ニール・ジョーダン監督『マイケル・コリンズ』アイルランドの英雄
<作品情報>
<作品評価>
65点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆
<短評>
おいしい水
よく出来てはいます。欠点の見つからない映画ではありますが、正直あまり新味がなく退屈してしまいました。
顔も知られていない暗殺者としてのマイケル・コリンズをリーアム・ニーソンが見事に演じていました。ですが、個人的にはそれを上回るキャラの濃さだったのはアラン・リックマン演じるデ・ヴァレラでした。不遜な表情で立ち回る政治家としての恐ろしさを体現していました。
一番いらないなーと思ったのはジュリア・ロバーツ演じるキティの取り合いです。なんかどっちでもいいし恋愛劇が長くて退屈でした。まぁマイケル・コリンズの人間味を描きたかったのだとは思いますが。ジュリア・ロバーツ自体はよかったです。
アイルランド問題に興味がある人ならもっと楽しめるのではないでしょうか。まぁ一種の勉強として知らないことを知ることができたという意味で意義ある一作ではありますね。
吉原
アイルランドを独立へと導いたマイケル・コリンズの人生を描いた伝記映画で、独立への物語と独立後の内戦が描かれています。
本作はベネチアにて金獅子を受賞した映画ですが、パルムドールを受賞したケン・ローチ監督の「麦の穂をゆらす風」も同様の時期と題材を描いた作品であり、主人公が最終的に立つ立場が異なるので比較してみるとより理解が深まると思います。
アイルランド独立という歴史的事件をエンタメ的に描いているので一本の映画としては非常に面白いですが、この題材に触れたことが一度もないと少し難しい内容なのかもしれません。
しかし、リーアム・ニーソンのカリスマ性と熱意を感じる鮮やかな演技には感服しました。この演技をだけで本作を観る価値は十分にあると思います。
<おわりに>
いわゆるアイルランドものですが、クオリティは高いものの人を選ぶ映画だと言えるでしょう。
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