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ファティ・アキン監督『愛より強く』激しい愛をめぐるラブストーリー
<作品情報>
2004年のベルリン映画祭で金熊賞を受賞した、俊英ファティ・アキンによるラブストーリー。人生に絶望して自殺未遂を起こした40歳のジャイトは、親から自立したいという理由でジェイドとの偽装結婚を望むトルコ系女性シベルの申し出を受け、彼女と偽装結婚することになる。複雑な偽装生活の中で、ジャイトは彼女に次第に惹かれていくことに気づくのだが……。2009年3月にファティ・アキン監督特集としてリバイバル上映。
2004年製作/121分/R18+/ドイツ
原題:Head-On
劇場公開日:2006年4月29日
<作品評価>
70点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆
<短評>
おいしい水
ドイツの名匠、ファティ・アキン作品です。唯一観たのが『女は二度決断する』だったせいか、良くも悪くもイメージと違いました。
偽装結婚から本当の愛が生まれるというストーリーだとはそもそも思ってなくて、もっと重たい話だと思ってたので意外でした。
血まみれの激しい愛、というレビューが多いけどそこまで激しさは感じなかったですかね。確かに後半のヒロインの行動はかなりトチ狂った感じでしたが。
とはいえドイツのトルコ人という自らの出自を反映した設定や、ドイツの中のトルコ文化は面白かったです。妹の存在自体を抹殺するとか理解できないです。何も悪いことしてないのに。
ベルリンは独特の選出をするイメージですが、本作もそこまで刺さらなかったのですが独特の味は確かにあるかなとは思います。
吉原
最初の印象は「あまり好きそうじゃない」そこから1時間くらいは「傑作」、そこから最後までで「まぁ普通かな」と何回も評価が変わる、期待の上がり下がりがすごい映画でした。
物語自体は、触れ合う内にどんどん惹かれあっていくラブストーリーという普遍的で王道の内容なのに、そこに付随要素が多すぎて失敗してる感じが否めません。正直、この手のラブストーリーはそこまで凝っている必要を感じない。
まぁ宗教とか移民の話をそういう王道の物語に組み込んだところが金熊賞の受賞に繋がっているのだろうからあまり文句は言えないのですが…ちょいちょい挟まれる謎の楽団のシーンも変わっていると言えば変わっているし、ベルリンらしさは感じられると思います。
起承転結の「転結」が微妙な作品ではあったけど、途中まではすごく見応えがあって面白かったし、嫌いになれない作品ではありました。「起承」が80点、「転結」が60点で平均を取って70点といったとこでしょうか。
<おわりに>
ドイツの名匠ファティ・アキン、渾身のラブストーリーではないでしょうか。ベルリン映画祭らしい選出だと思います。
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