン
ガタゴトガタゴト
ドキドキドキドキ

でも、
それはも

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鍵

誰にも
教えたことがない事、
教えてあげる。

初めてあなたを、
意識し始めたときの話。

何年か前のあの日。
私は失恋したばかりで。

泣きそうになってる
私を見て、

どうしたの?
って聞いてくれた日。

絶対に記憶にないでしょ。笑

いいの、
私だけの思い出。

もう立ち直れないんじゃないか、
っていうぐらいどん底にいた私を
救い出してくれた日。

なんで
あなただったんだろう。

他に慰め

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お月さま

お月さま

私が教えるまで知らなかったでしょう。

今夜は月がきれいですね。

それが愛してます、
の和訳だって。

たしかにね。
夏目漱石の考え方、一理あるね、
日本だとあまりストレートに伝えないもんね。

そんなこと言いながら
普通に真面目に、
私の話聞いて納得してた。

でも覚えてないでしょう?

一度あなたが、

見て。
月がきれいだね。

って言ったこと。

そういう意味じゃないって
わかっているん

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助手席

助手席

私はね、
あなたが運転してる車に座ってるのが
すきです。

欲を言えば隣で。
もっと欲を言えば2人きりで。

密室だもの、
意識しないわけがないわ。

あなたの車の助手席。

昔は雨も梅雨の季節も好きじゃなかった。
でも最近はね、
あなたがいる時はね、

空が涙をこぼしますように。
ビショビショになるほど、
世界が潤いますように。
そうしたら
もしかしたら

あなたが車で送ってくれるかもしれない。

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後ろ姿

後ろ姿

大きな背中。
力強そう。
守られてるみたいだなって、

それが最初に思ったこと。
あなたの背中の第一印象。

ジムで鍛えられたのを主張してるような
バッキバキの筋肉がついてないのもいい。
それでも男らしくて頼りがいがあるあなたの背中。

汗でTシャツが背中についているとき、
私は居ても立ってもいられなくなるの。

後ろから子供のように飛びつきたい
なんて、何度思ったことか。

でもそれはできないか

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タバコ

タバコ

あなたの匂いはすぐわかる。

昔から嗅覚が優れているけれどそうじゃなくて。
探してなくても。
あ、あなただ、
って勝手に身体が反応するの。

汗とタバコと柔軟剤が混ざった香り。

あんなに大嫌いだったタバコも、
あなたのせいで
前ほど嫌じゃなくなっちゃったし。

ね、すごい影響力でしょう?
気づいてるの?
私があなたにこれほどのめり込んでること。
確信犯なの?

でもね、本当はタバコ、やめてほしい

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ラブレターっていうのかな

ラブレターっていうのかな

先日あなたに初めて手紙を書いてみました。
渡したりはしないけれど。
ラブレター、って言うのかな。

これを機に、
あなたの好きなところを毎日一つずつ
文字に起こそうと思って。

どれぐらい続くかわからないけれど。
三日坊主になってしまうかもしれないけれど。

いつか。
いつかあなたのところへ、

この手紙たちが届きますように。

自分の事だって
気づいてくれるかわからないけれど。

まだ私が近くに

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