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クロード・ルルーシュ監督『男と女』高純度のラブストーリー


<作品情報>

当時無名だったフランスのクロード・ルルーシュ監督が自ら資金を調達して製作した恋愛ドラマ。主演はアヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャン。スタントマンの夫と死別した脚本家アンヌと、妻に自殺されたカーレーサーのジャン・ルイによる大人の恋愛がフランシス・レイの音楽と美しい映像にのせてつづられる。1966年の第19回カンヌ国際映画祭ではパルムドールを、同年度のアカデミー賞では外国語映画賞を受賞した。2016年、製作50周年を記念してデジタルリマスター版でリバイバル公開。

1966年製作/104分/G/フランス
原題:Un homme et une femme
配給:ドマ、ハピネット
劇場公開日:2016年10月15日

https://eiga.com/movie/43069/

<作品評価>

80点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆ 

<短評>

上村
なんてことはない、普通のラブストーリーなのになんでこんなに面白いんでしょうか。カラーと白黒を行き来しつつ、過去と現在を巧みに描く手腕がお見事!としか言いようがないです。
人の哀しみ、孤独、愛情を的確に描ききった演出も確かなものがありますし、アカデミー脚本賞をとったのも納得の抜群の構成力!これはすごいと思います。
クロード・ルルーシュってこんなに上手い人だったのか。他のも見なきゃ。

吉原
本作はパートナーを失った男女の出会いと愛を描いた作品です。予算の都合もあり、全てをカラー作品にすることができなかったそうですが、むしろそれがプラスになっているというなんとも稀有な作品でもあります。
中高生向けラブコメくらいシンプルな内容ですが、それだけだと無邪気で子供っぽい映画になってしまいかねません。本作は、その問題点を上記でも挙げた色の使い分けや、登場人物の感情に対する十分すぎるほどのフォーカス、シンプルな物語を文学的で尚且つ高尚に描く技量など様々な要素が混ざり合うことによって高い評価を受ける作品となったのではないかと感じました。
普段、フランス映画を観ないような人にとっては、取っ付きにくいのではないかと思うので、あえて別の角度からオススメポイントを紹介したいと思います。それは本作に登場する「レースシーン」です。最近、「グランツーリスモ」という映画が流行りましたが、あの作品で少しでもル・マンに興味を持った人は一見の価値があるのではないかと思います。本作のレースシーンの迫力は「グランツーリスモ」に負けず劣らずなところがあると思います。

<おわりに>

シンプルなフランス映画なのになぜこんなにも惹かれるのでしょうか。技術的に高いのはもちろん、演者たちも素晴らしい作品です。
フランス映画の入門編として観てほしい作品です。

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