ダメ1号
最初で最後の失敗作。ダメ1号とは奴のこと。
計算も出来ず、まともに走れず、マナーも今ひとつ。
つぎはぎボディにダサいアクセサリー、錆の匂いは香水代わり。
サングラスはDをイメージ。ダメのD、ドジのD。
タバコを吸うがロボットだから味なんてわからない。棒付きキャンディの方が似合ってる。
テンションは常にオーバーヒート、冷静になるのは金の話だけ。あいつ小銭を数えるのだけは超一流。
直す奴がいないから、壊れても自分でなんとかする。その姿がかっこ悪くて、皆んなが笑い転げる。
当然おバカさんだから、自分で直した箇所は不良のまま。手指の本数は多すぎて、体から飛び出たネジは奴をよりダサく、そして足の長さは不均一。
カラーリングは派手か地味かわからぬイエローベース。皆はピーナッツバターと馬鹿にする。錆も加わりピーナッツチョコレートカラー。
ロボットなのに家事すらできない。掃除、洗濯はしない方が有意義だ。全てが油まみれになった経験はおありかな?
よく騒ぎ、よくはしゃぎ、よく壊れる。その度にオイルを飲んで笑ってやがる。毎度毎度こぼしてるから、錆の匂いに不快感がプラス。
ダメ1号は皆んなから馬鹿にされてる不良ロボット。だけどもあいつにいい部分がある。
よく騒ぎ、よくはしゃぎ、よく壊れる。だから皆んな笑うんだ。
何も考えず、何も出来ず、何も得ようとしないから争いも生まれない。
悪意を持たず、武器を持たず、余計な知恵を持たないから誰も傷つかない。
誰よりも失敗作だから、皆んながあいつに憧れる。
ダメ1号の1は1番の失敗作の1
ダメ1号の1は1番ダメな奴の1。
ダメ1号の1はオンリーワンの1。
最初で最後の失敗作。ダメ1号とは奴のこと。
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