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トッド・フィリップス監督『ジョーカー』絶望男の復讐劇!
<作品情報>
「バットマン」の悪役として広く知られるジョーカーの誕生秘話を、ホアキン・フェニックス主演&トッド・フィリップス監督で映画化。道化師のメイクを施し、恐るべき狂気で人々を恐怖に陥れる悪のカリスマが、いかにして誕生したのか。原作のDCコミックスにはない映画オリジナルのストーリーで描く。第79回ベネチア国際映画祭で、DCコミックスの映画作品としては史上初めて最高賞の金獅子賞を受賞して大きな注目を集め、第92回アカデミー賞でも作品賞ほか11部門でノミネートされ、主演男優賞と作曲賞を受賞した。
2019年製作/122分/R15+/アメリカ
原題:Joker
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2019年10月4日
<作品評価>
75点(100点満点)
オススメ度:★★★☆☆
<短評>
上村
アート性と強烈なストーリーが物語を引っ張り続けます。だんだん「ジョーカー」になっていく微かな表情の変化が本当に素晴らしいですね。全体に緑がかった撮影が非常に美しく、階段の下や廊下の下からの煽るような撮り方がダイナミックでした。
これ以上ないほどジョーカーの物語にリアリズムを持たせ、広がる格差社会、虐待といった社会問題もありありと浮かび上がってくる傑作です。
クマガイ
現代版『タクシードライバー』ですよね。それをまさかアメコミのヴィランでやってくるとは本当にたまげた!
ティム・バートン版『バットマン』のジャック・ニコルソン、『ダークナイト』のヒース・レジャーと、もはや一つのキャラクターとして完成され尽くしたジョーカー像に、新たなエッセンスを加えたホアキン・フェニックスの演技は壮観でした。
吉原
MARVELでもDCでも悪役を主人公にした映画が作られていますが、彼らの内なるヒーロー性ではなく、歴とした悪役として描いた作品はこの作品だけかもしれません。社会や家庭環境が一人の人間をいかに”狂人”たらしめてしまうのか、既存のキャラクターを使って問うアメコミ作品でありながらもアメコミ作品らしくない怪作です。
昨今、アメコミ界ではマルチバースの存在が騒がれている中、ブルース・ウェイン本人や彼の両親とジョーカーの関係性についても、他のバットマン作品とは異なるアプローチをしたのは非常に興味深いと言えます。
北林
『ジョーカー』は見事な演技と映像美で本当に面白かったです!
しかし、ジョーカーの裏側を知りたくなければ、あまりおすすめはしません。ジョーカーのバックストーリーは、私にとっては彼の神秘性や予測不可能な魅力を薄くさせちゃう感じがしました。
神の苦労話は聞きたくなかった、そんな気持ちです…!
<おわりに>
言わずとしれた異色作、アカデミー賞にもノミネートされましたよね。バックストーリーを語ってしまうことによる弊害もありますが、アート性とエンタメが見事に融合し、しかも社会問題までも盛り込まれたヴィラン映画の最高峰なのは間違いないのではないでしょうか。
なんといっても主演ホアキン・フェニックスの怪演…!それだけでも観る価値ありの作品です。
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