生きることは食べること

急に「朝ご飯のような夕ご飯」が食べたくなって起きた。
その日は朝ご飯にパンを食べた切り寝込んでしまっていたが、夕方になってから、何故か猛烈に、目玉焼きが食べたくなった。

冷凍してあるご飯をレンジで温めている間に、フライパンに油を敷き、四枚入りの薄切りベーコンを、フライパンの中央にスペースができるよう四角く並べる。
その上から、卵を２つ落とす。
いつもは１つだけど、今日は特別。
少ししてから、フライパンに少量の水を静かに入れ、火を点けふたをする。
その間に、サニーレタスをちぎり、ミニトマトを乗せてサラダをつくる。
ベーコンの焼ける匂いがしてきたらフライパンのふたをとり、卵の火の通り具合を確認する。
火を止め、塩コショウを振る。
余熱でジュージューいってる音を聞きながらパックの納豆を混ぜる。
茶碗にごはんを、皿に目玉焼きを移し、サラダにドレッシングをかける。
すべてがお盆にのったところで完成。
コーヒーは朝に飲んだので、今回はなし。
１０分もかからず完成した夕ご飯は、見た目すっごく「朝ご飯」だ。

さっきまで体が痛く、ずっと布団で寝ていたのに、
勝手知ったる狭いキッチンで、くるくると体が動いた。
昼ご飯は食べられなかったのに、サラダを口にした瞬間、
「あ、食べられる」とわかる。
目玉焼き、美味い。これが食べたかった。
ちなみに私は黄身よりも白身が好き。
あっという間に食べてしまって、「私、本当はお腹が空いてたんだ」とわかる。
もう何もできない、もう何もしたくないと思っていたのに、
「食べよう」と思ったら、体が動いた。
体を縦にしていると、横になっていた時よりも頭がスッキリした。
早くこいつに何か食わせようと、脳が指令を出しているのがわかった。
いつの間にか、気分が良くなっていた。

生きることは、食べること。